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貝じゃない!味はカニ!『あつまれ どうぶつの森』の海の幸「フジツボ」って何者?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

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貝じゃない!味はカニ!『あつまれ どうぶつの森』の海の幸「フジツボ」って何者?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!</B>
『あつまれ どうぶつの森(※以下、あつ森)」では素潜りでさまざまな「海の幸」を採集することができます。

海の幸と聞くと、一般的には食材として役立つ水産物を想像するところです。もちろんカニやタコ、牡蠣なども採れるのですが、たとえばメンダコ、カイロウドウケツといった「え、それ食えるの…?」な生物も海の幸として扱われていて面食らうことしばしばです。

そういう意味ではこの生物も多数のプレイヤーがツッコミを入れたのではないでしょうか。


フジツボ!!
岩場や船底、テトラポッドなんかにくっついている、富士山みたいなアレですね。

「あんな貝なんて食べられるわけないでしょー!」と思ってしまいがちですが、我らがフータさんはこうおっしゃっております。


エビやカニの仲間……?
味…カニ風味……。

そうです。実はフジツボはあんなナリをしていますが、エビやカニと同じくれっきとした甲殻類なのです。そして、なんと大型種は食用にもなります。


どう見ても貝じゃないか!エビやカニの仲間なら脚はどうした!
という声が聞こえてきそうですが、幼生(赤ちゃん)の頃は節のある脚をたくさん生やした、いかにもエビカニでございという姿で海中を漂っています。

それがやがて岸壁や岩肌に取りつき、殻を形成して固着生活へとシフトしていくのです。
固着生活中は満潮時に海中で「蔓脚(まんきゃく)」という器官を伸ばしてプランクトンをからめとるように捕まえて食します。

▲ちなみに、潮の満ち引きを再現してあげないといけないので、ご家庭での飼育は簡単ではないそうです。
東北の一部では茹でて食べる!
なお食用になるという件ですが、秋田や青森など東北の一部地域では古くからある種の珍味として親しまれており、主にお酒のつまみ的なポジションを確立しています。

▲秋田県の市場で販売されていたフジツボ(ミネフジツボ)。青森産と書かれています。
東北で食用とされるのは「ミネフジツボ」なる大型種で、なかなかの高級品。
最近は養殖も盛んで入荷が安定してきているようですが、それでも小売価格は100グラムあたり300円前後。一粒あたりで言えば100円近くしますから、下手なエビやカニに負けないご馳走と言えそうです。

▲サイズはこんな感じ。たしかにその辺の磯や漁港で見かけるフジツボと比べるとかなり大きいです。
食べ方としては基本的にシンプルな塩茹でで賞味されます。
茹で上がったら器に引き上げ、熱いうちに指で中身をつまみ出してチュッチュとしゃぶるように身の部分を食べるのですが、これがまた美味いんです。

▲茹でたフジツボの中身。これが美味いんです!
味わいはフータさんの説明にもあったようにカニによく似ています。そこにほんのりと磯の香りが加わり、なかなかどうしてオツなものなのです。
殻の中に溜まったダシも旨味に富んでいます。味噌汁なんかにしてもおいしいでしょう
あ、『あつ森』みたいに潜ってもガッチリ固着してるから採れませんので注意しましょう!漁業権の問題もあるし。食べ歩きでもしながら市場で探すのが一番です。

『あつ森』博物誌バックナンバー

■著者紹介:平坂寛
Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。
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