『ドラゴンクエストII』(画像は同作のAndroidアプリ版) (C)1987, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved

【画像】連れて歩きたい可愛さの魔物たち(4枚)

経験値稼ぎのつもりが命取り!? 強すぎなザコたち

「ドラゴンクエスト」シリーズには実に多くの種類の魔物(モンスター)が登場します。彼らをせっせと倒してレベルアップしては次の町周辺のザコモンスターを倒す。これを繰り返し、少しずつ魔王を倒すための力を蓄えていくのが定石です。ところが時として「あれ?調整ミスかな?」とうっかりメタ視してしまうほど歯が立たないザコが登場するのもまた『ドラクエ』ではおなじみ。この記事では、誰もが祈るように「逃げる」コマンドを押したであろう「強すぎザコモンスター」を紹介します。

ブリザード『ドラクエII』

 もはや殿堂入りと言っても差し支えないのが『ドラクエII』のロンダルキア台地で出現するブリザードです。(のちのナンバリングでは弱体化してしまいましたが)初出では「ハーゴンより強い」「死そのもの」などと恐れられてきた存在です。彼らが連発する死の呪文「ザラキ」によって数えきれぬほどの命の灯火が消されてきました。通常攻撃もなく「ザラキ」「ルカナン」しか唱えてこないため、守備力をダウンさせる呪文「ルカナン」でホッとした人も多かったでしょうが、別モンスターと同時に出現すれば「ルカナン」も命取りになりました。やはり「死そのもの」です。

じごくのハサミ『ドラクエIII』

 最高のネーミングにして最凶のモンスターが『ドラクエIII』のイシス地方に出現する緑色のカニ型モンスター「じごくのハサミ」です。呪いの武器っぽい名前ですが、もっともっと厄介な魔物です。おそるべきはそのハサミではなく守備力アップ呪文「スクルト」です。ただでさえ高いのに「しゅびりょくが110あがった!」など平然とやってくるのだからついつい「逃げる」が恋しくなります。彼らを前に戦士は木偶の坊と化し、攻撃は「素振り」も同義でした。攻撃呪文が効くのがせめてもの救いでした。

あばれザル『ドラクエIII』

 同じく『ドラクエIII』のアッサラーム地方に出現するあばれザルも忘れてはなりません。順繰りにストーリーを進めていけばそこまで苛烈な死闘を繰り広げずに済むのですが、ロマリア地方から低レベルのまま東へ進んでしまうと、彼らの餌食になります。大陸が変わる、橋を渡る、といった明確な線引きもないため、強すぎザコモンスターに遭遇して初めて「こっちじゃない」と分かるのが『ドラクエIII』による素敵なスパルタ教育なのです。

レッドイーターとブルーイーター『ドラクエV』

 見た目からしてまがまがしいのが『ドラクエV』の終盤のダンジョン「封印の洞窟」に登場するレッドイーターとブルーイーターです。二体とも攻撃力と素早さが高く、レッドイーターは麻痺攻撃などの状態異常攻撃が得意であり、ブルーイーターは肉弾戦メイン。これが時に恐ろしい連携を生み出し、洞窟のなか主人公の阿鼻叫喚がこだますることになります。それでいて、エビルマスターというこれまた厄介な魔物がたびたびバーター出演しては、回復呪文「ベホマラー」でこちらの心を容赦なく折ってきます。愛されることをハナから拒否したような、そんな悲しきモンスターたちもでもありました。

ストーンビースト『ドラクエVI』

 ザコモンスターのはずがボスキャラ並みに攻略法を説かれているのが、『ドラクエVI』で地底魔城に初登場するストーンビーストです。数多の冒険者たちの走馬灯に記録され続けた、死の悪魔であります。「ベギラマ」を繰り出しこちらのHPを半分近く削ってくるのは序の口。魔法特化型ではなく、普通に攻撃力も守備力も高いというタフネスの持ち主で、一発一発が瀕死レベルに重いのです。「アストロン待ち」という奇妙な時間が流れた人も多かったのではないでしょうか。

 その後も、ナンバリングタイトルには「強すぎザコ」が途絶えず、『ドラクエVII』のヘルダイバー、『ドラクエVIII』のエビラ、『ドラクエIX』ではうみうしひめ……と登場してきます。彼らの強さは決して「調整ミス」などではなく、ある程度強くなって慢心していた、こちらの修行不足をいましめてくれるものだったといえるでしょう。