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半分動物で半分植物。それがイソギンチャクの正体だったらしい(オーストリア研究)

カラパイア

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photo by Pixabay

 これまで、イソギンチャクは動物に分類されていた。しかし、今年ゲノム・リサーチ(Genome Research)に発表された2つの研究からイソギンチャクは遺伝的に半分植物で半分動物であることが分かった。

 今回の研究でイソギンチャクの今までの分類学的な位置は変わらないが、地球の生物がいったいどのように相互に関係しあってるかを解明する手がかりとなる。

イソギンチャクの転写と翻訳


 この研究を率いたオーストリア、ウィーン大学、進化発生学のウルリッチ・テクナウ氏はこう話す。「人を含め全ての動物は植物とは遠縁である。しかし、イソギンチャクは刺胞動物門と呼ばれる動物群の代表であり、ごく初期に分岐し、多くの祖先的な特徴を持っている。」

 今回の研究で研究者たちは遺伝子発現の仕方に注目した。遺伝子発現とは、遺伝子の情報からタンパク質やRNAなどといった産物が合成されるまでの過程のことである。遺伝子発現は「転写と翻訳」と呼ばれる、少なくとも2つの主要な段階を踏まえて行われる。

 「転写」とは遺伝子配列からRNAが作られるまでの過程の事である。「翻訳」とはmRNA(メッセンジャーRNA)の配列をアミノ酸配列に変換しタンパク質を合成するまでの過程である。

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photo by Pixabay

動物と植物両方の特性を合わせ持つイソギンチャク


 研究グループは、イソギンチャクで行われる転写の制御方法を他の動物と比較したところ、動物間で行われる方法とほぼ同じであることがわかった。ところが翻訳の制御方法は、動物ではなく植物のものと類似していた。

 「動物の遺伝子発現は長い時をかけ進化してきた。」共著者であるミケーラ・シュワイガー氏はこう説明する。「イソギンチャクは複雑な遺伝子制御を行っている。この方法は約6億年前、私達人間やハエ、イソギンチャクの祖先にあたる生物が生まれた時にはすでに存在していたのかもしれない。」

 イソギンチャクはとても早い段階で分岐した為、植物と似た転写方法を維持したままだったと考えられる。他の昆虫や脊椎動物の祖先は分岐した時には既に、植物の制御方法を失ったか、大きく方法を変えたと考えられる。

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photo by Pixabay

人間やハエと共通の先祖


 テクナウ氏は、イソギンチャクと人間、ハエの祖先は基礎的な神経系と口、消化管を持った単純な形をした生き物であったのではないかと推測している。

 ジェームズクック大学のサンゴゲノム解析グループのデイビット・ミラー氏は今回の研究について完璧でとてもすばらしい研究であると述べている。

「刺胞動物は典型的な動物の遺伝子を制御するのに植物に似たシステムを採っている。しかもその制御される遺伝子はイソギンチャクや私達に共通してあるものだ。これは凄いことだ。」


via:discovery・原文翻訳:Copris


 
 イソギンチャクは6億年前から地球上に存在し、その命を絶やすことなく適応させながら今に至っているわけだ。水中恐るべし。植物とか動物とか、なんかもうそういう概念取っ払った、とんでも生物がまだまだたくさん潜んでいそうだ。

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