
上空や狭い場所でも撮影できるドローン映像が普及する中、ネットではアメリカのボウリング場の「いつもの夜」をとらえたショートムービーが大反響を呼んでいる。
すばしっこいドローンカメラが主役の本作は、スピード、スリル、タイミングがポイントの息もつかせぬワンショット映像で、トイストーリーの監督までもが絶賛のコメントを寄せている。
ボウルを投げるお客の間も縦横無尽に飛び回り、併設のバーや映画館までのぞきに出かけるドローンの見事な映像をごらんいただこう。
※映像酔い注意
夜のボウリング場に潜入?めくるめくドローン映像
こちらは25歳のドローンオペレーターのジェイ・クリステンセンがYouTubeで公開したショートムービーだ。
時刻は夜。最初の視点は上空から、レトロなサインがまぶしく光る地上のボウリング場へと向かっていく。
誰かが開けてる入口ドアから滑り込みボウリング場へと一直線!

レーンをなめるようにボールを追うかと思いきや、その場をくるっと一周してレーンの奥へ。細い隙間に潜り込み、ピンセットマシンの上を通過し再びレーンに現れた。
めくるめくカメラの視点はまだまだ続き、お客の足の間を通って一周したり、話し込んでる2人のそばをすり抜けたりと見てるだけで目が回りそう。

その勢いで併設のバーやミニシアターまで潜入し、舞い戻ったカメラの視点は休む間もなくピンに向かってまっしぐら。ボールと共にストライクを目指すのか?

さまざまなアングルからの息もつかせぬ作品は、ドローンを巧みに使った切れ目なしの撮影でボウリング場の「いつもの夜」の雰囲気を余すことなく表現した。
驚愕でアゴが床に!?トイストーリー3の監督も大絶賛!
撮影はアメリカのミネソタ州ミネアポリスに実在するボウリング場、ブライアントレイクボウルアンドシアターで行われ、CGは使用していない。
すばしっこくて小回りのきくドローンの爽快なスピードやスリリングなアングルと役者たちの絶妙なタイミングが小気味よいこの映像は、またたく間に反響を呼び、今月16日の時点でTwitterで700万回以上、YouTubeで167万回以上も再生されている。
インスタグラムでも45万回以上とか
さらには一般視聴者のみならず、ハリウッドスターのイライジャ・ウッドや「トイストーリー3」の監督リー・アンクリッチ、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の監督のジェームズ・ガンから絶賛されるなど、業界の注目まで集めた。
This is one of the most amazing things I’ve ever seen. Jaw on the floor. https://t.co/OSV1m8cqpG
— Lee Unkrich (@leeunkrich) March 10, 2021
リー・アンクリッチ:これまで見た中でも最もみごとな作品の一つ。驚愕でアゴが床まで落っこちるぞ
Oh my God this drone shot is stupendous. 🎳 pic.twitter.com/bUcfRtq70O
— James Gunn (@JamesGunn) March 9, 2021
ジェームズ・ガン:なんてこったこのドローンショットすさまじいな
CG疑惑を役者が否定。タイミングが命だった製作秘話も
一方であまりに見事な仕上がりに加工を疑う声まで浮上。撮影に参加したボランティアの男性が「自分が100%本物だと保証できるよ。現場にいたからね」と断言する騒動にまで発展した。
また監督をつとめたアンソニー・ジャスカも、作品はドローンの視点のみで作るストーリーテリングを意図していたとし、以下のように語っている。
ただユニークなことをしてるだけです。従来のストーリーテリングを採用して、背後に新しいテクノロジーを導入しました。ワンテイクでCG無しです
重要な撮影をこなしたクリステンセンは、なめらかに見える映像の裏話を以下のように明かしている。
自分も歩きながら出演してボールを投げるタイミングを合図したりしてました。すごく時間もかかったしかなりの労力が必要でした。カメラを止めず動かしたままの撮影を10回はやり直しましたと思います
彼によるとタイミングがすべてに影響するため、役者やドローンの位置がわずかにずれた時点で全体の流れを考え、シナリオ通りに立て直すのに苦労したという。また音響は後で個別に追加したそうだ。
ついでに明かすとドローンとすれ違う役者の会話にもちょっとしたユーモアが盛り込まれていて、1998年の映画「ビッグ・リボウスキ」のボウリングにまつわるセリフを引用しているそうだ。
ちなみに以下は同様の手法使ったクリステンセンの作品の一つ。夜の映画館が舞台になっている。
映画界も注目のクリステンセンの作品に興味がある人は彼のYouTubeチャンネルjaybyrdfilmsをチェックだ
References:mashable / twitter など /written by D/ edited by parumo