「週刊少年ジャンプ」2022年13号(集英社)

【画像】あなたの人生を変えたのは? ジャンプの歴代看板作品(7枚)

歴代看板作品で紐解く「週刊少年ジャンプ」の歴史

『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『鬼滅の刃』……国民的マンガ作品を数々送り出してきた「週刊少年ジャンプ」。その歴史を語るうえで、たびたび耳にするのが「ジャンプ黄金期」という言葉です。漠然とイメージは浮かびますが、実際のところ、これまで「ジャンプ」のラインナップはどのように推移してきたのでしょうか?

 この記事では、年代ごとの看板作品とともに、「週刊少年ジャンプ」の歴史をご紹介します。どの時期が一番熱中した連載陣だったのか、振り返ってみてください。

創刊〜70年代 実はあの作品も「ジャンプ」で連載

「週刊少年ジャンプ」の創刊は1968年。創刊間もない「ジャンプ」を引っ張ったのは、『ハレンチ学園』『男一匹ガキ大将』の2作品。このヒットにより、1971年には発行部数100万部を突破することとなりました。

70年代には、今の若者世代も名前は聞いたことがあるハズの『ど根性ガエル』、『マジンガーZ』がスタート。これらの名作も、実は「ジャンプ」で連載されていました。 

80年代 『北斗の拳』から黄金期がスタート?

 80年代に入ると、メガヒット作の連発で、さらに「ジャンプ」の人気が加速します。大きなインパクトを与えたのは1983年にスタートした『北斗の拳』。それ以前にも『キャプテン翼』『Dr.スランプ』『こち亀』が並び盤石でしたが……『北斗の拳』の人気ぶりはひときわすさまじく、一気に格闘バトルマンガの流れが生まれることになります。そして、70年代から連載していた『キン肉マン』がアニメ化されたのも1983年。「キンケシ」も爆発的な売れ行きを誇り、圧倒的ブームを巻き起こしました。

 そして、翌1984年には、ついに『ドラゴンボール』がスタート。「ジャンプ」の人気はさらにもう1段階ギアを上げ、この年の年末最終号は400万部を突破。その後10年にわたって「ジャンプ」の圧倒的な快進撃が続くことになります。1986年には『聖闘士星矢』もスタートしており、本作は高い女性人気も獲得。週刊“少年”ジャンプが、読者層に大きな広がりを見せることとなりました。

90年代 3看板でさらに勢いが加速! 歴代最高部数を達成

 90年代前半には『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』『SLAM DUNK』『幽☆遊☆白書』の3作品が看板となり、完璧な布陣が完成。これらの作品が人生の支柱になった人も多いのではないでしょうか。1994年には『幽☆遊☆白書』が終了しますが、「ジャンプ」の勢いは止まりません。その年末に発売された「1995年3・4号」では、653万部の歴代最高部数を達成することとなります。

 しかし、1995年には『ドラゴンボール』、1996年には『SLAM DUNK』が連載終了。一般的に「黄金期」と呼ばれることが多いのは、1983年の『北斗の拳』スタートから、この『SLAM DUNK』連載終了の1996年までではないでしょうか。実際、「ジャンプ」の発行部数もここから急降下してしまいます。

 とはいえ、90年代後半の「ジャンプ」が焼け野原だったわけではありません。いまだに高い人気を誇る『るろうに剣心』『HUNTER×HUNTER』が連載されていました。そして新時代の希望となる『ONE PIECE』『NARUTO』もスタートするのです。



著:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第1巻(集英社)

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2000年代〜 黄金期の終焉、新時代の幕開け

2000年代 新たな3看板が誕生

 90年代から比べると人気が落ち込んだ「ジャンプ」ですが、『ONE PIECE』『NARUTO』が快進撃。そしてさらに『BLEACH』も看板として加わります。まさに新時代、ピカピカに光り輝く3看板が完成しました。この3作品もまた、多くの人生を変えていることでしょう。

 2000年代は、このほかにも『アイシールド21』『銀魂』『DEATH NOTE』といった作品が連載されており、盤石といえる布陣です。もちろん全盛期に比べると劣りますが、数々の人気作によって発行部数も300万部程度で踏みとどまることになります。

2010年代〜現在 『NARUTO』が終了、『鬼滅の刃』が社会現象に

 2010年代に入っても、『ONE PIECE』『NARUTO』の快進撃は止まりません。『BLEACH』の人気は下がってきてしまいますが……2010年代前半にはグルメバトルマンガ『トリコ』、テーマが“担任教師を暗殺すること”な『暗殺教室』など、斬新な設定のマンガがヒットを飛ばします。『黒子のバスケ』『ハイキュー!!』と、スポーツのジャンルからも人気作が生まれました。

 そんな流れのなか、『NARUTO』が2014年に連載終了。大きな看板を失うことになりましたが、新たな王道作品『僕のヒーローアカデミア』『ブラック・クローバー』、異色の話題作『約束のネバーランド』『Dr.STONE』が誕生し、「ジャンプ」を支える柱となります。

 そして空前のヒットを飛ばしたのが『鬼滅の刃』。もともとマンガ単体でも支持されていましたが、アニメ化で人気が爆発。久々に社会現象を巻き起こすほどのマンガ作品が「ジャンプ」から誕生しました。この流れもあってか、最近では『呪術廻戦』もアニメ化とともに、人気が爆発しています。

 こうして振り返ってみると、たとえ看板作品が終了しても、次々と新たな看板が生み出されてきたことが分かります。「新人の新連載を重視する」といわれるジャンプの考え方が実感できる足跡です。

 また、現在では「復刻版 週刊少年ジャンプ」と銘打ち、1968年の「ジャンプ創刊号」や、黄金期の号を復刻したパックも販売されています。懐かしくなった方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。