クルマの「燃費計」ってホントに正しいの? 「満タン法」との誤差はどれくらい? トヨタ「ハイエース」で検証してみた!

クルマに備わる「燃費計」は精度が悪いというイメージがあるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。「満タン法」との違いを実走行で検証してみました。

「燃費計」と「満タン法」の燃費の差異はどれほどなのか?

 クルマの燃費を知る方法として、メーター内に表示される「燃費計」を確認する方法があり、搭載されるモデルも多くなっています。
 
 ただし、この燃費計については「精度が悪い」という意見もあり、「満タン法」を用いて燃費を把握している人もいるでしょう。
 
 では、燃費計と満タン法ではどれくらいの誤差があるのでしょうか。

 満タン法とは、文字の通り燃料を満タンにして燃費を計算する方法です。満タンにして走行したあとに再度燃料を満タンにし、走行距離と給油量を割ることで実燃費が算出できます。

 実際にトヨタ「ハイエース」(2022年4月改良モデル・通称7型)のガソリン車で検証。ガソリンを満タンにしたうえで、クルマの燃費計をリセットして(ハイエースの場合は「リセット間平均燃費」)走行してみました。

 ちなみに、ハイエースのWLTCモード燃費は9.2km/Lですが、「高速道路モード」は10.7km/Lとカタログに記載されており、実燃費との違いも気になるところです。

 交通量が少ない深夜の高速道路を走って計測。1名乗車でエアコン(フロントのみ)は常に「ON」、速度は90km/h前後をキープしました。

 高速道路の走行は80km程度、一般道を含めて総距離82.3kmを走っています。

 燃費計でリセット間平均燃費を見ると、一般道はストップ&ゴーの回数も多く、それにともなって平均燃費が悪くなります。一方の高速道路では渋滞もなかったため一定速度で走行することができ、燃費がみるみる上昇していくのがわかります。

 その結果、今回、走行後の平均燃費はメーター表示値で「14.0km/L」となりました。

 では、満タン法での実燃費はどうだったのでしょうか。

 測定前と同様で燃料を満タンにすると、6.06Lが給油でき、総走行距離の82.3kmを給油量の6.06Lで割ると、「13.58km/L」となりました。

 リセット間平均燃費(14.0km/L)と満タン法(13.58km/L)の誤差は「0.42km/L」。今回の結果では、リセット間平均燃費の数字はおおむね正確だということがわかりました。

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 満タン法と燃費計は近しい値を示しているという結果になりましたが、乗車人数や道路環境、気象条件によっては違いが出るかもしれません。

 また、高速道路モード燃費公称値の10.7km/Lを上回る結果になったのもうれしい発見でした。

 ハイエースは燃費が悪いというイメージがあるかもしれませんが、うまく走ればかなり良い燃費も期待できるといえそうです。