増え続けるライバルに優位を示しにくかった2代目(1997年)

ソフト路線なデザインも過激なSUV版仕様スポーツギアは健在

ソフト路線のデザインでナンパになるも、4G63ターボ4WDで5MTはスポーツギアX3に健在だった

1997年にモデルチェンジした2代目も基本はシャリオグランディス(3代目シャリオ)のショートボディ版、オープンギアは廃止されて標準仕様とSUV仕様の2本立てへ。

スライドドアや超ロングスライドのリアシートは踏襲されたものの、インパネシフト化でMTがほとんど消滅したのは残念でしたが、初期型に限っては「スポーツギアX3」に250馬力の4G63ターボ&5速MT仕様が残されていました。

モータースポーツで何らかの実績を残していれば…

標準仕様の「X」だが、「環境エンジンGDIを積んだ大型トールワゴン」というコンセプトでは当時通用しにくかった

ただ、その頃になるとRVブームが落ち着いてきてライバルと厳しく比較されるようになり、3列シートミニバンや乗用車ベースのクロスオーバーSUV、2列シートだと背の低いステーションワゴンか、背が高い場合はコンパクトなトールワゴンが売れ筋となります。

そのいずれにも当てはまらない…強いて言えばSUV仕様なら活路はあったかもしれませんが、トヨタ RAV4やホンダ CR-Vのように大径タイヤのシティオフローダーでもなく、同時期デビューの初代フォレスターほど走りに徹してもいないと見られたようです。

現在のように、「スーパーハイトワゴンではない2列シート車でもスライドドアが求められる時代」であったり、あるいはダカールラリーの市販車無改造部門や、せめてデリカD:5のようにサービスカーで完走した実績でもあれば、違ったかもしれませんが。

「何でもできる」の難しさ、しかしそのコンセプトは今こそ有用

最終的にはフェイスリフトと両側スライドドア化で「シャリオグランディスのショートボディ版」へ回帰しても、人気が回復することなく消えたのは惜しいのだが、2000年代初頭の三菱はいろいろと揺らいでいた時期で、仕方がなかった

1999年のマイナーチェンジではシャリオグランディスと似たフロントマスクへフェイスリフト、両側スライドドアの追加といった改良で、「シャリオグランディスの2列シート版」的なポジションを目指すも、初代の最盛期は取り戻せず、2003年1月に販売終了。

ライバルがまだ少なかった頃は「何にでも使えるMPV(マルチパーパスビークル:多用途車)」として優れていたものの、ライバル車がそれぞれの持ち味、個性を伸ばしてくると、かえって何に使っても中途半端と思われたのかもしれません。

少なくとも当時は、「超ロングスライドシートとスライドドアというRVRの個性」が、3列シートミニバンやSUVほど評価されなかったのは確かで、今こそ認められそうなコンセプトですから、EV時代に復活すると面白そうではありますが…。

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