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非光合成細菌にも体内時計があることが判明(ドイツ研究)

カラパイア

非光合成細菌にも体内時計
非光合成細菌にも体内時計/iStock

 体内時計(概日リズム)と呼ばれる仕組みは、眠りや代謝、さらには認知機能まで、事実上ありとあらゆる体内のプロセスを調整している。

 そうしたほぼ24~25時間のリズムは、なにも人間だけのことではなく、動物や植物、あるいは菌類でも確認されている。

 さらに光からエネルギーを作ることができる「光合成細菌」と呼ばれる細菌でも、体内時計の存在が実証されてきた。一方で光合成を行わない一般的な細菌についても同じことが言えるのか不明だった。

 ところがこのほど、独ミュンヘン大学の研究グループが、非光合成細菌にも体内時計があることを発見したそうだ。

枯草菌に体内時計を発見


 今回、体内時計が備わっていることが判明したのは、「枯草菌」という土の中や動物のお腹の中に潜む細菌だ。

 枯草菌が光合成をすることはないが、光受容体があり光を感じることはできる。またその遺伝子の活動や生体膜の形成プロセスが、光や気温といった環境のサインに応じて、周期的に変化しているらしいことも知られていた。

 このことを詳しく調べるために、研究グループは12時間ごとに照明を点灯・消灯して昼夜を再現し、枯草菌内部の遺伝子の活動を観察した。

 すると照明が消えているときには青色光受容体の情報が記録された「ytvA遺伝子」の発現が増え、点灯しているときには減ることが分かったとのこと。

 研究グループによれば、体内時計が刻まれていることを示すサインであるという。

 一方、ずっと暗がりに置いた場合でも、そうしたサイクルが完全に失くなることはなかった。しかし、それが長く続くと、24時間で繰り返されていたサイクルがズレてくるそうだ。

枯草菌
枯草菌 image by:GFDL-self / WIKI commons

光だけでなく温度にも反応


 もう1つの実験では、今度は定期的に温度を変化させて、遺伝子の発現を観察してみた。

 そしてこちらでもやはり、温度の変化に応じてytvA遺伝子の発現が変化すること、温度が変化しなくてもそうしたサイクルがしばらくは続くことが確認されたとのこと。

 研究グループはこれらの結果を踏まえて、枯草菌には体内時計と、環境のサインに応じて調節する機能(同調因子サイクル)があると結論づけている。

枯草菌
枯草菌 image by:Akos Kovacs/DTU

非光合成細菌では初


 光合成を行わない細菌で体内時計が確認されたのは初めてであるそうだ。この実験は枯草菌だけを対象としたものだが、地球上の生物のおよそ15%を占める細菌全体について、示唆に富む結果であるとのことだ。

 なお人間の場合、”メイン時計”のようなものが備わっており、それが体のリズムを刻んでいるらしいことが示唆されているが、枯草菌でも同じかどうかは今のところ不明だ。

 1つの体内時計が光や温度に反応している可能性もあるが、これまで単細胞生物や多細胞生物で観察されてきたように、複数の時計が同時に針を刻んでいる可能性もあるようだ。

 枯草菌は人間にとっては便利な細菌で、洗剤の生産や作物の保護など、さまざまな分野で応用されている。彼らにもっと効率的に働いてもらうために、そのうち細菌用の目覚まし時計が用意されるなんてこともあるかもしれない。

 この研究は『Science Advances』(1月8日付)に掲載された。

References:Bacteria can tell the time | John Innes Centre/ written by hiroching / edited by parumo

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