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松本まりか、“受け”の演技で新境地「自分に新しい価値観をもたらしてくれるような作品」『最高のオバハン 中島ハルコ』

テレビドガッチ


松本まりかさんが、4月10日にスタートする大地真央さん主演のオトナの土ドラ『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週土曜23:40~)に出演します。

美容外科医でクリニックの敏腕経営者でもあるアラ還名古屋嬢の中島ハルコ(大地)が、無駄なプライドから生まれる悩みや、忖度まみれの理不尽な仕事の悩みをばっさばっさと切り倒していく姿を痛快に描いていく本作。

そんな本作で、不倫に悩むダメンズアラフォー女子・菊池いづみを演じる松本さんにインタビュー。松本さんは、2018年放送の金曜ナイトドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)の演技で世間の注目を浴び、それ以降、様々な作品に出演。2020年、最もブレイクした女優のひとりです。

これまで個性的な役柄を強烈に演じることが多かった松本さんが、今回は“怪演”を封印。ハルコに翻弄されまくる女性という役で新境地を開く彼女が、本作の魅力や新たに挑んだ “受けの演技”、そして、多忙を極めた2020年にできた“覚悟”を明かしてくれました。

――本作の印象や台本を読んだ時の感想をお願いします。

繰り返される日常の中に隕石がぽっと落ちてきたような、自分に新しい価値観をもたらしてくれるような作品だなと思いました。撮影現場もそうでしたが、最初はハルコさんにただただ振り回されて訳が分からずに進んでいくのに、気が付いたらすごく楽しくなって笑っているという不思議な現象を経験しました。

ハルコさんは美容外科医ですが、「美しくなりたい」「モテたい」など、ただ外見を良くしたいという整形ではなく、人生の整形をさせるんです。ハルコさんの“生きる哲学”が毎話でてきて、ハッとさせられますし、すごく刺さります。

――そのハルコさんを演じる大地さんとの共演はいかがでしたか?

大地さんとの撮影は本当に楽しかったです。大地さんと朝から晩まで一緒にいてそれが当たり前のようになっていました。撮影現場では、宝塚時代のお話を聞かせてもらったり、食の話で盛り上がったりしました。また、高級な牛肉が丸ごと入ったレトルトカレーやオーガニックチョコレートなどをいただきました。差し入れのセンスもすごくて、食べたことのないようなおいしいお菓子やひつまぶしなどをいただいて、スタッフ・キャストみんな歓喜していました。

――演じるいづみは悩みの尽きない38歳の女性。共感する部分はありますか?

私自身も常に不安や悩みと戦っているので、等身大で共感できますね。この年代だと、結婚もそう。私は結婚については楽観視していますが、同世代の友達は結婚したい、子供を産みたいと悩んでいる子も多いですし、気持ちはすごく分かります。

負のループに入ってしまうと、自分で打破するのが酷く難しくないですか? ドラマでは、「そんなことに捉われて生きるんじゃない」とハルコさんにいろいろ教えてもらい、いづみが変わっていきますが、私も10代の頃にハルコさんみたいな方に出会って自分が変わった経験があるので、すごく納得しました。不安や踏み出せない自分に嫌悪感を抱えている時に、自分の哲学書になるハルコさんのような存在をみんなが探している気がします。

あと、いづみはすごく素直。ハルコさんを最初は怪訝に思いつつも、影響されてよい部分を吸収していく。いくつになっても人は変われるし、勇気を出して素直に新たな世界に飛び込むことは大事だと思いました。

――いづみのような受け身のキャラクターを演じるのは初めてということですが、オファーを聞いた時、率直にどう思われましたか? また、世間から“怪演”と言われることについてはどのように思ってらっしゃいますか?

私の今のイメージの役と正反対の役でオファーしてくださったのは、すごく嬉しかったです。悪女など個性的な役を演じるのは好きですし、楽しいのですが、本当にいろいろな役をやってみたいという思いがあって。視聴者の目線を代弁するような受け身の役はチャレンジしたかったので、新しい発見がたくさんあり、演じていてすごく楽しかったですね。

私的には怪演しているつもりはないのですが、それを面白がっていただけているのなら、すごく嬉しいですし、ありがたいなと思います。

――受けの演技をする上で気を付けたことはありますか?

今作はコメディなので、リアクションを頑張って作ると、すごくあざとくなってしまう気がしたんです。なので、リアクションを考えないようにしました。

すると、すっとぼけた顔が自然に出ていたので、頭で考えないって重要なことだと思いましたね。頭で考えると自分の想像した以上のものにはならない。考えないことで新しいものがでてくるし、きっとそれが真実だと思うんです。自分の中で新たな挑戦をしているドラマでした。

――松本さんの素の部分が演技に反映されているということですか?

他の役でもありますが、今回はより垣根がないかもしれません。受ける側なので、自分をまっさらな状態にし、余計な情報を入れないようにしていましたね。衣装を着てメイクをすると、自動的に自分の中でスイッチが切り替わりました。普段も演じる役によって、現場でのキャラは違うと思います。『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系、2020年)の時のキャラと全く違って、とても能天気だったと思います(笑)。

――いづみを演じることで、俳優として気付いたことはありますか?

普通ってみんな個性がないと思いがちですが、ある意味、個性的なのかなと感じました。普通の役は捉えどころがなくて、一般的で難しいんです。だから考えるのをやめようとも思いましたね。

あと、私はもともとすごく考えるタイプなんですが、ここ半年は忙しくて、強制的に考えられないという状況で。思考できる余地もないままこの作品に入れたのは役柄的に逆に良くて、すごくいいタイミングだったとも思います。

体力的にはすごくツラかったのですが、考えなくてもできるのは根本的なことだと一回立ち戻ることができました。頭でいっぱい考えてする芝居もあるかもしれないけど、芝居を始めた当初のように自分の感性を信じてやることができたのは新たな感覚でした。

――今年はデビュー20年目という節目の年ですが、俳優としてまた一つステップアップするためにこの作品に出会ったのかもしれないですね。

それはすごくありますし、ありがたいですね。これからも新しい役柄にチャレンジして、「何でこの作品に松本まりか?」「いや合わないでしょ」っていう、世間の人を驚かせるような役をやり続けたいです。

――様々な作品のオファーが絶えないと思いますが、出演する基準はあるのですか?

役はほぼ選ばず、守りに入らないようにしています。この役は難しい、想像できないからという理由でやめることはないですね。むしろ想像できるからしないことはあったとしても、想像できず、失敗する可能性があると思う役はどんどんやりたいです。

それは他の仕事でもそうです。バラエティは得意ではなかったですが、やってみようと舵を切って。上手ではないので、失敗をして恥ずかしい思いもしましたが、もしかしたら自分のイメージを自分でぶち壊しに入っているかなとも思います。でも、自分以上の偶像を作らず、裸一貫の自分の実力でいかに勝負できるかっていうことが、私にとってはすごく大事で。

ありがたいことに「今、すごく出てるね」とか言われますけど、それに浮き足を立てず、その流行りに乗っかるのではなく、自分の未熟さや恥ずかしい部分を晒して、地に足をつけて自分の中で地道に生きていく、という覚悟ができた2020年でした。

――最後に本作の見どころと読者へのメッセージをお願いします。

人生の大事ないろいろなことに気付かされる作品だと思います。ハルコさんのことを最初は「何、このおばさん?」って感じるかもしれませんが、ハルコさんの言葉に人生の突破口やヒントが隠されているはず。いづみを通して、ハルコさんを見てほしいですね。

(取材・撮影:高山美穂)

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