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異能の四番打者・阪急の森本潔/週べ回顧1972年編

週刊ベースボールONLINE

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

勝利につながる福本の盗塁



阪急・森本(初出修正)

 今回は『1972年7月24日号』。定価は100円。

 乱セと呼ばれるセ・リーグに対し、阪急が独走のパ・リーグ。
 ただ、西本幸雄監督に「強いですね」と言うと、
「満身創痍や。どこを見て、このチームが強いなんていうんだ」
 と怒鳴られそうだ。
 実際、四番の長池徳二が故障で出遅れ、三番の加藤秀司は不振が続き、こちらもやがて故障でリタイヤ。つまり本来の三、四番不在なのである。

 それでも強い理由の1つが投手陣。特に7月5日時点で12勝の山田久志だ。
 山田は15試合の先発だけでなく、9試合に救援登板とフル回転。セーブ制度があったとしたら6セーブが加わる。

 打線では、何と言っても山田、加藤と同期入団の一番打者・福本豊だ。メジャー記録104盗塁を超えるペースで走りまくっている。
 ほぼ1試合に1つのペースだから、福本の盗塁見たさに球場に来るファンも多く、ホームランを打つと味方の観客席からため息がもれ、迎えるナインも「ホームランなんか打つな。損したやないか」と冷やかしていた。
 7月5日現在で40勝の阪急だが、1点差勝利が11あり、この11勝にはすべて福本の盗塁、得点が絡んでいるという。

 もう一人、異能の四番も話題になっていた。
 森本潔である。激しい性格の一方で、なげやりな面もある選手で、時々、ちゃらんぽらんなプレーで、立大の先輩である西本監督を怒らせていた選手だ。
 しかし、森本は四番として、その二面性をうまく使っていた。
「どうせワシなんか3割をコンスタントに打つことないし、首位打者なんて狙えない。四番だろうが、九番だろうが、ワシのバッティングしかできない」
 と話し、性格的に全試合全打席に緊張を持続することができないことを分かったうえで、塁上に走者がいるときだけ必死になり、打点はリーグ4位につけていた。

 ちなみにこの号、千葉功さん(当時無署名)の「記録の手帖」のテーマが「救援投手を評価しよう」。メジャーではすでにセーブ制度が導入されており、本来なら日本球界が採用してもおかしくなかったのだが、日米の勝利投手の決定方法に差があり、しかも現在のセーブ制度にあいまいな意義があるとして採用を見送っていたという。
 ちなみに制度があったと仮定しての7月5日時点でのセーブのトップはセが中日・星野仙一の7、パが8の佐藤道郎だ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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