コスパ最高!スズキコンパクトホットハッチの元祖

最初はアルトと同じくターボ化からスポーティ路線を歩み始めた、初代カルタス

安い!速い!楽しい!と三拍子揃い、ちゃんと箱型5人乗りボディで国産コンパクトホットハッチ最強のコスパを誇るスズキ スイフトスポーツ。

何もかもが高価になってしまった世の中、庶民が楽しめる昔ながらのエコノミースポーツとしてありがたい存在ですが、その元祖と言えるのがスズキ初の本格量産小型車だったカルタスの高性能版、「カルタスGT-i」でした。

GMの要求で、「乗り心地や操縦安定性より、安くて燃費がよけりゃなんでもイイ」と、わりかし適当なクルマだった初代カルタス前期型を不本意に感じていたスズキが一念発起、まずカルタスターボを足がかりに、あらゆる品質を飛躍的に上げる中で生まれます。

ホンダGA2シティや、ダイハツ シャレードターボ、トヨタ EP71スターレットと並ぶ軽以上テンロク未満の面白いクルマがズラリ並んだ時代の名車を、「MOBYがAIに聞いた、30~50代のクルマ好きが気になる名車シリーズ」として紹介しましょう。

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アルト同様の過程でターボ化、DOHC化へと進んだ初代GT-i(1986年)

初代アルトワークスほど話題にならないが、リッターカーに1.3リッターDOHC16バルブエンジンを積んだカルタスGT-iも、当時のクルマ好きを唸らせる存在であり、「軽自動車より安いリッターカー」のイメージを覆した。

初代アルト(1979年)を見て、「こんなにチープなのに普通に走るクルマを作るなんてスゴイ」と思ったのかどうか、ともかくスズキに一目置いた米GMの要請で初代カルタス(1983年)を開発、GMの世界戦略車として重要なエントリーモデルになりました。

ただ、「別に足回りがフニャフニャだろうと、ひたすら安くて燃費いいクルマを売りたい」というGMに対し、ヨーロッパなどでは自社ブランドでも売るスズキにとっては、こんな安かろう悪かろうなクルマはブランドイメージにも響き、とても納得いきません。

「改善なんかしたら、高くなっちゃうじゃない?」と渋るGMを説き伏せて品質向上に取り組み、1984年にはターボ車も追加してホットハッチ路線の模索を始めます。

そして1986年、外観のリフレッシュだけでなく足回りから何から全てを見直し、フルモデルチェンジ級のビッグマイチェンながらお値段据え置きの「安いけどよく走るクルマ」、初代カルタス後期型を発売。

その時に1.3リッター直4DOHC16バルブエンジンを搭載したのが、カルタスGT-Iでした。

当時、国産同クラスライバル車はSOHC2〜4バルブエンジンにようやく電子制御インジェクションやターボチャージャーが装着される頃で、DOHC4バルブエンジンは画期的でした。

同時期のスズキ軽自動車「アルト」もアルトターボ、アルトツインカムを経てDOHCターボの初代「アルトワークス」へ発展しますが、カルタスGT-iは典型的な高回転型DOHCスオーツ路線を歩みます。

当初97馬力だったG13Bエンジンも翌年には110馬力まで出力向上し、ジムカーナ競技の小排気量クラスなどモータースポーツ全般、さらにストリートでもよく活躍した名車でした。

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