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宇宙に数か月滞在すると心臓の大きさが4分の1以上も縮むという衝撃の事実が発覚

カラパイア

宇宙にいると心臓の大きさが縮む

 2016年3月、アメリカ航空宇宙局の宇宙飛行士のスコット・ケリー氏は国際宇宙ステーションに1年近く滞在し、ようやく地球に帰還した。

 『Circulation』(3月29日付)に掲載された研究によれば、驚いたことに、彼の心臓は4分の1以上も縮んでしまっていたという――。

1週間で0.7グラムずつ心臓が縮む


 スコット・ケリー氏は340日間の宇宙滞在で毎日の運動を欠かさなかった。そのメニューは、ランニング、エアロバイク、ウェイトリフティングと、それなりの運動量に思える。にもかかわらず、1週間で0.7グラムずつ縮んでいたのだ。                   

 なぜそんなことになってしまったのか? それは地球のような引力がないために、心臓が楽できてしまうからだ。無重力ならば、地上にいるときよりも、少ない力で血液を送り出すことができる。

 なお心臓は27%軽くなっていたが、ケリー氏はそれまで通り健康で、体調を崩すことも、それらしい兆候が現れることもなかった。




地球上でも心臓が縮む体験をした男性


 同じ現象が地球上でも確認されている。長距離水泳選手のブノワ・ルコント氏は、2018年、当時51歳だった彼は泳ぎで太平洋の横断に挑戦した。

 途中台風のためにサポート船が破損してしまい、距離の短縮を余儀なくされたが、彼は159日間のほとんどを海の中で過ごし、2821キロを泳いだ。つまりある種の無重力を経験していたのだ。

 ルコント氏の心臓は、ケリー氏と似たようなペースで縮小していた。とりわけ左心室(ポンプ機能の中で特に重要)は最初170グラムだったのが、140グラムまで軽くなったと推定されている。

 太平洋を泳いで渡るというかなりハードな運動していれば、むしろ大きくなるだろうと予測されていたのだから、研究者は衝撃を受けたという。


How Do You Stay Sane for Months at Sea? | The Swim

長期的な宇宙ミッションへの影響


 心臓の大きさは、その人の普段の運動量を反映しているそうだ。

 元々よく体を動かしていた人の心臓は、無重力下では縮みやすい。その一方、地上であまり運動をせず、宇宙ではなおさら動かなかった人たちは、心臓が大きくなっていたという。

 幸い、ケリー氏もルコント氏も小さくなった心臓のせいで体調を崩すようなことはなかったようだが、だからと言って、長期的な宇宙ミッションで健康リスクになるという懸念が払拭されたわけではない。

 現在、火星への有人飛行計画が進行中だ。地球から火星まで片道8か月かかるとされているが、その間無重力の中で過ごし、弱った心臓で新しい惑星に降り立てば、それが健康に悪影響を与えたとしてもおかしくはない。

 現在、他の宇宙飛行士13名の心臓が調査されているとのこと。こうした研究から、宇宙で過ごす最適な方法が考案されるのだろうか?

  たとえ宇宙旅行が一般的になっても、ゆったりくつろぎの旅にはならない可能性があることだけは覚悟しておこう。

References:
・Spending time in space could shrink your heart | Popular Science
/ written by hiroching / edited by parumo

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