一方、専業主婦として生きていく選択をすれば、“3高(=高学歴、高収入、高身長)”を備えるような、競争率の高い男性に見初められるために、女性らしさ、かわいらしさを追求することになる。
そのために“聖子ちゃんカット”や、後のダブル浅野のワンレン、ソバージュをマネするのだが、どんなに頑張っても限界がある。
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「けっきょくは“見た目”のいい人が、なんの苦労もなく、ブランドものをプレゼントされ、高級レストランに連れて行ってもらえる現実に直面します。そんな“美人ばかり、ずるい!”という、大多数の女性が思っていても、なかなか口に出せない妬みやそねみを、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』では軽妙なタッチで代弁してくれているから、多くの共感を得られたのでしょう」
決して美人とはいえず、スタイルもよくないことを自覚したうえで、当時の林真理子さんは、男性に好まれる下着はどんなものがいいのかを考察したり、ブランドものを手に入れるためにバーゲンに出かけたり、と奔走している。
「恋愛やオシャレに必要な女性らしさ、かわいらしさを諦めず、でも仕事も充実している。そんな姿に勇気づけられた女性は多いはず。タイプは違うけれども、その野心、貪欲さは松田聖子さんと共通するのではないでしょうか」
現代女性の礎を築いたのは、林真理子さんなのかもしれない。
「女性自身」2021年2月16日号 掲載