『奇々怪界あどばんす』(アルトロン)

【画像】カラー展開が楽しかったGBA(5枚)

驚きの値上がりを見せたプレミアGBAソフト

 2001年3月21日に発売された携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」(以下、GBA)。2022年で21歳になったGBAでは、売上500万本を超える『ポケットモンスター ルビー/サファイア』などの人気作を含め、これまでに約800もの専用タイトルが作られています。

 そのなかには、出荷本数の少なさから市場価格が高騰したプレミアソフトも存在しました。今回は、発売後に価格がプレミア化したGBAソフトを3作ピックアップ。注目ポイントに絞ってゲーム内容をご紹介します。

『エレベーターアクション OLD&NEW』

 最初にご紹介するのは『エレベーターアクション OLD&NEW』(タイトー)。本作は1983年に誕生したアーケードゲーム『エレベーターアクション』に基づいたアクションゲームで、タイトル名の通り、2種類あるゲームモードが特徴。「OLD」はオリジナル版のゲームシステムを限りなく再現し、「NEW」ではライフ制の導入をはじめ、オリジナル版の良さを踏襲したアレンジが施されていました。

 本作に登場するキャラクターは計4人。全体的にバランスの取れた「ロビン」、スピードとジャンプ力を犠牲に耐久力を高めた「飯(ファン)」など、ゲーム開始時に好きなキャラクターで攻略を楽しめる点も魅力的(ゲームモード共通)。同シリーズは硬派なミリタリーテイストに寄ったタイトル(エレベーターアクション リターンズなど)も見られますが、本作は対照的にコミカルなテイストが全編に散りばめられています。

『奇々怪界あどばんす』

 アーケードゲームを皮切りに、ディスクシステム・PCエンジンなどの家庭用ゲーム機へ移植されたアクションシューティングゲーム『奇々怪界』(アルトロン)。同シリーズのGBA初参入となったのが『奇々怪界あどばんす』です。本作はオリジナル版(アーケードゲーム)の忠実な移植ではなく、元来の作風を受け継ぎつつ、新たな操作システムなどを組み込んだ新作として作られました。

 プレイヤーはシリーズおなじみの主人公「小夜ちゃん」・見習い巫女の「美紀ちゃん」・化け狸の「魔奴化」を操作し、封印を解いて蘇った「ヤマタノオロチ」の討伐へ向かいます。プレイフィールは過去タイトル(スーパーファミコン版)よりもシンプル、かつ程よく歯ごたえアリな印象。2種類の攻撃を駆使しつつ、堅実な立ち回りで妖怪たちをさばくオリジナル版のテイストへ先祖返りを果たしました。

 同シリーズの発売を最後に、長らく音沙汰が見られなかった「奇々怪界」シリーズ。しかし2022年1月、スーパーファミコン版の開発を担ったスタッフ陣による最新作『奇々怪界 黒マントの謎』の発売が発表されたことで、再び同シリーズに対する注目度が高まっています。

『きせっこぐるみぃ チェスティとぬいぐるみたちの魔法の冒険』

 最後に取り上げるのは、『きせっこぐるみぃ チェスティとぬいぐるみたちの魔法の冒険』(エム・ティー・オー)。こちらは同じ発売元が手掛けた『大好きテディ』のゲームシステムを受け継ぎ、着せ替え+RPGを軸にすえた「きせかえアドベンチャーゲーム」となります。ゲームの舞台はとある魔法の国。主人公(プレイヤー)の少女「チェスティ」は魔力を失って衰えていく国を救うため、ふたりの魔法使いと協力しながら冒険へ出発します。

 本作のメインは「ぬいぐるみ作り」と「チェスティの着せ替え」。前者はフィールド内で入手した素材を利用するクラフト要素で、各パーツの組み合わせによって10億通りのぬいぐるみを制作できます。また、本作のぬいぐるみは単なるインテリアや玩具ではなく、魔法の力で自立し言語を話すことも可能。ぬいぐるみのボディー作りに加え、好みの性格を与えて楽しくコミュニケーションをとる遊び方も用意されていました。

 後者の着せ替え遊びもぬいぐるみ作りと同様、約70品の衣装を使った自分なりのコーディネート遊びが印象的。あくまで2Dイラスト上の着せ替えではあるものの、重ね着の概念や豊富な色数に伴う衣装カラー切り替え、そして何よりかわいらしいキャラクターデザインも相まってクオリティは十分。ただ現在は出荷本数の少なさゆえ、当時の定価よりも数倍以上の高騰を見せています。