違法とは言い切れないが合法でもない!誤解を招く可能性も

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ハザードランプの正式名称は非常点滅表示灯。つまり、何かしらの非常事態の際に使用することが目的の灯火類です。

近年製造されている新車では、急ブレーキを踏むと同時にハザードランプが点滅する車種もあり、ドライバーの認識としては、「ハザードランプが点灯した状態=何かしらの危険がある(異常がある)状態」としておく方が、本来の意味が通りやすいです。

よって、ハザードランプを点灯して走行を続けるのは、本来の非常を知らせる機能が無くなってしまうため良くありません。実際に「ありがとう」を示す際には手を挙げるなど、ハザードランプ以外での合図を送る方が望ましいでしょう。

ハザードランプをコミュニケーションの一つとして点灯することはあくまで慣習。ドライバーや地域によっても認識の差があるため、誤解を招く可能性もあります。

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サンキューハザードで警察から注意を受けることも?

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実際に筆者は、車線変更を譲って前方に入ってきたクルマがサンキューハザードを行い、そのハザードランプを消し忘れたまま走行し、警ら中のパトカーに止められて注意を受けている姿を目撃したことがあります。

この時、違反切符は切られていないようでしたが、消し忘れによってパトカーに止められるリスクもあるとするなら、ありがとうの伝え方をサンキューハザードに頼るのは、再考する必要があるのではないかと思います。

警察へハザードランプの使い方を取材した際、推奨されていたのは「高速道路の渋滞最後尾ハザード」だけでした。これは、渋滞時の追突事故を防止する観点からも、各地の高速道路交通警察隊が、使用の呼びかけを行っています。

急に文化や慣習を変えるのは難しいことです。今後もサンキューハザードの使用が急激に減ることはないでしょう。しかし、日常的に様々な判断を強いられるドライバーとしては、「ハザードランプの点灯=緊急事態」と認識を強く持っておくことが必要不可欠です。

一般ドライバーに関しては、故障していて動けない、豪雨や霧で視界が悪く停車せざるを得ない(この時に自分はここにいますというサインのためのハザードランプ点灯)、といったことにできるだけ限定してハザードランプを使用する方がよいでしょう。

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