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今禁忌の扉を開けて語ろう『EZ2ON REBOOT : R』―韓国の音ゲーの長い歴史を背負う一作【プレイレポ】

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今禁忌の扉を開けて語ろう『EZ2ON REBOOT : R』―韓国の音ゲーの長い歴史を背負う一作【プレイレポ】

2021年3月17日に、あるひとつのリズムゲーム、いわゆる”音ゲー“の早期アクセスがSteamにて開始されました。 NeonoviceとSQUARE PIXELSが手掛けるそのタイトルの名は『EZ2ON REBOOT : R』。今でこそ、その名を知るものは数少なくなっていますが、実はこのタイトル、”音ゲー“の古くを知る者にとっては垂涎モノの一品であるのです。 そこで本記事では「『EZ2ON』とは何か?」を現代のゲーマーにお伝えするとともに、シリーズ新作としてついに日本でも楽しめるようになった『EZ2ON REBOOT : R』のプレイレポをお届けします。『EZ2ON』とは何か?今日までの経緯1998年近辺、アーケードでは、音ゲーという一つの大きなジャンルが登場。社会的なブームとなりました。コナミが世に送り出した『beatmania』にはじまり『Dance Dance Revolution』など、当時のブームは現代のアーケードにおける音ゲーの定着を感じさせる、本当に熱狂の渦中にあり、1プレイ300円のゲームに対して順番待ちが30分以上でもおかしくない時代でした。アーケードタイトルのブームにおいて歴史的に必然であったのがコピー品や模倣品です。この時代のゲームユーザーにはコナミといえば訴訟と枕詞が続く位には、同社がそれらに対抗するため徹底的に他社に対して訴訟をしかけていたのも有名な話でしょう。そんな音ゲーブームの最中、1999年に韓国で稼働が始まったのが『EZ2DJ』というアーケードタイトルです。人によっては「メリーさんの羊」と言っても伝わる人もいることでしょう。筐体写真提供:AOiRO_Manbow氏5鍵盤+スクラッチ(SC)+フットペダル(FP)+4エフェクトキーの、最大14キー+2SC+2FPで演奏可能であった同作は、専用ハードが殆どであった当時のアーケード機にしては珍しくPCベースで動作しており(当時としては)綺麗な音声データや劣化の少ない画像アニメーションをそのまま再生できたのも特徴です。今でこそアーケードゲームの大半がPCベースであることを考えればかなりの先見の明でしょう。ただし、本作は、その後コナミより特許権を侵害しているとされ提訴。2007年に訴えが認められ敗訴となりました。その後、商標権も差し押さえられたことでゲーム自体『EZ2AC』へと名前が変更に。最終的に、シリーズの一部作品について、メーカーが保有していた筐体の廃棄命令などが裁判所より行われていますが、シリーズ新作の更新は続けられており、2021年現在でも『EZ2AC FINAL:EX』というバージョンとして韓国では稼働しています。しかし、韓国現地のゲームセンターの数自体や状況も芳しくはなく(数年前に筆者が韓国へと訪れた際にはVRゲームセンターやネットカフェの方が目立った位)、既に韓国でもプレイするのは若干難しくなってしまいました。この『EZ2DJ』シリーズ、2019年くらいまでは日本でも一部地域で稼働していたこともありましたが、既に筐体が生産されておらずメンテナンスしかできないことが祟っており、今日では、触れることが出来た人間は本当にラッキーといっても過言ではないほどレアなものとなってしまいました。2021年現在、同シリーズは、日本でアーケードでプレイすることは、一部の隠れたスポットを知っているか、筐体の個人所有でもしていなければほぼ無理でしょう。それでも、本作品は紛れもない韓国における音ゲーの始祖であり、本作を皮切りに海外では『EZ2DJ』から『O2JAM』、そして『DJMAX』や『SUPER BEAT XONIC』、『EZ2DANCER』から『PUMP IT UP』、『In The Groove』と、音ゲーの系譜は未だに脈絡と続いていると言えます。スクラッチのみでプレイするEZ2Catchという通なモードも存在している(筆者撮影)そんな同作ですが、他の音ゲーの例に漏れず、アーケード以外のバージョンが存在していました。スマートフォンバージョンのほか、2007年頃のオンラインゲーム『EZ2ON』などです。しかし、いずれもリージョンロック(韓国のオンラインゲームには現地の国民番号が必須となるため海外からはまずプレイできない)という壁があり、日本ではプレイ不可能だったのが実情でした。同シリーズの近年の展開については、韓国で告知されたものの他、日本でも一部の筐体所有者などから情報は小規模に漏れ伝わってきていましたが、まさに知るはマニアのみという状況。