『鬼滅の刃 柱合会議・蝶屋敷編』キービジュアル(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

【画像】柱になる前の煉獄や不死川のエピソードを収録(4枚)

柱だって失敗する でもその後がやっぱり「柱」

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』での、炎柱・煉獄杏寿郎の名セリフ「よもやよもやだ」。鬼の術に落とされ、目覚めた時の言葉です。煉獄さんはこの後自分の間違いを認めていました。

 鬼殺隊の最強の存在である柱ですが、戦いのなかで判断を誤ることがあります。しかし作中で、柱はミスをしても自分の過ちを認めています。「私は何も間違えない」という鬼舞辻無惨とは対照的です。柱たちが失敗したシーンと、それに対してどう対処したかを見ていきます。

魘夢の術に落ちた炎柱・煉獄杏寿郎

 無限列車で、魘夢の血鬼術によって煉獄さんは眠らされました。起きた時には、列車が魘夢と融合してしまっていました。

 列車の乗客も眠っているなか、煉獄さんは目覚めます。魘夢に取り込まれようとした人びとを見て「うーん!」とうなり、続けました。

「うたた寝している間にこんな事態になっていようとは!! よもやよもやだ。柱として不甲斐なし! 穴があったら入りたい!!」

 落ち込みもせず、煉獄さんの表情はキリリとしています。一度意識を取り戻せば、細かく列車に斬撃を入れ、炭治郎たちに的確な指示を与えました。

 失敗すると、頭が真っ白になってなにもできなくなる時があります。しかし、煉獄さんは自分の失敗を認めつつ、「よもやよもやだ」と勢いをつけて立ち直りました。ミスは防ぐべきですが、間違った後の振る舞い方は煉獄さんを見習いたいですね。

「嫁を助けたい一心で」判断を誤った音柱・宇髄天元

「遊郭編」で、音柱・宇髄天元と炭治郎たちは吉原に潜入。しかし、定期連絡に善逸が現れません。炭治郎と伊之助が待っていると、天元が現れました。そして、「善逸は来ない」と説明を始めます。

「お前たちには悪いことをしたと思ってる 俺は嫁を助けたいが為にいくつもの判断を 間違えた 善逸は今行方しれずだ 昨夜から連絡が途絶えてる」

 天元は炭治郎たちにミスをした理由と、謝罪をします。その後のフォローも怠りません。

「お前らはもう“花街(ここ)”から出ろ 階級が低すぎる ここにいる鬼が“上弦”だった場合 対処できない 消息を絶った者は死んだと見做す 後は俺一人で動く」

 逃げろと言われた炭治郎はもちろん断ろうとします。天元はそれにも落ち着いて諭します。

「恥じるな 生きてる奴が勝ちなんだ 機会を見誤るんじゃない」

 ミスを認めるだけでなく巻き込んだ部下の気持ちまで思いやってくれる天元は、まさに上司の鑑。妻たち3人がついて行く理由も分かります。

※これ以降、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。



宇髄天元が「すげえ奴ら」と呼ぶ最年少の天才、霞柱・時透無一郎 著:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第12巻(集英社)

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自分が負けた後のことを考える

玉壺の技にハマった霞柱・時透無一郎と、半天狗に突っ込んだ恋柱・甘露寺蜜璃

 冷静な霞柱・時透無一郎も、刀鍛冶の里を襲撃した鬼の血鬼術で窮地に陥ります。上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)に近づいた無一郎は、玉壺が取り出した壺からあふれ出す水に包まれました。

 水は「水獄鉢(すいごくばち)」といって無一郎を包み込む巨大な壺の形に。空気がない水のなかでは、呼吸が使えません。肺に残った空気で「霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞(いちのかた すいてんとおがすみ)」を出しましたが、壺は壊れません。

 無一郎は自分の敗北を悟ります。

「だめだな 終わった 応援が来てくれるといいけど お館様 俺は死ぬから せめて二人 柱を頼みます」

 命の危機が迫る時でも、無一郎が考えていたのは自分が死んだあとのことでした。柱となっただけあって、若くても強い責任感を見せています。このあと、無一郎は少年・小鉄の決死の行動によって救われ、ひとりで上弦の鬼を討ち倒します。

 また、刀鍛冶の里へは玉壺とともに上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)も襲ってきました。半天狗には分裂する能力があり、分身・憎珀天(ぞうはくてん)と恋柱・甘露寺蜜璃が戦います。

 蜜璃は憎珀天と対決し、戦いを有利に進めました。しかし、真正面から突撃してしまい、「狂圧鳴波」を浴びて気絶します。

 もし単身であったなら蜜璃は敗北していました。しかし炭治郎と禰豆子、そして不死川玄弥が3人がかりで失神した蜜璃を庇います。意識を取り戻した蜜璃は、憎珀天の攻撃を斬ります。

「みんなありがとぉ~~~~!! 柱なのにヘマしちゃってごめんねぇぇ」

 謝った後、蜜璃は激しい攻撃を繰り出しました。心拍数を上げ、戦ううちに「痣」を発現させます。寿命の前借りをする代わりに能力を向上させる「痣」を出し、憎珀天を食い止めました。

番外編:蟲柱・胡蝶しのぶの「うっかりです」

 なかには柱の「かわいいミス」もありました。那田蜘蛛山で蟲柱・胡蝶しのぶは下弦の伍・累の姉蜘蛛を毒で倒します。

 どうして頚を落とさないのに鬼を殺せるのか、しのぶは説明しました。

「頚を斬られて無いからって安心したらいけませんよ 私のように毒を使う剣士もいますからね 鬼殺隊・蟲柱 胡蝶しのぶ 私は柱の中で唯一 鬼の頚が斬れない剣士ですが 鬼を殺せる毒を作ったちょっと凄い人なんですよ」

 そこでしのぶは、鬼がすでに絶命していると気付きます。

「ああ 失礼しました 死んでるからもう聞こえませんね うっかりです」

 てへっ、と頭を自分で軽く叩くしのぶ。こんなかわいいうっかりミスなら、ファンとしてはむしろ大歓迎です。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記