羌瘣や太后、山の民の史実もある

かわいい見た目と圧倒的な強さが人気の羌瘣(きょうかい)。羌瘣も春秋戦国時代に秦の武将として活躍した実在の人物である。秦を代表とする武将の王翦(おうせん)や楊端和(ようたんわ)とともに趙を攻め、平定したという史実が残っている。ただし、漫画のように女性で蚩尤の末裔だったということは分かっていない。

また、嬴政の母・太后も実在した人物だ。「キングダム」の太后は、かなり史実に近いかたちで描かれている。趙の出身で元々は呂不韋の妾であったが、子楚に妃として差し出され嬴政を産んだことや、呂不韋や嫪毐(ろうあい)と密通しており、嫪毐との子供が2人いたことなどが史実に残っている。

同作で強靭な強さを見せる山の民。山の民も実在した部族である可能性が高いと言われている。春秋戦国時代の中国はいろいろな部族がおり山に囲まれていた場所なので、山の民のような部族がいたとしてもおかしくはないだろう。

ただし、山の民のような部族が秦と共闘したという史実は残っていない。だが、山の民の王として描かれている楊端和(ようたんわ)は実在した人物である。楊端和は山の民とは関係がなく、秦に仕えていた男性の武将だったようだ。

多くの部分は史実に基づいているが、登場人物がより魅力的に見えるように工夫されて描かれている「キングダム」。史実を知っておけば、同作がもっと楽しめるだろう。今後がどのように展開されるのか予想してみるのも面白いかもしれない。

(文=ザ・山下グレート)

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