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東京五輪、海外客断念 「経済効果」を切り捨てた菅政権 そして莫大な借金だけが残る(2)

J-CAST会社ウォッチ

近代五輪で初めて1年延期となった東京五輪・パラリンピックに、「史上初」のレガシーがまた加わった。2021年3月20日、海外からの一般客の受け入れ断念が東京五輪組織委員会、東京都、日本政府、IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)の5者協議で決まったのだ。

インバウンド(訪日外国人客)を起爆剤にして、経済再生を目論んだ菅政権の狙いは頓挫した。

コロナ禍で何とか「中止」だけは避けるため、経済効果を切り捨てた形だが、いったい何のために開くのか――。疑問と怒りの声が渦巻いている。

アスリートは「バブル方式」で隔離

海外からの一般客の受け入れ断念で、競技中に観客の声援がなくなる外国人アスリート。そんなアスリートたちには、「バブル(泡)方式」という隔離対策がとられる予定だ。これは外国人選手やコーチらの行動を、次のように厳重に管理するものだ。

(1)出国の2週間前から「隔離合宿」をする。
(2)2週間待機措置を免除する代わりに「チャーター機」で来日。入国時、出国時にPCR検査。
(3)ホテルに滞在。選手ごとに別フロアに宿泊。滞在中は毎日体温測定や消毒を徹底。外出禁止。
(4)ホテルと競技会場との移動は専用車両を使い、公共機関は禁止。
(5)競技会場からの出場は禁止。立ち入り区域を限定。
(6)日本滞在中は、入国から健康まで一元把握できる専用アプリをダウンロード、行動を管理する。

といった厳しい内容だ。

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もちろん、ホテルからの外出さえ禁止だから「ニッポン観光」など御法度。世界的スポンサー企業のリッチな招待客が、このルールを守ってくれるだろうか。

毎日新聞(3月21日付)「海外客断念 スポンサー招致、安全性担保必要」がスポンサー招待客に固執するIOCの強引さをこう伝える。

「IOCはスポンサー招待客の受け入れを強く求めている。既得権益がからむだめに調整は容易ではない。IOCにとって最上位スポンサーである『トップ』(編集部注:トヨタ、コカ・コーラ、インテル、GE、アリババなど)からの収入は、2013年~16年は10億300万ドル(約1093億円)と全体の2割を占める。IOC委員のセバスチャン・コー氏は『世界が変化し、ワクチン接種が始まっている最中に(スポンサー招待客の受け入れ拒否を)早く決断する必要はない』と発言した。IOC委員の中には海外客の見送りに未練を残す者もいる」

毎日新聞の取材に応じた政府関係者はこう嘆いたのだった。

「スポンサーの招待客は一般の客と一緒で、観光もする。感染拡大につながりかねない」

北海道の民泊業者にも大きな痛手

海外客の断念で、観光業者は大打撃を受けている。新聞各紙が取りあげた声を紹介しよう。

東京都台東区の浅草寺のすぐ脇の旅館「浅草指月」は、和風の客室やお風呂が売りで、コロナ禍前は外国人客であふれていた。経営者の飛田克夫さん(83)はこう肩を落とした。

「もともと日本人が魅力を持つような造りではない。五輪で少しでも原状回復できると思っていたのに…。海外に『日本は危険』という印象を与えてしまう。コロナが収束し、観光客の受け入れが再開した後でも当分戻ってきないかもしれない」=東京新聞(3月21日付)「『海外客』期待絶たれ」

浅草などで人力車ツアーや日本文化体験講座を企画する「時代屋」の藤原秀則代表(65)は、残念がる一方、こう前を向いた。

「最悪、無観客でも開催すればムードが盛り上がるので、国内客向けの企画を考えたい」=同紙
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