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地球のマントルは、原始惑星「テイア」の名残であるとの新説

カラパイア

地球の内部構造「マントル」は原始惑星「テイア」の名残であるという新説が登場
photo by iStock

 地球の内部構造で、核(コア)の外側にある層「マントル」に隠された大きな塊は、かつて地球に衝突して月を作り出したとされる原始惑星テイアの名残かもしれないという新説を、米アリゾナ州立大学のグループが発表した。

 ジャイアント・インパクト説は、地球の衛星である月がどのように形成されたかを説明するものだが、今回発表された説によると、かつて火星ほどの大きさの「テイア」と呼ばれる原始惑星が地球と衝突し、そのときに弾き飛ばされた地球とテイアの欠片が月になったというのだ。

地球に惑星が激突し月が誕生したとするジャイアント・インパクト説


 月の誕生の秘密について、もっとも有力とされる説は、「ジャイアント・インパクト説」と呼ばれるものだ。

 この説では、月は「テイア」と呼ばれる原始惑星と地球が激突した結果形成されたとされ、そのときに弾き飛ばされた地球とテイアの欠片が月になったと説明している。



原始惑星テイアは地球のマントルに残されていた!?


 だが、テイアのすべてが月になったわけではない。その残りがどこに行ったのかについては、まだ決着がついておらず、今もなお議論が交わされている。

 これについて、米アリゾナ州立大学のグループは、その行先は地球のマントルだったとの新説を提唱している。

 彼らによれば、アフリカ大陸と太平洋の下に存在する「大規模S波低速度領域(LLSVP)」と呼ばれる特異領域が、テイアの名残と考えられるのだという。

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LLSVPの起源に関するジャイアントインパクト仮説 credit:Credit: Li et al.

地震波がゆっくりになる高密度領域


 マントルに他とは少し性質が異なる領域が存在することは、世界中に設置されている地震計を分析することで分かる。

 地震波がマントル内を伝わるときに、速度が低下する領域が存在するのだ。このことは、その部分だけ他よりも密度が高いことを示唆している――これがLLSVPだ。

 LLSVPは非常に大きく、外核の周辺に位置している。そして今回の研究によると、仮にテイアのマントルが地球のものより高密度だった場合、衝突のあとやがて地球の核へ向かって沈み始めただろうと考えられるのだそうだ。


地球の内部構造
photo by iStock

惑星と地球の激突をシミュレーション


 その裏付けとして、研究グループはおよそ45億年前の地球をモデル化し、火星サイズの惑星が衝突したらどうなるのかシミュレーションを行なっている。

 想定されたテイアのマントルは、鉄が豊富で、極端なまでに密度が高い。この条件だと、衝突によってテイアは破壊され、一部の欠片が宇宙に飛ばされ月が誕生する。

 だが、マントルの大部分はバラバラになって地球に散らばる。それらはやがてマントルへと沈み始め、数十億年が経過すると再び融合して、LLSVPが形成される。


What Happened To The Theia?

まだまだ謎めいた月の存在


 なおジャイアント・インパクト説はもっとも有力な説であるが、それ以外にも月誕生に関する仮説は提唱されている。身近な天体のようで、さまざまなミステリーが隠されているのが月という存在だ。

 この研究は、今年の月・惑星科学会議で発表された。また『Geophysical Research Letters』への掲載が予定されている。

References:New theory suggests large blobs of material in Earth’s mantle are remnants of protoplanet Theia/ written by hiroching / edited by parumo

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