車のフロントマスクは文字通りその車の「顔」ですが、最近は薄目のLEDヘッドライトに大型メッキグリルで、よく言えば迫力のある、そうでもない言い方なら「オラつき顔」が主流で、その主流へ反するように丸目ヘッドライトの「パチクリ顔」もいくらかあります。

しかしフロントマスクには、ヘッドライトにウィンカー、フロントグリル、フロントバンパーなどさまざまなパーツがあるため、もっと表情をつけようと思えばできるはず。

今回は「笑顔に見える車」というテーマでチョイスしてみましたが、誰が見ても笑っているように見える車は案外難しいもので、読者の皆さんはこの3台、どう思いますか?

ホンダ S600(1964年)/S800(1966年)

大型化したフロントグリルと曲げたバンパーによる微笑み

ホンダ S800

エスロク(S600)やエスハチ(S800)にそういうイメージを持つ人は少数派かもしれず、むしろ精悍なスポーツイメージと捉える人の方が多そうですが、この2台は最初に市販された短命のホンダスポーツ、S500(1963年)とは異なる「微笑み顔」。

とはいえ、これは漫画「レストアガレージ251車屋夢次郎」(作者は「よろしくメカドック」などでも著名な次原隆二)からの受売りで、本来のエスハチは「正面から見ると笑顔に見える」(夢次郎)らしく、筆者もそう言われて見れば確かにと思ったクチです。

S500からフロントグリル開口部を広げ、そのためにフロントバンパーも中央部で曲げたエスロクとエスハチに微笑んでもらえるかどうか、みなさんも機会があれば、正面からジックリ向き合ってみてください。

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スバル プレオニコット(初代・2005年)

名前からしてニコッと微笑んでる「ニコット」

自動車界のピカチューでもある?微笑み顔のスバル プレオ ニコット

まだスバルが軽自動車を独自生産していた時代の軽トールワゴン、プレオには2つの顔違いがあり、1つがヨーロピアンクラシックの「ネスタ」、もう1つがソフト路線の「ニコット」です。

名前からして「ニコッと微笑んだような顔つきだからニコット」ですから、「笑顔に見える」というテーマにこれ以上ふさわしい車はありませんが、デザインの元ネタは東京モーターショー1997に出展したスバル360復刻版レトロカーの「エルテン」。

1999年に出展した軽トールワゴン版「エルテンカスタム」は似ても似つかぬ顔つきで、結局プレオニコットには最初のエルテン顔が採用されました。

ヘッドライトが目、バンパー開口部が口だと思いますが、ボンネット上のウォッシャーノズルを目、フロントグリルを口だと思っても微笑み顔になります。