毛利蘭の髪は、いつから尖っていたのか? 画像は『名探偵コナン 紅の修学旅行』アニメコミック(小学館)
ジャイ子はいきなり豹変した?
長期連載のマンガでは、キャラクターの姿や性格が少しずつ変わっていくことはよくあります。その理由は構成上の都合であったり、はたまた作者の癖だったりとさまざまです。この記事では、ネットでもたびたび指摘されている国民的キャラクターの性格や容姿の変化について、だいたいどのあたりで変わったのかの境界線を紹介します。
『コナン』の蘭姉ちゃんの髪が鋭利になったのはいつから?
単行本もついに100巻に到達した、超人気マンガ『名探偵コナン』(著:青山剛昌)のヒロイン、蘭姉ちゃんこと毛利蘭。彼女はずいぶんと前から、そのソリッドな髪型に関してネットで指摘され、時にネタにされてきました。まったく失礼な話です。
とはいいながらも、いつのまにか彼女の髪型が「切っ先」と化してしまったのも、また事実。一体、いつごろからなのでしょうか。初登場時はまだ柔らかな雰囲気だった彼女の頭頂部ですが、続く2巻でもまだ波打つ程度。ただ、のちにツノになるであろう膨らみはすでに生じています。
そして3巻第1話「籏本家の一族」は、「膨らみ」から「切っ先」へと転じるまさに過渡期で、コマによってまちまち。境界線はどうやら、このあたりに潜んでいそうです。なおこの鋭利部分に関しては、前髪の盛り上がった箇所を簡略化したものだという説が今のところ有力です。
『ドラえもん』のジャイ子が優しくなったのはいつから?
『ドラえもん』(著:藤子・F・不二雄)のジャイアンの妹・ジャイ子の性格も、初期から後期にかけて描かれ方が大きく変化しています。初登場時では「やあ首つりだ、ガハハハ」と木からぶら下がったのび太を指差して笑うなど、厄介な性格の持ち主として登場した彼女ですが、後半では漫画家志望のセンチメンタルな少女へと成長していきました。
コミックスでは、存在感や知名度の割に登場回数は意外と決して多くなく、全話通じても15話あるかないかといったところ。さっそく確認していきましょう。第1巻での衝撃の初登場の次は、4巻。この頃は口調も「ちよう、ちよう」と舌足らず。ずいぶん幼い印象を受けますし、性格は粗暴のままです。
そこから次に登場するのは、なんと22巻「ジャイ子の恋人=のび太」。ここになんと、18巻ものブランクが生じるのです。そしてここで初めて彼女が漫画家志望である設定が明かされ、口調も以前のような幼児言葉ではなくなります。さらに、24巻で登場して初めて、のび太を「のび太さん」と呼ぶのです。ジャイ子、「メタモルフォーゼ」完了です。
以降、彼女は自分の夢と真摯に向き合い続けます。長いブランクが空いたからこそ、加速度的に成長を遂げることができたのかもしれません。
山岡に三枚目の要素が加わり始める『美味しんぼ』4巻(小学館)
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無愛想だった山岡が、周りからいじられようになって…
『美味しんぼ』の山岡が三枚目になったのはいつから?
美食マンガの金字塔『美味しんぼ』(原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ)の主人公、山岡士郎のキャラ変貌ぶりには、ファンも度肝を抜かされました(栗田さんのキャラデザに関しては別記事にゆずります)。初期山岡とくれば、まったく無愛想で権力に物怖じせず、上司の命令には逆らい、栗田さんの握ったおにぎりに「30点」と吐き捨てる、そんな無頼漢でした。
ところが巻数が進むにつれて、上司から怒られないよう逃げ回ったり、料理を前に「うひょー」なんて舌を出したりする、完全な三枚目へと変化しています。この変化は、どこで訪れたのでしょうか。
山岡の三枚目しぐさ(ひっくり返る、舌を出す、上司から逃げる、など)が、現れる瞬間……。最初の3巻くらいまでは時に激昂することはあっても、笑顔がほとんど見られませんが、4巻から変化が訪れます。競馬で負けて悔しがったり、スケバンにヤキを入れられそうになって「ふえ…」なんて弱々しい声を出したり、タコに顔面に墨を吐かれたり……やはり4巻で、明らかにコミカルなキャラになっています。ここから徐々に、周囲の山岡へのおちょくりが加速していくようです。
以上、簡単ながら超人気作品のなかでも、ネットでたびたびそのキャラクターの変容ぶりが指摘されているキャラとその境界線を紹介しました。ジャイ子はブランクがあっての豹変でしたが、蘭姉ちゃんの髪型も、山岡士郎の性格も、意外と早くその変化が訪れていることがわかります。皆さんのなかで、他に変化が気になっているキャラクターはいますか?