一見、会話がはずんでいるように見えますが…(なっちゃんさん提供)

【マンガ】彼と彼女の話し方の違いとは? 彼女が感じた違和感に読者から意見続々 本編を読む

会話することで彼女が知りたいのは…「分かる」「あるある」

 カップルが食事をしながら会話していました。彼女が「映画良かったね」「このパスタおいしい」などと話しかけますが、彼の答えは何か違和感があり……。なっちゃん(コニシナツコ)さん(@natsukoni81)がTwitterで公開した、男と女の4コマ物語『私が知りたいのは…』が反響を集めています。

 4コマ目で彼女が彼に伝えたこととは? 会話を通して見えてきた、ふたりの感覚のズレ。男女間とは限らないかもしれませんが、このように会話で違和感を感じた経験はあるのではないでしょうか。

 読者からは「分かる」「あるあるですね」「そういうめんどくさい返しいらない」「会話が続かなくなる」「共感してほしいんですよね」「彼の気持ちが知りたいんだと思う」「相性の問題」「自分もこういう会話してるかも……」「言葉で話すって本当に難しい」など、さまざまな声が寄せられました。

 作者のなっちゃんさんに、お話を聞きました。

ーーなっちゃんさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
 
 一番大きいのは、オンラインサロン「コルクラボ」に入ったことです。コルクラボは誰でも入れるコミュニティですが、マンガ編集者の佐渡島庸平さんが主催なので、マンガを描いている人や小説を書いている人、編集の仕事をしている人も多く参加しています。

 実はコルクラボに入った時は佐渡島さんがマンガ編集者だということもよく知らなかったぐらいなのですが(笑)、周りに創作活動をしている人がたくさんいる環境で、自分も描いてみたいと思うようになっていき、1年前にiPadを購入して絵を描き始めました。

 本格的にマンガを描いてみようと思ったのは半年ほど前です。実は子供の頃は絵を描くのが好きだったので、描き始めたときは「懐かしいな」という感覚でした。大人になってからは演劇やダンスなど身体を使った表現活動をずっとしていたので、ツールは何であっても「自分の中にある何かを表現したい」という気持ちは強かったと思います。

ーー『私が知りたいのは…』のエピソードをマンガに描こうと思ったきっかけを教えて下さい。

 パートナーシップや恋愛心理学の本を読むのが好きで、いろいろ読んでいくうちに男女の違いというものに注目するようになっていきました。そんななかで、周りの男性の中には、よくよく聞いていると、いつも話しているのはその人の知識であって、その人自身の好き嫌いや感情が見えてこないなと思うタイプが結構いるなと思い、そんな男性をマンガで表現してみようと思ったのがきっかけです。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 本当にさまざまな感想をいただいて興味深く読ませていただきました。「こういう男性いるいる!」という意見から、「この男性の何が悪いのか分からない。むしろこの女性の知識のなさが問題」という正反対の意見まであって、人の価値観って本当にバラバラなんだなと感じさせられました。「自分は女性だけど男性側のタイプだ」という人も結構いましたね。 

「女性は共感が欲しい生き物なんでしょ」という感想も多くありましたが、私としては単に「そうだねそうだね」と共感してくれる男性が良い、ということが言いたかったわけではないのだけどな……と思っていたところ、私以上に私が考えていたことを言語化してくれている方や、私も考えていなかったような深い考察をしている方もいて、本当に楽しく読ませていただきました。「女性は人を主体に、男性は話題やモノを主体に見ている」という感想には「なるほど!」とうなりました。

 初めは、やはり私は女性側の立場で描いていたのですが、たくさんの感想を読ませていただいて「これは本当にどちらがいいとか悪いとかの話ではなく、会話の好みの問題なのかもしれない」と思うようになりました。私自身、知識を話す楽しさも分かりますしね。

 それから、要は楽しんで話しているなら感情の話でも知識の話でもどちらでもいいんだな、ということも思いました。結局、知識をひけらかす目的で話す人に違和感を感じたということだと思います。



連載中の『しのぶのコップ』(なっちゃんさん提供)

ーーTwitterでは現在『しのぶのコップ』を連載なさっています。人間関係でいろいろ我慢してしまう女の子が描かれており反響を集めていますが、こちらの作品を描いた経緯を教えていただけますか?

 こちらも実体験を元に描き始めた作品です。私自身ネガティブな感情を他人にぶつけるのが苦手なので、つい自分の中の小さな違和感を無視し続けてしまうことが多いんです。でもそのせいで、いきなり関係を断つという大きな人間関係の壊し方をしてしまう。相手に悪気がなかったパターンも多いと思うので、それは良くないなと思いました。

 たぶん私がちゃんと伝えられていれば、関係を断つなんてことまでしなくて良かったんじゃないかと。もちろん相手に悪意があったりわざとじゃなくても、あまりにもひどい場合は関係を断つという選択肢もアリだと思いますが。

 初めは4コマ読み切りのつもりで描いたのですが、共感してくれる方が思った以上に多かったので、そんなしのぶが変わっていく様子を描きたいなと思って連載にしてみることにしました。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 私は普段から人間関係や人の心理について考え込むクセがあって、一時は考えすぎなんじゃないかと悩んだこともありました。でもそうやってずっと考えてきたことをマンガにしてみたら、たくさんの方に共感や感想、ご意見をいただけるようになって、考えすぎのクセが役に立つ時がきた! ととてもうれしく思っています。

 現在進行形で常にいろいろなことを考えすぎているので、今後もそれらをマンガにしてアウトプットしていきたいですし、エッセイマンガだけではなく、創作の物語の中にもそういう要素を詰め込んでいきたいです。