車コーティングは必要?

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車をキレイに保つうえでコーティングは必要不可欠といえるでしょう。コーティングには、車のボディ表面にワックスよりも硬い被膜を形成することで汚れやキズ、紫外線などからボディを保護する役割があります。

コーティングを施工することでボディのツヤが長期間に渡って維持されるほか、車に汚れがつきにくくなるうえ、落としやすくもなるため、洗車にかかる労力を低減してくれます。ただし、コーティングを施工しても洗車が不要になるわけではありません。

このような人はコーティングが不要

コーティング皮膜は経年劣化するため定期的なメンテナンスが必要です。また、現在主流のガラスコーティングはホコリや泥、鳥の排泄物などの有機汚れには強い一方、水垢などが無機汚れが付着しやすいため洗車は定期的に行う必要があります。

なにより、業者に依頼すると数万円から十数万円の高額な費用がかかる点がコーティングのデメリットです。そのため「ボディの状態が気にならない人」「洗車をしない人」「車にお金をかけたくない人」はコーティングが不要といえるでしょう。

車はキレイに保ちつつ、高額なコーティング費用をかけたくない人にはDIYでのコーティングがおすすめです。現在は自分で簡単に施工でき、高い性能を発揮するコーティング剤が数千円程度で販売されています。

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車用コーティングを自分でやる方法

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市販のコーティング剤はDIYで施工しやすい工夫が盛り込まれており、簡単なものでは洗車後にスプレーをして吹き上げるだけでコーティング被膜がつくれる商品もあります。しかし市販品のなかには、専門業者と同じような下準備をしてから施工することを前提とした上級者向けの商品もあります。

これらの注意点を踏まえてたうえで、自分でキレイにコーティングするための手順を解説していきます。

  1. 念入りな洗車
  2. 鉄粉除去
  3. 油膜除去
  4. 小キズや水垢の除去
  5. 脱脂
  6. コーティング剤の塗り込み
  7. コーティング剤の拭き上げ

1.念入りな洗車

ボディに汚れがあるとコーティングの定着性が低下するため、ボディに付着した汚れは可能な限り落としてから施工するのがコーティングの基本です。

灯火類やドアの隙間やエアロパーツの隙間、エンブレムなどパーツの取り付け部分は汚れが溜まりやすく、通常の洗車では落ちにくい部分であるため、使い古しのハブラシや筆などを使って細部の汚れを落としてからボディ全体を洗浄しましょう。

2.鉄粉除去

ボディに付着した鉄粉もコーティングの邪魔になるため除去しておくべきです。ボディに突き刺さった鉄粉は簡単に除去できないため、鉄粉取り粘土や液状の鉄粉除去剤を使います。鉄粉除去剤を使用してある程度の鉄粉を溶かし落としてから粘土で仕上げるとより効果的に除去できます。

3.油膜除去

ボディに付着した油汚れもコーティングにとっては邪魔な存在です。コーティング施工前に油膜除去剤を使ってボディに付着した油汚れを落としておきましょう。コーティング前の脱脂作業でも油膜は落とせるものの、脱脂剤では油分だけが落ちて汚れだけが残る場合もあるため、油膜除去と脱脂作業は分けて作業することをおすすめします。

4.小キズや水垢の除去

コーティング前には小傷や水アカも極力落としておきましょう。洗車しても落ちない頑固な水垢には専用クリーナーが有効です。どうしても落ちない傷は水垢はコンパウンド(研磨剤)を削り落とすしかありません。

ポリッシャー(研磨工具)を使い、ボディ表面をより滑らかに整えてからコーティングすれば仕上がりはよりキレイになりますが、ポリッシャーは扱いを誤ると傷の原因になるため使い慣れた人以外は手作業で確実に仕上げることをおすすめします。

5.脱脂

ボディに付着した油分はコーティング剤の定着を妨げ、場合によっては薬剤と反応してコーティング自体を白く濁らせることがあります。そのため、脱脂は下地処理のなかでもとくに念入りに行いたい作業です。

作業方法は脱脂剤をボディに吹き付け、タオルやウェスで浮き上がった油分を拭き上げるだけです。ただし、同じ面ばかりを使って吹き上げると脱脂どころか油分を塗り拡げる結果になりかねないため、脱脂作業のタオルやウェスは必ず複数枚用意し、油分が付着していない部分を積極的に使って仕上げましょう。

6.コーティング剤の塗り込み

コーティング剤は塗膜が厚いほど硬化に時間がかかり、薄いほど短時間で硬化が始まります。塗布量にムラがあると硬化時間も変化し施工ムラの原因になるため、塗り込み作業は一度に広範囲へ塗らず、1パネルづつ均一の厚さに塗り、すぐに拭き上げることでムラができにくくなります。

一部のコーティング剤は作業の中断ができないため、あらかじめ施工する順番を決めておくとよいでしょう。また、気温が高い時期ほど硬化時間も早くなります。日光が当たる箇所はボディの表面温度が高く、硬化時間が極端に早まる点にも注意してください。

7.コーティング剤の拭き上げ

コーティング剤の拭き上げに使う道具は、キレイなマイクロファイバータオルが理想的です。同じ箇所で拭き続けると塗膜にムラができやすいため、タオルを複数枚用意し、積極的に新しい面を使用しましょう。拭き上げ時は、作業中のパネル以外へコーティング剤を付着させないように気をつける必要もあります。

8.コーティング剤の乾燥

コーティング剤によっては乾燥するまでに長い硬化時間を要する商品があります。

ガラス系コーティングなどと呼ばれるコーティング剤の多くはすぐに硬化するため待ち時間はながくとも1時間程度です。それに対し、本格的なガラスコーティング剤などは初期表面硬化までに12〜24時間の乾燥時間が必要な場合がほとんどです。

その間は車を動かさないことはもちろん、コーディングに水が触れないように細心の注意を払わなければなりません。屋外でコーティング作業をする場合は天気予報を確認し、作業日だけでなく翌日の天気も考慮して施工の日取りを決めましょう。

また、本格的なガラスコーティング剤は完全硬化までに1週間から1ヵ月ほどかかる場合もあります。その間、車の使用や手洗い洗車は問題ありませんが、機械洗車の使用を避けるなどの注意が設けられている場合があります。