F1第6戦、フェルスタッペンはなぜ敗れたのか、ピレリの分析とドライバーのコメントからその要因を探る【マイアミGP決勝】

2024年5月5日(現地時間)、F1第6戦マイアミGP決勝がアメリカ・フロリダ州マイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催され、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はランド・ノリス(マクラーレン)に敗れて2位となった。フェルスタッペンが大きなトラブルやリタイアもなく他チームのドライバーに敗れるというのは、このところなかったこと。いったいなにがあったのだろうか。

セーフティカーの導入で局面が一変

フェルスタッペンはポールポジションからミディアムタイヤでスタートすると、いつものように後続をあっと言う間に引き離し、序盤から独走状態を作り上げようとしていた。そして、23周目にハードタイヤに交換、そこまではなんの問題もなく順調に周回を重ねていたように見えた。

レースの流れが変わるきっかけは、バーチャルセーフティカーとセーフティカーの導入にあった。

序盤順調だったフェルスタッペンの敗因について、タイヤを供給するピレリは次のように分析する。「レース前から予想されていたように、1ストップ戦略がもっとも効率的な戦略でしたが、22周目にバーチャルセーフティカーが導入され、次に28周目に実際のセーフティカーが導入されたことがチームの計画を狂わせ、まだピットインしていないドライバーに大きなチャンスを与えました。これによりフェルスタッペンはノリスの先行を許しましたが、この時はまだ逆転の可能性が高いと思われていました。しかし、ハードタイヤを装着したフェルタッペンはノリスを追うことができず、2位に甘んじることになりました」

今週末のフェルスタッペンは初日から苦しみながらも順調に結果を残してきたが、最後にノリスの速さに屈することになったというわけだ。

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波乱の兆しはフェルスタッペンのポールとの接触

バーチャルセーフティカー導入のきっかけとなったフェルスタッペンのポールとの接触が、今回のレースのポイントになったのではという指摘もある。

実際、レース後、フェルスタッペンも「セーフティカーは助けにはならなかったけど、レースに勝つチャンスはまだあった。でも、残念ながらペースが足りなかったね。レース後、フロアが損傷していて、コーンに当たったときについたと思われる穴もあったしね。週末を通して、高速ではアンダーステアになり、タイヤのグリップにもかなり苦労したよ。レースに勝つためにはすべてがうまく機能する必要があり、それはみんなが思っているほど簡単ではないんだ」とコメントしている。

ポールとの接触というミスも、フェルスタッペンにとっては珍しいこと。22周目の段階ですでにミディアムタイヤのグリップ不足に苦労していたと思われ、それが原因でミスを冒しているのだろう。実際すぐにハードタイヤに交換している。

一方のノリスは同じ頃ファステストラップを連発しながらタイヤ交換の時期を先延ばしにしており、それがセーフティカー導入というグッドタイミングを生み出した。タイヤとのバランスという意味でも、前半のミディアムタイヤでの攻防の段階からすでに、マクラーレンはレッドブルを上回っていたようだ。

マイアミ・インターナショナル・オートドロームはマシンとタイヤのバランスをコントロールするのが難しいコースで、それがレースを非常におもしろいものとしたと言える。これをふまえて、また次戦のエミリア・ロマーニャGP以降も、ハイレベルな戦いは続いていく。

●2024年F1第6戦マイアミGP決勝 結果

1位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)57周


2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+7.612s


3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+9.920s


4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+14.650s


5位 55 C.サインツ(フェラーリ)+16.407s


6位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+16.585s


7位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT)+26.185s


8位 63 G.ラッセル(メルセデス)+34. 789s


9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+37.107s


10位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+39. 746s


***


15位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT)+50.956s


ファステストラップ 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)