表紙に岩柱・悲鳴嶼行冥が描かれる 著:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第15巻(集英社)

【画像】岩柱・悲鳴嶼行冥にまつわる人々

悲鳴嶼行冥、強さの証とは?

『鬼滅の刃』に登場する、岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)は、「柱」たちのなかでももっとも強い、「鬼殺隊最強」の人物と言われています。体格に恵まれ、盲目にもかかわらず高い戦闘技術と判断力を持つ悲鳴嶼の強さが分かるシーンをご紹介します。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

一般人だった頃、素手で鬼を潰し続けた!

 悲鳴嶼の地力の強さは、なんの訓練も受けていない一般人の頃、鬼の頭を素手で潰したという事実から分かります。

 悲鳴嶼は鬼殺隊に入隊する前、僧侶でした。寺で孤児たちを養っていました。ところがある日、言いつけを破って夜まで外にいた子供のひとりが鬼に襲われます。その子供は、自分が助かるために悲鳴嶼たちが住んでいた寺に鬼を呼び寄せました。

 鬼は瞬く間に子供たちを殺しましたが、悲鳴嶼は子供たちを守ろうと鬼に立ち向かいました。悲鳴嶼は鬼の頭を拳で叩き潰したのです。鬼が再生しても、朝まで叩き潰し続けました。同じく風柱・不死川実弥も鬼殺隊に入る前に鬼と戦っていますが、さすがに刃物を使っていた描写があります。

 初めて鬼と戦った悲鳴嶼は素手で頭を叩き潰すという手段をとっています。おそらく意図していなかったのでしょうが、鬼の急所に近い部分を突いていたあたりも戦闘センスの高さがうかがい知れます。身長220cm、体重130kgという恵まれた体格だけでなく、頭が切れて応用力も高い点が悲鳴嶼の強さなのでしょう。

柱稽古で見せた驚異の修行法

「柱稽古」が行われた際、伊之助は悲鳴嶼を「鬼殺隊最強だ」と評価しています。炭治郎も、「匂いが全然違うんだよな」と同意します。善逸は信じませんでしたが、2m以上ある大きい石を悲鳴嶼が動かす姿をみて目をむきます。丸太3本を担ぐ修行でも、悲鳴嶼は自分の丸太に岩を4つ縛り付けて、さらに火の上を裸足で歩いていました。

 また、悲鳴嶼は18歳で鬼殺隊に入り、たった1年で柱になりました。その後、8年柱を続けています。お館様を襲撃した鬼舞辻無惨と対戦した際、悲鳴嶼の鉄球が頸を一撃で砕きました。再生されてしまったとはいえ、無惨に初めて斬撃を加えたのは悲鳴嶼でした。

鬼も認めるその強さ

 悲鳴嶼の強さは、敵である鬼さえも認めています。上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)は、悲鳴嶼を見て次のようにつぶやきました。

「素晴らしい…極限まで練り上げられた肉体の完成形…これ程の剣士を拝むのは…それこそ三百年振りか…」

 実はこの時、悲鳴嶼は実弥が傷の治療をする時間を稼いでいます。霞柱・時透無一郎や玄弥も黒死牟に倒された窮地において、たったひとりで上弦に立ち向かいました。

 さらに戦いのなかで、悲鳴嶼は黒死牟が「透明な世界」を使っていると気付きます。「透明な世界」とは、相手の体内を透けて見ることにより、予測や回避がより確実にできる技です。その上、悲鳴嶼は自分も「透明な世界」を使いこなしてみせます。覚えたばかりの技を応用し、自分の身体を操作して黒死牟をだましました。

 無惨戦でも、足を失いながら鎖で巨大化した無惨を止めます。悲鳴嶼が足止めしなければ逃げられていたでしょう。まさに鬼殺隊最強の名にふさわしい活躍ぶりでした。