「遊郭編」で炭治郎たちと一緒に戦う音柱・宇髄天元。派手好きな彼の周りからの評価は?(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

【動画】宇髄天元と煉獄杏寿郎の短い会話が泣ける!

宇髄天元は自分より派手な人は嫌い?

 アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第8話では、原作マンガにはなかった描写ですが、今は亡き炎柱・煉獄杏寿郎が、音柱・宇髄天元に炭治郎たち3人のことを「頼んだぞ」と託す会話シーンが登場し、視聴者の涙を誘いました。さらに煉獄が宇髄に関して評価しながらも「妻はちょっと多すぎるがな」というセリフが含まれており、「『公式ファンブック』の記述をここで回収するとは」と話題を呼んでいます。

 ここでの「ファンブック」とは、原作連載終了後の2021年4月に発売された『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』のことであり、そのなかの「柱相関言行録」というコーナーに「九人の柱たちがそれぞれほかの柱のことをどう思っているのか」が記載されています。

 その一覧の煉獄の宇髄への評価「剣技の軌道が美しい!忍を初めて見た!感動!妻がちょっと多すぎる!」が今回のオリジナルパートに反映されていたのです。ファンブックを見る限りでは、どちらかといえばギャグ寄りの言葉ですが、アニメでの感動展開での使用は見事でした。

 さて、ここで気になるのが「遊郭編」のメインである宇髄天元が他の柱たちをどう評価し、その他8人からどう思われていたのか、という点です。

音柱・宇髄天元が他の柱たちに感じていたこと

 まず、宇髄は柱たちに限らず、人を「派手か派手じゃないか」で判断しがちなようです。基本的に口が悪い彼ですが、「俺はあいつみたいにはなれない」と評価していた煉獄のことはハッキリと「派手!俺より目立つな!でもめっちゃ良いやつ!」とコメントしています。

 その他、基本的に自分より派手な人がいることは嫌なようで、蛇柱・伊黒に関しては目の色が左右で違う点が「派手で悔しい!」とはっきり言っており、そうとう羨ましかったみたいです。また恋柱・甘露寺も髪の毛の色や服装のことを指してか、「変な女。派手で腹立つ」とバッサリ。

 逆に柱のなかで特に物静かなふたり、水柱・冨岡に関しても「根暗!いつも葬式みたい」、霞柱・時透に関しては「ぼーっとしてる。地味」と辛口でした。意外だったのは蟲柱の胡蝶のことを「真面目」と言いつつ、「ちょっと派手」と評価していたことです。やはりあの羽織や髪飾りは、宇髄の目から見ても目立っていたようですね。また、風柱・不死川のことは「危なっかしい ガキっぽいところがある」と意外と誰もが思っていそうなことを同じように感じており(不死川が柱になった時のお館様への暴言を見れば当然かもしれません)、柱最強と名高い岩柱・悲鳴嶼のことは他の柱たちと同じく、「自分よりでかいやつを初めて見た。クソ強い。」と一目置いていました。

 もちろんみんなの強さは認めたうえでのことだとは思いますが、ちょっとぶっきらぼうなのが宇髄らしいですね。ちなみに、女性の柱ふたりに関して、柱唯一の既婚者らしいコメントをしていたのも印象的です(ちょっとセクハラ気味ですが)。



本編では明らかにされなかった柱たちの「相互評価」も収録した『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』(集英社)

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宇髄は他の柱たちと打ち解けていたのか?

音柱・宇髄天元の他の柱たちからの評価

 前述の煉獄のコメント以外にも、宇髄は他の柱からさまざまな評価を受けていました。冨岡からは「自由で少し羨ましい」と思われており、不死川からは「ちょいちょい兄貴ヅラされる」と「ガキっぽい」と、心配していたことの裏返しの評価をされています。また胡蝶とは「遊郭編」の最初でアオイたちを連れ去ろうとした件で、ちょっと揉めたとのこと。想像すると怖いです。時透からは「猿みたい。たまに頭をグシャグシャされる」と、ちょっとウザがられている節がありました。

 悲鳴嶼からは「冷静。自分の実力を正確に見ており、奢りはない」と派手さの裏にある忍としての本質の性格をしっかり評価されています。また、基本的に他の柱のことが大好きな甘露寺からは「大人の色気が凄い!」と言われつつも「十歳の子供みたいなところがあって面白い人!」と意外な評価でした。

 そういえば、「柱合会議」の場面で、甘露寺が他の柱たちが何か言うたびに「可愛い」「ステキ」と心のなかで思っていたのに、宇髄に関しては何も思っていなかったのが思い出されます。伊黒が炭治郎を強く抑え込んで血管が破裂しそうになった時、宇髄が「よし行け!破裂しろ」とうれしそうにしているのに対しドン引きしていたのが印象的です。

 そして、宇髄がオッドアイを羨ましがっていた伊黒ですが、彼に関して多めのコメントを残しています。「互いの生い立ちについて話した。自分の血筋に不快感を持ち、兄弟を手にかけたことを悔やんでいるが、けっして暗い顔をしないので尊敬している」とのこと。確かに「遊郭編」で明らかになった宇髄の過去は壮絶なものでした。また、原作の終盤で明らかになる伊黒の過去は『鬼滅の刃』屈指ともいえる悲しい物語なので、そんな過去を聞いた宇髄がどのような反応をしたのかが気になるところです。

 鬼殺隊の柱たちは基本的に厳しいことを言いがちですが、ファンブックによれば宇髄の「全体的な打ち解け度数」は88%。煉獄(95%)、悲鳴嶼、甘露寺(90%)に次いで4番目に高いです。派手さではちょっと浮いていますが、やはりコミュニケーション能力が優れているので、当然といえば当然でしょう。

 ちなみに、ファンブックの「柱相関言行録」は煉獄が存命の時の互いの印象の話なので、「遊郭編」やそれ以後のさまざまな戦いを経てから、それぞれに成長・変化した柱たちの関係性、互いへのイメージはまた大きく変わっていることでしょう。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記