ジオンのコロニーレーザーによる大量破壊が描かれる42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」を収録した、「機動戦士ガンダム11」DVD(バンダイビジュアル)

【画像】ガンダムの敵勢力は「コロニー」を武器にしがち? 絶望的シーン描く映像作品を見る(5枚)

決戦兵器「コロニーレーザー」

 ガンダムシリーズ作品には、最終兵器として「コロニーレーザー」がたびたび登場しています。人類が宇宙空間に作り上げた居住施設「スペースコロニー」を転用した兵器であり、直径6kmを超える超巨大な閃光は、戦局の最終局面で放たれ宇宙に死と破壊をもたらしています。

 コロニーレーザーが初めて登場したのは『機動戦士ガンダム』41話「光る宇宙」です。ギレン・ザビや技術顧問のアサクラ大佐からは「ソーラ・レイ」と呼ばれており、41話のラストにおいてあらかじめ設定されていた3つの照準のひとつ「ゲル・ドルバ」めがけて放たれ、和平交渉のために前線に赴いていたデギン・ザビ公王と、地球連邦軍司令のレビル将軍、そして地球連邦軍の30%の戦力が宇宙の塵と化しました。

「ソーラ・レイ」の出力は発射時の出力は8500万ギガワットで、キロワット換算では85兆となります。RX-78-2ガンダムの出力は1380キロワット(65000馬力)なので、桁違いのエネルギーが放出されることが分かります。

 砲身として使われたコロニーは、サイド3の旧型コロニー「マハル」。『機動戦士0083 STARDUST MEMORY』に登場するシーマ・ガラハウ中佐と部下たちの故郷でもありますが、改装の際に全住民が退去させられています。3秒間の連続照射と12度の角度変更が可能でしたが、使用後の冷却に最低でも1週間かかる上にエネルギーの充填にも時間がかかることからア・バオア・クー攻略戦では使用不可能となっていました。

 なお、『ガンダム』世界におけるスペースコロニーは初期に製造された「密閉型」と3枚の採光ミラーを持つ「開放型」が存在しています。開放型コロニーの全長は42キロメートル、居住面積は300平方キロメートルほどで、沖縄県の石垣島程度の広さとなります。

 諸説ありますが最大収容人口は3000万人とされており、石垣島に今の東京都の1.5倍の人口が詰め込まれている計算となります。極めて人口密度の高い空間であり、住みやすい環境とは言えないでしょう。『機動戦士ガンダムZZ』第1話のナレーションでは、初期のコロニーの人口は4000万人に達していると語られており、状況は刻々と悪化していることもうかがえます。



最終決戦のエピソードでコロニーレーザーによる攻撃が描かれる、『機動戦士Zガンダム』DVD13巻(バンダイビジュアル)

(広告の後にも続きます)

ガンダムはコロニーレーザーに追いついた?

「ソーラ・レイ」に続いて登場したコロニーレーザーは、『機動戦士Zガンダム』に初登場した「グリプス2」となります。ティターンズの戦略開発拠点、サイド7の2バンチコロニー「グリーン・ノア2」のふたつあるシリンダーのうち1基を改装したものであり、核パルスエンジンを搭載して移動が可能です。エネルギー充填システムも改良されており、チャージ時間は大幅に短縮されています。

 劇中ではまずティターンズが「グリプス2」を使ってスペースノイドを恫喝(どうかつ)するためにサイド2の18バンチコロニーを破壊したことにより、戦略的制圧目標とされました。ティターンズ、エゥーゴ、アクシズの3勢力による激しい争奪戦の末に、最終的にエゥーゴが奪取し、小惑星アクシズの落下阻止やティターンズ艦隊のせん滅に使用されたのち、損傷放棄されました。

 しかしながら「グリプス2」は秘密裏に修復されており、宇宙世紀0096年にはビスト財団のマーサ・ビスト・カーバインに抱き込まれた連邦軍上層部により使用されました(『機動戦士ガンダムUC』)。このとき放たれたコロニーレーザーはジオン残党軍「袖付き」を全滅に追い込みましたが、ユニコーンガンダムとバンシィから発生した強力なサイコ・フィールドにより相殺されています。人類最強の兵器であるコロニーレーザーに、人類の可能性を形にする存在であるガンダムが、最終的には追いついたのです。

 増えすぎた人口を宇宙に送り出すために作り上げられたスペースコロニー。地球に残るものがエリートとされ、宇宙移民は狭苦しいコロニーで生涯を終える運命にあります。ジオン公国を生み出したサイド3は地球から最も離れた宙域に存在しており、閉塞感の強い密閉型コロニーを中心とした構成となっています。

 寒く、冷たい世界でひそやかに育まれた、地球に住まう人間たちへの反感が、住処そのものを兵器とし宇宙を焼き尽くすメギドの火を生み出したのかもしれません。ガンダム世界のどこかで、今もコロニーレーザーの光が抑圧者を焼き尽くす光景を、待ち望んでいる人間がいるのでしょう。