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ソフトバンク・石川柊太ミニインタビュー 「ホッとした半面、ホッとしている暇はない」

週刊ベースボールONLINE

3月29日号のインタビューで「一つの通過点」と語っていた開幕戦。7回1失点で育成出身選手初の開幕戦白星を手にした右腕にとってはどんな通過点になったのだろうか。登板翌々日に振り返ってもらった。
取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭


評価:A
vs.ロッテ(PayPayドーム)●8-2
勝利(7回)
107球、被安打5、奪三振6、与四死球3、失点1、自責点1

最悪の想定でピンチ回避


 プロ入り8年目で初めての大役を、見事に務め上げた。テンポの良い投球スタイルは、いつもと変わらない石川柊太の姿。「3.26」を迎えてもなお、右腕の心境に特別な変化はなかったのだろうか。

「開幕戦だからといって変わったことは、実際のところ本当になかったんです。試合直前も、いつもと変わらない、自分の中でコントロールできる緊張感。バッテリーを組む拓也(甲斐拓也)との会話も「思い切ってどんどん投げ込んで」「ストライク先行で」と、いつもどおりの、いたってシンプルなやり取りで。違ったことと言えば……、勝ってからの周りやファンの方の反響の大きさぐらいですかね。

 だからこそ、1イニング目からテンポ良く入れたのかもしれません。初回が良かったからといって「よし、イケるぞ」という感覚になることはないんですけど、それでもいい形で入れたことが、結果的にも良かった。味方もすぐに先制点(2点)を取ってくれましたし。先制点のおかげで、より自分らしく投げられるプラス要素が増えました」

 7回を投げ切り、許した失点は6回にマーティンに浴びたソロ本塁打の1点のみ。5回は一死満塁、6回には二死満塁とピンチ招いたが、意識を集中させて後続を抑えると、7回は3者凡退だった。

「いつもそうなんですが、ピンチのときは特に「この1球がホームランされたら」と想像してから投げるようにしています。ホームランを想像するのは、それが最悪の結果だから。自分が投げるボールに対して後悔をしたくないんです。だから、あえて最悪の結果を想像して、その未来から帰ってきた感じで投げる。

 投げたあと、結果的にヒット(適時打)、ホームランを打たれることもあります。それは技術的にダメな場合もあるし、打者が自分を上回ってくることもある。でも、抑えようとして打たれたら、それは仕方がないこと。打たれたところでの精神的なダメージとか動揺とかを、あまり感じなくなるんです。そういう意味では「腹をくくって」という表現になるのかもしれません。今回のピンチの場面はいずれも、気持ちの部分で負けないように、集中して打者と対峙することができました」

試した新たな引き出し


 6回のピンチを切り抜けてベンチに戻ったあと、甲斐、森山良二投手コーチ、工藤公康監督が石川を囲み、何やら話し合いが行われた。そして7回、どことなく感じられた石川の投球スタイルの変化。一体どんなやり取りがあったか。

「ベンチでのシーンについては、監督は僕のところに来てひと言。「代えないよ」と。ただ、7回で終わりかというところは、自分の気持ちとしては半々でした。結構いっぱいいっぱいなところもありつつ、ここでもう1回、どういったピッチングをしていくかを考えられたら、シーズン通してイニングを稼ぐことができるかなと。昨年の自分だったら6対4、いや7対3ぐらいで「代えてほしいな」という気持ちのほうが上回っていたんですけどね。今季は規定投球回を目指していますし、まだ半々ではありますが(笑)、自分の中での進歩です。

 結果として7回を抑えられたことは良かったですし、ちょっとした発見もありました。試合中でもいろいろと試しながら状況に応じて新しい引き出しで抑えていくのは昨年からもやっていたことなのですが、この7回は一つ、違うスタイルを出したイニングでもあったんです。ほんの少し変わっただけでも、バッターに嫌な印象を与えることができますよね。

 今回の7回に試したみたスタイルを、今後、初回から使ってみるかもしれません。その辺はいろいろなバリエーションがあったほうが、シーズンをうまく乗り切れると思っています」

 開幕戦に勝利したものの、長いシーズンはまだ始まったばかりだ。石川自身もそれを十分に分かっていて、強く頼もしい言葉が返ってきた。

「開幕戦に勝てたことは、ホッとした半面、ホッとしている暇はないという感じです。昨季は自身初登板を4回途中で降板して、次抑えないとヤバイなという気持ちが、その先につながっていった。その経験があるので、お立ち台でも「次の戦いに備えないと……」と口にしたんですよね。思うことも大事ですし、言葉にすることも大事。だから、自分の胸の内を言葉に出して、次へ、次へと進んでいきたいと思います」

PROFILE
いしかわ・しゅうた●1991年12月27日生まれ。東京都出身。185cm87kg。右投右打。総合工科高-創価大-ソフトバンク14育(1)-16途

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