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古田敦也や阿部慎之助だけじゃない、バットでも貢献した打てる捕手たち

週刊ベースボールONLINE

 現役の「打てる捕手」といえば、やはり2019年に首位打者になった西武・森友哉だろう。「捕手での首位打者獲得」は、野村克也、古田敦也、阿部慎之助に続く史上4人目の快挙だった。森以外となるとここまで傑出した存在は現役ではいないが、過去には首位打者や最多本塁打のタイトルは獲得できなかったものの、バットで魅せた捕手は数多くいた。今回は、1990年代、2000年代に活躍した「打てる捕手」を紹介する。

守備だけでなくバットでも魅せた名捕手



巨人・村田真一

 1990年代は、打率はそこそこだがここ一番で一発が期待できる「パンチ力のある捕手」が少なくなかった。例えば、巨人の正捕手だった村田真一だ。1990年にスタメンマスクの座をつかむと、この年は13本塁打をマーク。翌1991年は前年を超える17本塁打を放った。1994年、1995年にも2ケタ本塁打を記録し、出場機会を得たシーズンはコンスタントに結果を残している。相手チームから警戒される攻守の要であった。


中日・中村武志

 また、中日の正捕手だった中村武司も捕手ながら強打が魅力の選手だった。肩の良さを買われて中尾孝義の後任として正捕手になった中村は、1991年に20本塁打を記録。当時の中日打線は落合博満、宇野勝、大豊泰昭と強打者が並んでいたが、一発が怖い中村が下位にいることで「どこからでも点が取れる」という脅威の打線だった。この年、特に印象深いのが7月の巨人戦。中村は同点満塁弾とサヨナラの2本を放つ活躍を見せ、チームは最大8点差をひっくり返した。


ダイエー・吉永幸一郎

 ダイエーの吉永幸一郎も打てる捕手の一人だった。初めて一軍に昇格した1990年に規定打席未到達ながら打率.311、7本塁打と活躍。正捕手になってからは、1992年が11本塁打、翌1993年が12本塁打、さらに1994年は19本塁打と年々自己記録を更新し続けた。打率も毎シーズン3割近い成績(1992年.290、1993年.291、1994年.284)を残しており、バットコントロール技術も優れていた。その後はヒザを負傷して一塁やDHで起用されるようになったが、以降も勝負強いバッティングでチームに貢献した。


ダイエー・城島健司

 ヒザの負傷により吉永は捕手としてプレーするのが難しくなったが、代わりに台頭したのが城島健司だった。もともと高い打撃力を持っていた城島は、一軍に定着した1997年にいきなり打率.308、15本塁打を記録すると、そこから3年連続2ケタ本塁打をマーク。右手の骨折から復帰した2001年は31本、翌2002年は25本の本塁打を放った。圧巻だったのは全試合に出場した2003年で、打率.330、34本塁打と驚異的な数字を記録。打撃タイトルには届かなかったが、MVPに選出されている。

生え抜き捕手のチーム記録を持つ選手も



中日・谷繫元信

 捕手としてNPB最多の2963試合に出場した谷繁元信は、「通算5度の打率最下位」という日本記録を持っているが、ここぞといい場面での一発が怖い捕手であった。安定して出場機会を得られるようになった1996年は打率3割をマークしたが、以降は3割に到達することはできず。代わりに長打力を発揮するようになり、たびたび2ケタ本塁打を記録した。特に中日に移籍した2002年は、打率は.215と低迷したが本塁打は24本と自己最多記録を更新。78打点とチャンスにも強かった。


広島・西山秀二

 本塁打ではなく打率で見た場合は、広島でプレーした西山秀二も外せない存在だ。1993年に広島の正捕手となった西山は、初の規定打席に到達した翌1994年に打率.284と活躍。1996年には捕手としてチームを支えながらも安打を量産。最終的にリーグ8位となる打率.314をマークした。広島の選手で初の「規定打席到達での3割打者」となり、これは現在でも西山のみという偉大な記録となった。その後はケガの影響で精彩を欠くシーズンが増えたが、1996年の活躍は首位打者になっていてもおかしくはなかった。


阪神・矢野輝弘

 2000年代の阪神を支えた矢野輝弘も巧打が光る捕手だった。1998年に中日から阪神に移籍した矢野は、初めて規定打席に到達した1999年に自身初の3割をマーク。18年ぶりのリーグ優勝を果たした2003年には、自己最高となる打率.328を記録し、チームメートの今岡誠と首位打者を争った。この年は本塁打も14本放っており、ここから2006年まで4年連続で2ケタ本塁打と一発も脅威だった。

 2000年代は巨人の阿部慎之助の活躍が目立ったが、ロッテの里崎智也や、ソフトバンクの田上秀則もバットで魅せた選手。特に里崎は長打力のある安定したバッティングが魅力で、2005年に正捕手に定着してから6年連続で2ケタ本塁打を記録。通算108本塁打は、ロッテの生え抜き捕手としては歴代最多となっている。田上は2009年に正捕手の座をつかみ取り、この年はシーズン26本塁打と活躍。26本目は球団通算7500本目という節目の1本でもあった。残念ながらその後は故障により低迷してしまったが、順調ならばパ・リーグを代表する捕手になっていた可能性もあった。

 1990年代、2000年代に活躍した「打てる捕手」を紹介した。現在は西武も森以外では広島の會澤翼などが打撃面でも期待できる捕手に挙げられるが、目立った活躍ができていない。プロ野球をさらに盛り上がるためにも、新たな打てる捕手の台頭に期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM

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