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東南アジア島嶼部やマレー半島に生息する「ラレフレシア」。直径は1メートル、重さ10キロにまで成長するこの花は、「世界最大の花」と呼ばれることもある寄生植物だ(なお、ギネスが認定する世界最大の花はショクダイオオコンニャクである)。
そんなラフレシアに新種が発見されたそうだ。発見地はマレーシア、パハン州の海にあるティオマン島。これにちなんで「ラフレシア・ティオマネンシス(Rafflesia tiomanensis)」と命名されている。
ティオマン島で発見された新種のラフレシア

credit: Yunoh et al.
風光明媚なことで知られるマレーシア、ティオマン島は、大部分が原生の熱帯雨林によっておおわれている。エコツーリズムも行われており、ラフレシア(マレー語でブンガ・パクマ)は観光の目玉の1つなのだとか。
新種が発見されたのは、研究者が島の熱帯雨林をいつも通りに散策をしていたとき。つぶさに観察してみると、既知の種には見られない特徴を備えていることが明らかになったとのこと。
具体的には、花びらの上の小さなコブ、管状花に突起がない、管状花にふちがない、開口部の形状が不規則などで、これらはマレー半島に自生する他のラフレシアにはないユニークな特徴なのだそうだ。
尚この新種は『Malayan Nature Journal』(21年3月付)で発表された。

credit: Yunoh et al.
ラフレシアは死肉に似た毒々しい色合いで、実際に腐臭を放ち受粉の為にハエを誘き寄せる。
1826年当時、初めてラフレシアを発見したヨーロッパの人々は、その巨大さと形状に「人食い花ではないか?」と恐れたそうだ。
確かにインパクトは抜群だよね。しかも腐臭を漂わせるし、他の植物に寄生し栄養分を吸い上げて成長するヒール的な生きざまも嫌いじゃないな。
References:New Species of Rafflesia Discovered in Malaysia | Biology | Sci-News.com/ written by hiroching / edited by parumo