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【背番号物語】ソフトバンク「#14」鷹の“最速”韋駄天ナンバーはリリーフエースの“元祖”。2021年は欠番

週刊ベースボールONLINE

大阪と福岡のリリーフエース



長年、ホークスの「14」を背負い守護神として活躍した馬原

 2020年に50盗塁で盗塁王に輝いたソフトバンクの周東佑京が背負う「23」については紹介したばかりだが、ホークスの歴史を南海にまでさかのぼると、1リーグ時代から2リーグ制となってからの黄金時代にかけては、球界きっての韋駄天がダイヤモンドを駆け回っていた。もちろん「23」も韋駄天の系譜ではあるが、シーズン盗塁では他の背番号に軍配が上がる。

 最多は2リーグ制“元年”の1950年に木塚忠助が決めた78盗塁。のちに阪急(現在のオリックス)の河野旭輝、福本豊が次々に更新したものの、このときはプロ野球の頂点に輝く数字だった。その木塚が背負っていたのは「14」。2021年から阪神でプレーする加治屋蓮がドラフト1位で入団した14年から背負っていたナンバーで、他のチームでも投手が着けることが多いこともあり、ソフトバンクでも投手の印象が強い背番号だ。

 加治屋は5年目の18年にリーグ最多の72試合に投げまくり、31ホールドをマークした右のセットアッパー。13年シーズン途中に入団して閉幕まで着けた左腕のオセゲラを挟み、12年まで背負っていたのもリリーフエースの馬原孝浩だ。馬原はダイエーのラストイヤーとなった04年に入団すると、チームがソフトバンクとなった翌05年からクローザーに定着。07年には自己最多の38セーブでセーブ王となっている。ただ、この「14」の系譜では、九州ホークスのリリーフエースとしての元祖は馬原といえるが、長いホークスの歴史にあっては、馬原が第1号ではない。“最速”の韋駄天ナンバーともいえる「14」は、由緒あるリリーフエースの系譜でもある。


パ・リーグ初代セーブ王に輝いた佐藤

 ドラフト1位で1970年に入団、いきなりリーグ最多の55試合に登板して規定投球回にも到達、防御率2.05で最優秀防御率、新人王にも輝いた佐藤道郎が背負っていたのが「14」。南海では当時の野村克也監督から「リリーフに革命を起こそう」と言われて転向を決意して77年にリリーフエースとして再生した江夏豊の逸話が有名だが、すでに“革命”は起きていたのだ。

 ただ、セーブ制度が始まったのは74年からで、佐藤の1年目だけでなく、南海にとって最後のリーグ優勝となった73年にもリーグ最多の60試合に投げているが、ともにセーブの数字は残っていない。それでも74年には13セーブでパ・リーグ初代セーブ王、さらに防御率1.91で2度目の最優秀防御率、76年にも16セーブでセーブ王となり、先発に回った翌77年には12勝。佐藤は79年に移籍した大洋(現在のDeNA)でも「14」を背負い、80年までプレーを続けた。

盗塁刺わずか8



「14」を着けてダイエー初の優勝に貢献した若田部

 佐藤の後は79年から田村政雄、82年から金城信夫と右腕が続いたが、1年の欠番を挟んで85年に入団した内野手の湯上谷宏が後継者となり、南海ラストイヤーの88年には内野と外野を兼ねた新人の若井基安が継承。ふたたび野手のリレーとなったが、ドラフト1位で92年に入団した右腕の若田部健一が新たに「14」を背負うことに。系譜では貴重なスターターの若田部は1年目から10勝、ダイエー初優勝の99年にも10勝を挙げて貢献。これで「14」に投手のイメージが定着して、若田部の移籍によって1年の欠番を経て後継者となったのが馬原だった。

 ただ、ホークス以前のチームでは野手の系譜だった。一軍の試合に「14」が初めて登場したのは40年、2代目の末崎隆行(正隆)によって。その後は安井健太郎、増田敏と野手のリレーとなったが、増田は戦没、46年にプロ野球が再開されると、ふたたび「14」は安井が背負う。ただ、安井は1年で阪急へ移籍。以降、1リーグ時代は欠番が続いた。

 2リーグ制を迎えた50年に「3」から変更したのがプロ3年目の木塚だ。49年も59盗塁で盗塁王となっていた木塚の快走は「14」でも変わらず、52年まで4年連続で盗塁王に。特筆すべきは成功率。78盗塁の50年は盗塁刺8のみで、盗塁成功率.907は驚異的だ。“バカ肩”とも言われた強肩と「木塚の後に木塚なし」と評された遊撃守備も伝説的。“100万ドルの内野陣”の要として黄金時代に貢献した。木塚は57年に移籍した近鉄でも「14」を背負い、59年までプレーしている。

【ソフトバンク】主な背番号14の選手
木塚忠助(1950~56)
佐藤道郎(1970~78)
若田部健一(1992~2002)
馬原孝浩(2004~12)
加治屋蓮(2014~20)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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