「違う!そうじゃない…!」 タイヤチェーンの「装着位置」は覚えておくべき! SNSで「FFの後輪装着」話題に!? 間違うとどうなる?

関東は雪景色となりました。そのなかでSNSでは「FFセダンの後輪に布チェーンを履かした光景」が話題となっています。何が問題なのでしょうか。

タイヤチェーンは正しい位置に付けないと意味がない…

 2024年2月5日から6日にかけて関東は雪景色となりました。
 
 そのなかでSNSでは「FFセダンの後輪に布チェーンを履かした光景」が話題となっています。
 
 何が問題なのでしょうか。

 今回は関東各地に「大雪警報」が発令されていました。
 
 実際に4日から各高速道路などが通行止めを予告していた通り、5日正午から東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道や首都高が通行止めとなり、6日正午から順次解除されています。

 また一般道でもアンダーパスやオーバーパスなどスリップの危険がある場所では通行止めが実施されました。

 各ニュースなどでも関東各地の状況がリアルタイムで報じられています。

 なお積雪・凍結道路で「滑り止めの措置」を取らない場合、法令違反となります。

 しかしながら、スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)を履かずに、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)のままだったことで立ち往生しているクルマも多数見られていました。

 さらにはタイヤチェーン(金属・ゴム・布)を駆動輪以外に履かせたことで立ち往生したクルマも見られます。

 とくにSNSではテレビで報じられた「FFセダンの後輪に布チェーンを履かした光景」が話題となっています。

 タイヤチェーンは、単に履かせれば良いわけでなくそのクルマの駆動輪に装着しなければ効果を発揮しません。

 過去に全国でロードサービスを展開するJAFは、「FF(前輪駆動車)」の“駆動輪”と“非駆動輪”にタイヤチェーンを装着するテストを実施しています。

 このテストでは、「新品ノーマルタイヤに非金属タイプのチェーンを装着した場合」を前提に異なる3つの条件を検証。

 最初は、雪の踏み固められた勾配12%(約6.8度)の圧雪坂道を上るものです。

 駆動輪(今回の場合は前輪)にタイヤチェーンを装着した場合には登りきれましたが、非駆動輪(後輪)に巻いた際には前輪がスリップしことで登れませんでした。

 次に半径6mの円周路に時速30kmで侵入し、接地されたパイロンに添って曲がれるかを検証するものです。

 最初の坂道と同じく前輪に装着した場合にはコーナーを追従できました。

 しかし、後輪に装着すると前輪が滑り大きく外側に膨らんでいったようです。

 
 最後は、時速40kmからの制動距離テストです。

 ブレーキ時からの制動距離は、前輪装着時が28m、後輪装着時が35.3mと、7m以上も距離が伸びている結果に。

 ブレーキ時には前輪に過重がかかるため、前輪駆動車では特に誤装着時(後輪に装着)との差が開いたようです。

※ ※ ※

 なおタイヤチェーンは、乗用車において、FF車や4WD車(FFベース)では前輪に。

 FR車やMR車、4WD車(FRベース)は後輪にタイヤチェーンを装着することが望まれます。

 トラック・トレーラーなどで装着する場所が異なるので注意が必要です。