『ドラゴンクエストII』(画像は同作のAndroidアプリ版) (C)1987, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved

【画像】ラスボスじゃなかった! DQの伝統の始祖的存在「ハーゴン」(5枚)

今では考えられない? 「はぐれメタル」から逃げる選択を強いられた!

 2022年1月26日、ファミコン用ソフト『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(以下、ドラクエII)が発売から35周年を迎えました。本作は『ドラゴンクエスト』(以下、ドラクエ)内で紡がれるストーリーのひとつ、いわゆる「ロトシリーズ」の完結作としてファンに愛されています。また、以降に発売される『ドラクエ』の「定番」となるアイテムや呪文、モンスターなどを多く定着させた作品としても多大な評価を集めるタイトルです。

 各種プラットフォームからリメイク版も展開されており、令和になった今でも手軽に遊ぶことができます。ですが、リメイク版では、かつて多くの勇者を挫折させてきた難易度は見直されています。この記事では、「元祖」ファミコン版『ドラクエII』が誇るシリーズ屈指の”高”難易度に焦点をあてていきます。

 たとえば、レベル上げの代名詞、倒すことで高経験値を得られる「はぐれメタル」の初出は『ドラクエII』です。今でこそ、生半可な攻撃が効かないうえ、すぐに逃げてしまうイメージが定着していますが……初登場時の「はぐれメタル」は高火力の呪文を用い、主人公一行を壊滅に追い込む好戦的なモンスターとしての脅威も持っていました。ときに、「はぐれメタル」を前にこちらが「逃げる」選択肢をとることも、珍しいことではなかったのです。

 また、パーティー制度が初めて採用された作品も『ドラクエII』。共に戦う仲間が増えたことでバトルの戦略性も向上しましたが、仲間のひとり「サマルトリアの王子」は、お世辞にも頼もしいとは言い難い存在です。

 剣と呪文を駆使するキャラクターとして登場しましたが、初期ステータスが低いうえ、ストーリー終盤で装備できる最強武器も「てつのやり」と、攻撃力に不安が残ります。戦闘以外で重宝する呪文を多く覚えるものの、「はぐれメタル」ですら脅威となる本作では、戦闘中にやられてしまうことも少なくありません。

 きわめつけは、彼が取得する最後の魔法が、自爆の呪文「メガンテ」……。使いどころが見出しづらい仲間の存在も、『ドラクエII』の難易度を底上げする一因でありました。

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製作者ですら想定外!? 伝説の鬼畜ダンジョン「ロンダルキアへの洞窟」

『ドラクエII』最大の鬼門は、ラスボス「ハーゴン」の本拠地に至るまでの道中に訪れます。シリーズ屈指の最難関ダンジョン「ロンダルキアへの洞窟」は、多くの勇者を挫折させてきました。

 ファンがトラウマとして語り継ぐ理由は、洞窟に巣食うモンスターの強さだけではありません。洞窟内に仕掛けられた数々のトラップが、ダンジョンの攻略のやり直しを強いるのです。攻略するためには試行錯誤を繰り返し、6Fまでの正しいルートを正確に覚えるしかありません。1歩進めば敵と遭遇する、厳しいランダムエンカウントシステムが難易度を理不尽なまでに向上させました。

 仮に洞窟を抜け「ロンダルキア台地」に降り立っても、邪教の大神官ハーゴンが手を緩めることはありません。シリーズ初出の即死呪文「ザラキ」を群れで唱える「ブリザード」や、発動したら最後、問答無用で全滅に追い込まれる呪文「メガンテ」を放つ「デビルロード」を無数に送り込んでくるのです。

 理不尽でしかない『ドラクエII』の難易度は、開発陣の「焦り」にも原因がありました。リリースまでに満足なテストプレイ時間が割けられなかったのは、一度延期もされた発売への期待があまりに強かった影響です。

 今はスマホからもプレイできる『ドラクエII』。「ロトシリーズ」の完結をその目で見届けてみるのも良いかもしれません。また、本作のキャッチコピーは「勇者の伝説が再びよみがえる」。ファミコン筐体から入手し、当時の激辛難易度に立ち向かってみるのも面白いでしょう。スマホでの撮影などで「ふっかつのじゅもん」を簡単に残せるようになった今なら、ロンダルキア台地に「余裕」でたどり着けるかもしれません。