我妻善逸がジャケットに描かれている『鬼滅の刃』Blu-ray/DVD Vol.5  (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

【画像】善逸と禰豆子の後日談が読めるマンガ

美少年で大人な魅力が随所に光る?

 TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』で上弦の陸と戦う善逸は、吉原への潜入のため女装したままですし、鼻ちょうちんまでプカプカ……。そんなユーモラスな姿であるにもかかわらず、キレキレな技の迫力に、思わずうっとり見惚れてしまいます。

 臆病でネガティブなヘタレでありながらも、高い人気を誇る善逸。この記事では、そんな彼が目立つシーンに隠れがちな部分に光をあて、「善逸はやっぱりステキでカワイイ」と改めて思える5つのシーンをご紹介します。

おにぎり半分この優しさ

 最終選別の後、善逸と炭治郎が出会うのは、鼓屋敷への道中です。女の子にすがって、泣きながら結婚を迫る善逸にドン引きした炭治郎は、「なんでそんなに恥をさらすんだ」など、厳しい言葉を浴びせてしまうほどでした。その後、おにぎりを分けて励まし、力づけてやるところは、さすが炭治郎の優しさです。

 ここでの善逸の「かわいいポイント」は、おにぎりをモグモグする小動物的なキュートさ。口の周りに米粒がポチっと付いているのも、けっしてワイルドなのではなく、かわいらしさ満点です。

 そんな善逸も、自分がもらったおにぎりが炭治郎の唯一の食料だと知ると、それを半分に割り炭治郎に分けて渡します。そのおにぎりがもともと炭治郎のものであって、たったひとつの自分のおにぎりを分けてくれる炭治郎こそが優しいのだと分かってはいても、「善逸、やさしい~!」と、キュンキュンしてしまった人も多いかもしれませんね。

 普段の善逸がヘタレであればあるほど、こういう思いがけない優しさや頑張り、大人っぽさや頼りがいが見える一瞬にハートを射抜かれてしまうものなのです。

「世界一の美少年」に並ぶ美しさ!?

 那田蜘蛛山(なたぐもやま)の戦いでも、戦う前から善逸のかわいいシーンと胸打つ名言があります。

 那田蜘蛛山を前に、怖さのあまり道ばたに座り込んでしまった善逸は、炭治郎と伊之助に、そのまま置いて行かれてしまいます。放置されたことにショックを受け、「俺 嫌われてんのかな」と、うつむく善逸の横顔は、名作映画『ベニスに死す』の登場人物で、「世界一の美少年」と呼ばれた美少年・タッジオを思わせるほどの美しさ……。

 鬼殺隊の仲間を助けるために、すっ飛んで行ったふたりと比べて善逸のヘタレぶりが際立つシーンですが、この寂しそうな顔が庇護欲(ひごよく)をかきたて、胸をキューンとわしづかみにします。

 そんな怖がりな善逸が那田蜘蛛山に入るきっかけは、愛する禰豆子でした。炭治郎が禰豆子を背負ったまま走って行ったことを思い出しすと、「なんで俺の大切な禰豆子ちゃん 持っていってんだぁー!!! とんでもねえ炭治郎だ」という名言を叫びながら、すばらしい爆走を見せるのでした。

無限列車の戦いの後に注目

 無限列車での戦いでは、魘夢(えんむ)の血鬼術で見た幸せな夢のなかで、禰豆子と手をつなぎ、瞳をキラキラさせながら全身からハッピーオーラを放って走る善逸や「禰豆子ちゃんは俺が守る」と、かっこよさ全開な善逸を見ることができます。

 そんななか、善逸のかわいさを改めて感じるのは、炎柱・煉獄杏寿郎と上弦の参・猗窩座(あかざ)の戦いの後、煉獄さんの最期の言葉を聞いている炭治郎、伊之助とは別の場所で、禰豆子を必死で太陽から守っている姿です。

 そして、その後、禰豆子の入った箱を背負っている姿にも「禰豆子ちゃんは俺が守る」の言葉に込められた想いの強さを感じ、キュンとジワリの波状攻撃を受けます。

 さらに、蝶屋敷で治療を受けている際、炭治郎を思いやる善逸からは、大人の優しさも感じることができます。優れた聴覚を持つ善逸は、煉獄さんの「音」から、その心を理解し、「どんな強そうな人だって 苦しいことや悲しいことがあるんだよな だけどずーっと蹲うずくまってたって 仕方ないから 傷ついた心を叩いて叩いて立ち上がる」と、すでに自分を立て直していました。

 その上で、まだ立ち直りきれずにいる炭治郎を思いやり、いつもと変わらぬ笑顔でまんじゅうを食おうと、努めて明るく接するのです。その意外な大人思考やそっと寄り添う優しさは、ここまでの善逸とはひと味違う「素敵な男」のトキメキを与えてくれます。

※これ以降、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

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これから楽しみな善逸の「いい笑顔」

頼られて「いい笑顔」

 善逸の「いい笑顔」と言えば、刀鍛冶の里での戦いの後、柱稽古が始まることを療養中の炭治郎に知らせに来た時に見せた笑顔です。

 これから始まる地獄の柱稽古にナーバスになっている善逸に、天然の褒め上手である炭治郎が上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)との戦いで、善逸に教えてもらったことが役に立ったことなどを話すと、嬉しく誇らしい気持ちがすべての毛穴から放出されているような「ニッコニコオ」笑顔に。

 自己肯定感が低めな善逸にとって、炭治郎の言葉がいかに嬉しかったかがよく分かります。そして、廊下に出てからも、「まったくもう みんな俺がいなきゃ なんにもできないんだから」と、ウキウキ、いそいそと柱稽古に向かう善逸は、かわいさ満点です。

初めての「温かい家」で、ほんわか

 鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との最終決戦後、生まれ育った家に戻った炭治郎と禰豆子に善逸と伊之助も同行し、その家で一緒に暮らすようになります。家に着いた時の善逸のパッとした笑顔、そして「ここが炭治郎と禰豆子ちゃんの育った家かぁ…… いいなぁ あったかいなぁ」と、憧れを込めてつぶやく笑顔もまた、ピンポイントのかわいさです。

 善逸は、親に捨てられ、家族を知らずに育ちました。育手である、元柱・桑島慈悟郎(くわじま・じごろう)や兄弟子とともに暮らした日々もあったでしょうが、それはあくまで修行の一環であり、平和に、ただただ温かく過ごせる家は初めてだったのかもしれません。

 愛する禰豆子と暮らせる嬉しさもあったとは思いますが、戦いの日々のなかで、家族以上の存在になっていた炭治郎、伊之助と一緒に暮らせる家という場所が、善逸のほんわか幸せな笑顔を生んだものと思われます。

 あなたが好きな、善逸のピンポイントでステキ&かわいいシーンは、どんなシーンでしょうか?

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記