■“メリバ”って何?

受け手の解釈によって結末が異なる!?

世の中に数多く存在するマンガやアニメなどのエンディングは、作品によって様々。ハッピーエンドやバッドエンドがわかりやすい作品もあれば、「これはメリバだね」と言われるものもたまに出てきます。では“メリバ”という言葉は、どのような意味で使われているのでしょうか?

『BANANA FISH』公式サイトより

そもそも“メリバ”は「メリーバッドエンド」の略称で、“受け手の解釈によって幸福と不幸が入れ替わる結末”の時に使われるそう。例えばマンガで主人公の身に“ある出来事”が起きた場合、読者は「こんな目にあうなんてすごく可哀そう…」という感情が芽生えたとします。しかし全ての事情を知る読者だからこそ抱く感情であって、何も知らない主人公にとっては“幸せ”と感じているかもしれません。

物語の結末を“どの視点”から解釈するかで結末の捉え方も変化する“メリバ”。中でも“何かしらの理由で最後に主人公が死亡する”というパターンが代表的な一例としてあがっていました。

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『バナナフィッシュ』の結末はメリバ?

“メリバ”の意味を解説してきましたが、実際にどのような作品の結末が“メリバ”に当たるのか気になりますよね。そこで読者の意見が分かれたテレビアニメ『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』をチェックしてみましょう。

同作はニューヨークを舞台に、ストリートギャングのボス・アッシュとカメラマンアシスタント・英二の友情を描いた物語。細かいストーリーや設定は見てからのお楽しみですが、最終回ではアッシュが敵に刺されて死んでしまいます。しかし死ぬ直前“英二がいかに自分のことを大切に思っているか”手紙を通して知れたため、アッシュはどこか満たされた表情を浮かべていました。

『バナナフィッシュ』の結末について、ネット上では「これまでたくさんの罪を犯してきたアッシュは、もし生きていても長い間監獄生活を送るハメになっていたんじゃないかな。そう思うと、英二からの愛に包まれて幸せな気持ちで逝けたのは良かった」「どんなにアッシュが幸せを感じていたとしても、やっぱり死んじゃった時点でバッドエンド」など様々な意見が続出。まさに“メリバ”という言葉を使うにふさわしい作品かもしれません。

ハッピーエンドにもバッドエンドにもとれる“メリバ作品”は、非常に奥が深いですね。

(文=ザ・山下グレート)

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