車の「ホイール交換」サイズ拡大に意味はある!? 見た目だけじゃない? 「インチアップ」「インチダウン」の効果とは

クルマのカスタマイズで定番なのが「ホイールの交換」です。大径化(インチアップ)を実施する場合もありますが、注意すべき点もあります。ホイール交換で気を付けるべき点などを紹介します。

ホイールサイズの変更は最もポピュラーなカスタマイズ

 クルマをドレスアップする方法で最もポピュラーなのが「ホイールの交換」ですが、その際にホイールのサイズ(径や幅)を変更するケースも多く見られます。
 
 ただホイールの選び方次第では、走行性能や乗り心地にも影響しかねません。どういった点に注意したら良いのでしょうか。

 ホイール交換時に「インチアップ」したり、逆に「インチダウン」を行う事がありますが、果たしてどう言った意味があるのでしょうか。

 共通しているのは、タイヤの外径(外周の大きさ)を純正サイズとほぼ同等に合わせることを前提に、タイヤの扁平率(へんぺいりつ:タイヤの断面幅に対する断面の高さの比率)を変化させる点です。

 これにより、ホイール側の直径を大きくしたり、小さくすることが可能となります。

 基本的な概念としては、インチアップするとタイヤ幅は広く、サイドウォール(タイヤの側面部分)が薄いタイヤとなり、インチダウンするとタイヤ幅は狭くサイドウォールが分厚いタイヤとなる訳です。

 タイヤのサイドウォールには、タイヤサイズの表記があります。

 純正のタイヤサイズが「205/55R16」と表記される場合には、タイヤ幅が205mmで扁平率55%の16インチのタイヤという意味を表しています。

 例えばこれを「195/65R15」のようにホイール径(インチ)を小さくすることをインチダウンといいます。

 逆に「215/45R17」のようにホイール径が大きくなることをインチアップといいます。

 純正以外のタイヤサイズに変更をしたとしても、車両保安基準に適していれば基本的に問題はありません。

 これらのインチアップ・インチダウンについては、タイヤ専門店などに適切なサイズ変更のための適合表が用意されていますので、交換の際には必ず事前に相談することをオススメします。

 こうしたサイズ変更のなかで、インチアップのメリットはどこにあるのでしょう。

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「インチアップ」の際に注意すべき点とは

 近年は純正装着のタイヤが扁平率50%を切るような「低扁平タイヤ」であることも珍しくありません。

 ホイールのインチアップをするとクルマの足元が引き締まり、カッコ良く見えてきます。

 こうしたドレスアップ効果は大きなメリットです。

 またタイヤ幅が広がり接地面積も増えるためグリップ性能が高まり、サイドウォールも薄くなることからタイヤのヨレが減り、操舵に対するレスポンスが良くなります。

 クイックなハンドリングを好む人にはメリットになります。

 反面、接地面積が増えれば転がり抵抗も増えるため、燃費は悪化する可能性があります。

 ロードノイズ(タイヤが転がる騒音)も拾いやすくなり、段差等の衝撃を吸収しにくくなるため乗り心地も悪化します。

 またタイヤ自体も高価になっていくため、同じブランド同士なら経済性(コスト)の面ではマイナスといえます。

 タイヤの外径を同等に維持したインチアップを行うとロードインデックスが下がる場合があります。

 ロードインデックスとは、タイヤ1本で支えることのできる最大負荷能力を示す指数です。

 負荷能力が不足していると、選択したタイヤではクルマを支えられないという事態になりますので注意が必要です。

 ロードインデックスが問題なかったとしても、タイヤの規格が変わってしまうこともありますので、その場合は適正な空気圧の設定に変更する必要が出てきます。

 インチアップ後のタイヤの規格と純正タイヤの規格をよく確認し、負荷能力を満たす空気圧に調整しましょう。

 またインチアップをすればホイールが変わります。

 ホイールのインセット(オフセット)値が変わると、クルマに対するタイヤやホイールの出っ張り具合も変わってしまいます。

 走りの特性が変わるのに加え、タイヤやホイールがクルマのフェンダーからハミ出していないか、タイヤハウス内に干渉していないかといった点も注意する必要があります。

 ホイールが少しでもハミ出していれば、保安基準不適合として車検にも通らなくなります。

 一方インチダウンについても、メリットやデメリットがあります。