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日本ラグビーを強くした㊙️メンタル必勝法

パラサポWEB

2019年、日本はラグビーに沸いた。それはラグビー・ワールドカップが日本で開催されただけではなく、日本チームが史上初のベスト8入りを果たしたことも人々の興奮を盛り上げた大きな要因である。ところで、そんな日本チームの強さの芽はすでに4年前の2015年にも見られていた。エディー・ジョーンズヘッドコーチ(当時)の依頼でチームのメンタルコーチに就任したスポーツ心理学者の荒木香織氏は、選手達を心理面からサポートし、その活躍に大きな貢献をした。そんな荒木氏に「勝つ」ためのメンタルの鍛え方について伺う。

勝てないのは“大義”がないから

スポーツ心理学者。大学での教育・研究活動のほか、最新の科学的知見を取り入れたメンタルのトレーニングプログラムやセミナーを、アスリートやアーティスト、そしてビジネスパーソン等に提供している

荒木香織氏は、自身も中・高・大学・社会人と陸上競技選手として活躍。地域ではトップクラスの選手だったが、大きな大会になるとなかなか結果が出せなかったのだという。その後、高校の教師の職を経て、アメリカに留学。「スポーツ心理学」に出会う。その成果は前述のラグビー日本代表チームの活躍が示すとおりだ。

「強い選手、チームはもともとメンタルが強いと思われがちですが、そんなことはありません。メンタルは鍛えられるもの、つまりスキルなんです。私も、アスリート時代に、メンタルの鍛え方を知っていたら、もっといい結果を出せたかも知れない。でも、どうしてもスポーツの現場では、フィジカルなところにばかり目がいって、メンタルのことは軽視しがち。目に見えないものにはお金を使うという習慣が日本にはないからかもしれませんが」(荒木香織氏。以下同)

荒木氏はまず結果をだすために一番重要なのは「目標」だと言う。でも、目標なら、誰だって持っていると思う人は多いだろう。次の大会で勝つ、何が何でも相手を倒す、などなど。しかし、実はそれは監督やコーチに言われたことであったり、チーム全体の目標であったりして、本当の自身の心の底から湧き出た目標ではないのではないか。

「結局、現状を知ることからしか、何も始まらないんです。周囲に何を言われようが、自分が本当にしたいのは何なのかを知る必要があります。そのためには自分自身を知らなければいけないし、なぜそれを目指すのか、きちんと考えなければいけない。そして自分が本当に目指したいこと“大義”を見つけることが大事なんです。そこが欠落していると、目指すところがブレてしまい、結局コーチの言ったとおりにやったけど目標達成できませんでしたで終わってしまうんですよ」

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“大義”とは、スポーツのシーンでは使いそうにない言葉だが、選手に目標設定の重要さを説明する際に、なかなか伝わらない。どうしたら本物の目標を掲げてくれるんだろうと思ったときに浮かんだ言葉なのだという。

「パフォーマンスを上げるのは、まず“大義”を据えること。夢と言ってもいいんですが、夢だと達成できないイメージですよね? 大義はある程度、達成する可能性の高いものの方が良いので、自分がそこに到達できそうだと想像できるものを設定すると良いです」

“考えること” がメンタルを鍛えるスキル

大義を据えることができたら、次はどのようにそこにアプローチすればいいのかを考える必要がある。

「スポーツ界は、ただ、がむしゃらに頑張れ頑張れと言う傾向がありますよね。もちろんみんな頑張っているんです。これ以上頑張れないという人もいるでしょう。それは目標やそこへの道筋が大雑把だからなんです。自分は現在どういう状況にいるのか、できないことは何で、何ができているのか。自分の長所、持ち味などを知って、どういうアプローチの方法があるのか。それらをすべて“見える化”する必要があります。そのためには、自分の記録を付けることも重要ですね」

アスリートは練習日誌のようなものを付けていることが多い。どんな練習をどのぐらいしたか、食事の内容や体重などを記録するのが通常だが、それだけでは自分を知ることはできず、目標達成にはどんなアプローチが自分には適しているのかがわからないのだ。

「今日は誰と何を喋ったか、こうしたときに勇気が出た、不安がなくなった…というようなことも記録しておくんです。そうすると、どういったときに自分のパフォーマンスがうまくいった、こうするとダメだったということがわかると思います。そこで、じゃあ明日自分は何をすべきかがわかってくる。そうやって目標を見える化して細分化すれば、ただ漠然と練習しているんじゃなくて、何のための練習かがわかってくるので、より目標達成に近づくというわけです」

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