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【背番号物語】近鉄「#19」チーム消滅とともに役割を終えたセーブ王の背番号。初代は元祖二刀流

週刊ベースボールONLINE

最優秀救援5度のクローザー



背番号を「19」に変更した92年から一気に頭角を現した赤堀

 2004年を最後に、その歴史に幕を下ろした近鉄。バファローズの愛称だけはオリックスに受け継がれたが、近鉄ファンならずとも、長く親しんだ近鉄が歴史に消えるということに寂しさを覚えた人は多かっただろう。そんな近鉄とともに、選手としてのキャリアを終えた右腕がいた。赤堀元之。1990年代はクローザーとしてチームを支え、最優秀救援投手5度は横浜(現在のDeNA)の“大魔神”佐々木主浩と並んでプロ野球の最多に並ぶ。本拠地の大阪ドームでの最終戦が“引退試合”で、ナインが作った花道を通ってマウンドへ送り出されたが、「まだ現役を続けるつもりだったんで、これは違うぞ、と(笑)」(赤堀)。だが、オリックス・バファローズの監督に、近鉄とオリックスで指揮を執った経験がある仰木彬が就任することになり、その仰木からコーチへの就任を要請されたことで引退を決めた。

 その背中にあったのが「19」。プロ4年目の92年に「40」から変更して、いきなりリーグ最多の50試合に投げまくって11勝22セーブ、32セーブポイントで初の最優秀救援投手に輝いただけでなく、既定投球回にも到達して防御率1.80で最優秀防御率のタイトルも獲得した。以降3年連続で最優秀救援投手、94年には21試合連続セーブポイントもマークし、96年にはプロ野球で最年少の26歳と55日で通算100セーブに到達。96年からも2年連続で最優秀救援投手に。外角への速球と2種類のスライダーを駆使して、抑えてもガッツポーズをすることもなく、「当たり前のようにマウンドを降りるのが好き」(赤堀)だったという。

 そんな赤堀の背中で役割を終えた近鉄の「19」は、近鉄の歴史で着けた選手の数は多くない。言い換えれば、1人の選手が背負っていた期間が長かったということだ。欠番だった時期は2年間のみ。赤堀は7代目となる。一般的に「19」は投手のナンバーで、その傾向は近鉄の歴史が始まったときには定着していたが、投手と打者が入り混じっているところも近鉄の「19」らしい特徴だろう。

 赤堀の前任者、6代目の尾上旭は強打の遊撃手としてドラフト1位で82年に中日へ入団した内野手で、近鉄へ移籍してきて「2」から「19」となったが、最初の背番号は、やはり投手ナンバーの印象が強い「14」だった。近鉄で「19」だったのは4年間で、その引退で「19」は赤堀に継承されることになる。その前の5代目が最短の1年間で、87年だけ着けた山本雅夫。南海(現在のソフトバンク)で“左キラー”として活躍した右打者だが、近鉄の「19」は自身5個目の背番号で、これがプロ16年目のラストイヤーとなった。その前の4代目は対照的に15年もの長きにわたって背負い続けた右腕だ。

最長タイ15年間で65勝、1089安打



近鉄で最初に背番号「19」を着けたのは関根だった

 2ケタ勝利に到達したことは1度もないが、一貫して「19」でチームを支えたのが橘健治。近鉄の初優勝は79年で、ペナントレースでは3試合のみだったが、広島との日本シリーズには登板して、翌80年には初めて規定投球回に到達、自己最多の8勝でリーグ連覇に貢献して、やはり広島の日本シリーズでマウンドを踏んでいる。通算では173試合に登板。目立たずともチームに不可欠な存在だった。

 3代目も中日から移籍してきた打者の伊藤竜彦で、移籍1年目の71年に着けたのみの最短タイ。2代目は春夏連覇を達成した甲子園のエースで、1年目の67年から背負った右腕の加藤英夫だったが、伊藤が移籍してきた71年に「49」となっている。加藤の前、2年間が空白だ。

「19」の初代は橘と並ぶ最長タイの15年間で、投手でもあり、打者でもあった関根潤三。大洋(現在のDeNA)やヤクルトの監督としても知られるが、選手として近鉄の創設に投手として参加したプロ野球のレジェンドでもある。まだ近鉄の愛称がパールスで、「3点を取られたら絶対に勝てなかった」(関根)時代に、左腕エースとして通算65勝。外野手に転向したのは57年で、バファロー、そしてバファローズとなった近鉄で“ピストル打線”の中軸を担って、近鉄だけで通算1089安打を放った。関根は65年に巨人へ移籍してからも「19」でV9の幕開けに貢献して、1年で引退。選手としては16年間、一貫して「19」を背負い続けている。

【近鉄】主な背番号19の選手
関根潤三(1950~64)
橘健治(1972~1986)
赤堀元之(1992~2004)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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