インペルダウンで初登場した動物系の覚醒者たちが表紙に描かれた『ONE PIECE』第55巻(集英社)

【画像】覚醒者たちが登場した単行本、映画を振り返る(5枚)

「覚醒」すると周囲まで変貌を遂げる!?

『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する、一口かじれば、不思議な能力が身につく果実「悪魔の実」。その能力によって、超人系 (パラミシア)、動物系 (ゾオン)、自然系 (ロギア)の3つに分類に分類されています。

 そんな悪魔の実には、隠された新たなステージが存在します。それが「悪魔の実の覚醒」です。今回は、まだ謎の多い「悪魔の実の覚醒者」について紹介します。

※この記事では、2022年1月時点での『ONE PIECE』最新単行本101巻までの情報を掲載しています。

初めて覚醒した能力者が登場したのは「インペルダウン編」

 悪魔の実の覚醒者が初めて登場したのは、「インペルダウン編」で、ルフィとともに囚人たちが脱獄を決行したときのこと。クロコダイルと獄卒獣が対面した時に、「あいつらは『覚醒』した動物系の能力者だ」と、「悪魔の実の覚醒」という言葉が初めて使われました。ミノコアラ、ミノタウロス、ミノゼブラといった獄卒獣は巨大化した動物のような姿で、高い戦闘力を持っています。クロコダイルによると、「動物系の能力者が覚醒すると、異常なタフさと常人離れした回復力を持つ」とのこと。

 現在、獄卒獣以外の動物系の能力のなかでは、覚醒していると明言されたキャラは出てきていませんが、百獣海賊団の船長・カイドウも何をされてもほとんどダメージを与えられないことから、もしかすると動物系の覚醒者に当てはまるのではないでしょうか。

ドフラミンゴが明らかにした超人系の覚醒の能力

 次に作中で登場した悪魔の実の覚醒者は、「ドレスローザ編」で登場したボス、ドンキホーテ・ドフラミンゴです。ドフラミンゴは「イトイトの実」の能力者で、ルフィとの戦闘中に覚醒能力を披露しました。超人系の能力者の覚醒について、ドフラミンゴは「能力は稀に覚醒し、己以外に影響を与え始める」と明らかにし、周りにある建物を糸に変化させ攻撃します。ルフィも「いろんなものが糸になる? 超人系じゃねェみてェだ!」と驚きをあらわにしていました。

 現在、作中で登場している超人系の能力覚醒者は2名。先述したドンキホーテ・ドフラミンゴと、「ホールケーキアイランド編」で登場したビッグマム海賊団のNo.2、シャーロット・カタクリです。カタクリは「モチモチの実」の能力者で、地面や建物などをモチに変え、ルフィを取り込んだり固定したりして攻撃していました。

 また、映画では『ONE PIECE FILM GOLD』のボスキャラとして登場した「ゴルゴルの実」の能力者ギルド・テゾーロ、『ONE PIECE STAMPEDE』に登場した元ロジャー海賊団の一員で「ガシャガシャの実」の能力者ダグラス・バレットも覚醒済みで、周囲に能力の影響を与える描写があります。



パンクハザードでのサカズキvsクザンの戦いが残した大きな影響について描かれた『ONE PIECE』第66巻(集英社)

(広告の後にも続きます)

パンクハザードの異常な気候の理由は……

残された自然系の覚醒はどんな能力なのか?

 残ったもうひとつ「自然系」の悪魔の実を食べた能力者で、作中で覚醒を見せたキャラはおらず、覚醒時の能力の変化がどうなるのか明らかにされていません。

 ただ、これまでに「自然系が覚醒した能力なのでは」と考えられる描写も登場しています。それが海軍元帥・サカズキと元海軍大将・クザン、自然系の能力者が激突したパンクハザードでの戦いです。戦いの後、島の気候は、片側が炎、もう片側が氷に覆われた状態に大きく変化しています。この描写からネット上では、サカズキとクザンの能力が覚醒しており、超人系の覚醒のように己以外に能力が影響することで気候に影響を与えたのではとの考察がなされていました。

 尾田先生は「ワノ国編の後に『ワンピース』史上『最も巨大な戦い』を描く」と、SBSで公言しています。麦わらの一味では、「ゴムゴムの実」を食べたルフィ、「ハナハナの実」を食べたロビン、「ヨミヨミの実」を食べた能力者・ブルックの3人が超人系の能力者、「ヒトヒトの実」を食べたチョッパーが動物系の能力者です。ドフラミンゴの言葉を借りると、「覚醒することによって『上の世界(ステージ)』へ上がった」ルフィたちがどんなバトルを繰り広げてくれるのか、その姿が見られる日も近いかもしれません。