そんな中、シリーズ新作となる『EZ2ON REBOOT : R』がSteamという国際的な巨大プラットフォームで配信されるに至ったのです。当時『EZ2DJ』をプレイするために海を渡った友人を何人も知っているほどの筆者。日本でもようやく本シリーズを正式にプレイ出来る機会が来たとあれば喜びもひとしおです。アーケードとの大きな違い『EZ2DJ』にはRuby MIXと呼ばれる初心者向けのモードから14キーまでをフルに使うSPACE MIX、Catch、TURNTABLEモードなど多種多様なモードが存在していました。しかし『EZ2ON REBOOT : R』のベースとなっているのはあくまで『EZ2ON』で、プレイ可能なのは4Key、5Key、6Key、8Keyの4モードのみ。早期アクセスということもあってか、『EZ2ON REBOOT : R』には、現状では本当にシンプルなメニュー項目だけしかありません。ただし、マウスでの操作にも対応しており、メニューの切り替えや演奏モードの切り替えがキーボードだけでなくマウスでも行えるのは非常に良いところです。反面、譜面数と曲数については、アーケードで稼働していた初代~「7th」から「FINAL」までの楽曲はほぼ収録されており、既存の有名音ゲーとタメを張れるレベルの充実具合。その上、まだ未収録の既存曲の収録交渉も進んでいて、今後も楽曲がアップデートで追加される予定となっています。プレイ方法と演奏感の素晴らしさ一般的な音ゲーの同様のシステムである本作では、音楽に合わせて流れてくるノートを赤い判定ラインに重なる位置で叩くことで正確さに応じて5段階評価が与えられます(上からKOOL-COOL-GOOD-MISS-FAIL)。アーケードの時代と同じく、他の音ゲーシリーズと比べると評価の判定が厳しいのは変わりませんが、キーに対する演奏音の存在や、正確に譜面がプレイされたときに綺麗な楽曲を演奏した気分になれるプレイ感覚へのこだわりもそのまま。全ての曲に対して、キー音(演奏音)があるというのは今の時代でもかなり珍しいことでしょう。低難易度でも十分演奏感のある譜面は揃っているので、慣れない最初の頃は4Keyや各種モードの低難易度譜面から初めて行くのをおすすめします。初代からアニメーションにも力が入っており、全曲全画面のアニメーション(7th以降ムービー)が存在している
一方で本作品の弱点は「初見では曲調がわからない」という点。『DJMAX』シリーズや海外音ゲーに馴染みのある方であればアーティストや曲名でピンとくる曲はありますが、音ゲー初心者にはやや辛い所。「曲だけ聴いても……」「ランダムで選んで探すのは……」というユーザーのために、お勧め曲のプレイ映像を記事の最後に付けておくので参考にしていただければ幸いです。20年の歴史でありミュージアム最近ではレトロスペクティブというと意識の高い言葉になりつつありますが、「昔はこういったゲームがあった」というのは画像や文字だけではどうしても伝えづらい物です。『EZ2ON REBOOT : R』はシリーズ20年の歴史を詰め込んだ一作となっており、シリーズを追ってきたようなマニアにとっては、各個人の、各バージョン、各楽曲、各譜面に刻み込まれた思い出を呼び起こさせてくれます。筆者が初めて稼働している実機に触れたのは「6thTraX」ですが、存在を知ったの自体は16年近くも前。YouTubeも無かったころにインターネットの海にあった動画の「トマットメーン、トマットメーン」を聞かなければ出会うこともなかったでしょう。そんな長い時を超えた思い出もひっくるめて、アーカイブとしてくれた本作はまさにシリーズの歴史のミュージアムといえる一作です。サントラも後期の一部しかあまりにもレアすぎて実盤が既に存在しないため、DLCでもサウンドトラックが配信されることを筆者は期待している開発元、販売元には是非とも期待したい(写真は筆者私物)シリーズを知らなかったユーザーにとっても、長らく日本人には触れることができなかった歴史に触れるのは正に今です。最後に最後に筆者から本作品を遊ぶにあたっての注意とオススメの曲などを紹介いたします。まず注意ですが、音楽ゲームでは画面の同期が命となるため、他のPCゲームと違って「Vsync」を切るのはオススメできません。また、高速度ディスプレイを使用している場合は、自分の応答速度に合わせてフレームレートを制限しないとまともにプレイできなくなってしまうでしょう。映像では、各モードでオススメの曲を演奏しているので参考にしていただければ幸いです。特に上手な演奏ではありませんが、ゲームの感じも知ることができるでしょう。ただし、映像の長さの都合もあるため各モード2曲づつの収録であることはご了承ください。タイトル:EZ2ON REBOOT : R
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年3月17日(Steam版)
記事執筆時の著者プレイ時間:6時間
価格:4480円

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