バスケマンガの金字塔を描いた井上雅彦先生『PLUS/SLAM DUNK ILLUSTRATIONS 2』(集英社)

【画像】Twitterからも天才漫画家ぶりがうかがえる 人気作品(5枚)

投稿欄じゃ気付かない? 「いいね」欄で見えてくる人気漫画家たちの魂

 人気漫画家の先生方は一体どんなツイートを「いいね」しているのでしょうか。

 今やTwitterを利用している人気漫画家も少なくありません。気軽にファンと触れ合ってくれたり、作品の裏話などを発信してくれたりと、ツイッターは天才漫画家たちが普段、どんなことを考えているのかを知れる絶好の場でもあります。とはいえ当然ではありますがその投稿はしっかり言葉を選んだものがほとんど。より本音(のようなもの)を知りたい時……Twitterには「いいね」欄というものが存在しています。不思議な仕様ですが、Twitterではそのアカウントがどのツイートに「いいね」を押したのか誰でも知ることができるようになっているのです。ということで本稿ではそんな「いいね」欄から天才漫画家の先生たちの内面をほんの少しだけ覗いてみようと思います。

井上雄彦先生の「いいね」欄はご本人のイメージのまんま?

『SLAM DUNK』『リアル』『バガボンド』などの作品で知られる言わずと知れた巨匠・井上雄彦先生も日常的にTwitterに投稿しています。その投稿内容は、例えば最近だとまさかのアニメ映画化にファンを驚愕&歓喜させた『SLAM DUNK』に関するものであったり、男子史上初の銀メダルに輝いた東京パラリンピックの男子車いすバスケチームに対する祝福だったりと、プロバスケットボール選手に対する並々ならぬ敬意を感じられます。では「いいね」欄はというと……やはり「バスケ」に関するものばかり。なんだかこちらの背筋がぐっと伸びてきます。

村田雄介先生の「いいね」欄からあふれる「作画」への求道心

『アイシールド21』(原作:稲垣理一郎)や『ワンパンマン』(原作:ONE)のリメイク版などなどその“圧倒的な画力”で知られる村田雄介先生。村田先生もまたTwitterをかなりひんぱんに更新しています。多くは他漫画家さんやイラストレーターさんの作品のリツイートであり、 “コンテンツ”フリークぶりを遺憾なく発揮しておられます。多忙のなかでも大量のインプットをうかがわせるものばかりです。では気になる「いいね」欄はというと、ツイート欄同様にWeb上に発表された膨大な量の作品に対する「いいね」が多いなか、注目すべきは「作画」関連の投稿に対する「いいね」。基本的な心得を説いたものや技術動画、筋肉の解剖図などにも「いいね」を押しているのです。作画能力では頂点に君臨しているような村田先生ですが、なお高みを目指さんとする求道心にただただ頭が下がるばかりです。

うすた京介先生はアイドルのことしか呟かないはずが…?

『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』、『ピューと吹く!ジャガー』など日本ギャグマンガ界の最重要人物のひとり、うすた京介先生。うすた先生もご自身のTwitterアカウントを運用していますが「もはや10割アイドルのことしかつぶやかない漫画家」とプロフィール欄にあるように、その投稿はアイドル関連のものばかり。現在アイドルプロジェクト「きのホ。」に携わっていることもあってか、ますます熱を帯びているご様子です。「いいね」欄も当然ながらアイドルのことばかり……と思いきやWebで発表された若手ギャグ漫画家の作品にもしっかり「いいね」しており、飽くなきギャグへの探究心を感じ取ることができます。

 ここまで超人気漫画家の先生たちの「いいね」欄を見てきました。その運用の仕方はまさに三者三様。それでいで投稿欄では見られない「プロフェッショナルの魂」が垣間見られる結果となりました。SNSはプロとアマの境界を曖昧にしたという指摘もありますが、少なからず今回ご紹介した3名の先生方は恐ろしいほどの、プロです。