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【背番号物語】巨人「#18」エースナンバーの元祖に並ぶ豪華な面々。通算最多勝エースは?

週刊ベースボールONLINE

エースの継承



86年から06年まで巨人で背番号「18」を着けた桑田

 2019年に満を持して菅野智之が背負った巨人の「18」。プロ野球のエースナンバーとして語られることが多い「18」だが、もともとは巨人でエースナンバーとして明確に意識され、継承が繰り返されたことによって、その印象が他のチームへと普及していったものだ。プロ野球の創設に向けては全国を縦断して各地で参加を呼びかけ、プロ野球が始まってからは球界を牽引し続けた“盟主”の面目躍如といったところだろう。

 巨人では早くから10番台の背番号を投手が着ける傾向が根づいていたが、そんな投手ナンバーのうち、沢村栄治の「14」、投手として入団した川上哲治の「16」、つまり永久欠番を除いて、着けた歴代の選手が圧倒的に少ないのが「18」だ。それでも、まさに少数精鋭。元祖エースナンバーの系譜と呼ぶにふさわしい豪華な顔ぶれが並ぶ。ただ、巨人の「18」がエースナンバーとしての地位を確立してからの時間は、巨人の長い歴史に比べれば、かなり短い。

【巨人】主な背番号18の選手
中尾碩志(1939~42、46~57)
藤田元司(1958~66)
堀内恒夫(1967~84)
桑田真澄(1986~2006)
杉内俊哉(2012~18)
菅野智之(2019~)


生え抜き以外で巨人で背番号「18」を着けたのは杉内が初めてだった

 菅野の前に着けていたのがソフトバンクから移籍してきた杉内俊哉。生え抜きではない投手が着けたのは初めてのことで、これに違和感を覚えた古いファンもいたというが、終盤は故障に苦しんだものの、移籍1年目には12勝、リーグトップの172奪三振、勝率.750をマークして、3年ぶりのリーグ優勝に貢献している。

 ただ、21世紀に入ってからは系譜が迷走している印象があるも確かだ。杉内の前任は、この21年にコーチとして復帰し、15年ぶりに巨人のユニフォームを着た桑田真澄で、桑田がメジャーに挑戦するため退団から杉内が背負うまで5年間の空白がある。巨人の「18」では異例のことだ。ただ、見方を変えれば、ほぼ断続なく系譜が続いていることこそ、エースナンバーの証明なのかもしれない。エースナンバーとしてのエポックは、やはり藤田元司から堀内恒夫へのリレーだろう。

源流にいる“二刀流”は球界の功労者



「18」を着けてV9時代の巨人のエースとして奮闘した堀内

 プロ2年目の1958年に「21」から変更し、美しい投球フォームで2年連続MVPに輝きながらも日本一には届かず、故障が続いてV9が始まった65年オフに現役を引退した“悲運のエース”藤田。これを受けて、やはりプロ2年目に「21」から変更して後継者となったのが“V9のエース”堀内だった。王貞治、長嶋茂雄の“ON砲”をバックにエースとして活躍した堀内は72年にV9期間中では“ON”以外で唯一のMVPに。84年までプレーした堀内は、通算203勝を残して引退。欠番を挟んで、86年に継承したのが桑田だ。1年目から「18」の桑田も真価を発揮し始めたのは2年目。94年にはMVPに輝いたが、巨人の「18」で新人王になった投手が皆無なのも、この系譜の隠れた特徴だろう。


巨人の背番号「18」での最も勝利を挙げているのは中尾だ

 右腕エースの印象が強い巨人の「18」だが、通算の最多勝は1リーグ時代から50年代の黄金期にかけて背負い続けた左腕の中尾輝三(碩志)が残したのは209勝だ。1リーグ時代のプロ野球には「左腕はノーコン」という“定説”があったが、これは荒れ気味の快速球が持ち味だった中尾から始まったともいわれる。ちなみに、中尾は兵役を経て46年シーズン途中に復帰して「18」にも戻ったが、この46年の開幕から中尾の復帰までは中日や日本ハムの監督としても知られる近藤貞雄が着けていた。もちろん近藤も投手だ。

 ただ、プロ野球よりも長い歴史のある巨人の難しいところで、巨人の「18」としての通算最多勝は中尾になるが、巨人の「18」経験者での最多勝となると、前身の大日本東京野球倶楽部で「18」だったスタルヒンの303勝になる。とはいえ、巨人の「18」としてスタルヒンがペナントレースで挙げた勝ち星は皆無だ。

 プロ野球の幕が開けた36年から「18」を背負った“初代”は前川八郎。36年にエースの沢村と両輪で活躍したのはスタルヒンではなく、投手と内野手の“二刀流”でもある前川だった。38年いっぱいで引退して滝川中の教諭に転じ、のちに巨人で活躍する長距離砲の青田昇や通算310勝の別所昭(毅彦)を育てた球界の功労者で、戦後は46年に阪急(現在のオリックス)で1年だけプレーしている。

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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