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新型コロナでもやっぱり保険はいらない!社会保障のプロが断言

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写真・アフロ

 

 我々の生活を一変させた新型コロナウイルス。その影響は、「保険」にも及んでいる。急伸したのが「ネット保険」だ。その代表格であるライフネット生命は、2020年度の第2四半期の新契約件数が前年同期比135.9%となり、株価はコロナ禍以前から2倍以上伸びた。

 

 その一方で、「生命保険全体では、解約は急増している」という報道があった。

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「コロナ禍による不安から保険への注目度が高まり、緊急事態宣言が出された時期を中心に、通販型で加入できる共済も契約数が増えました。外出自粛で、保障内容を見直した人が多かったのでしょう」

 

 そう説明するのは、ファイナンシャルプランナーで社会福祉士でもある清水香氏。まずは新型コロナに関わる保険について、基本的なことを知っておこう。自分や家族が感染した場合、保険金は支払われるのか。

 

 民間医療保険は、新型コロナウイルス感染症も含め、疫病の治療目的の入院が、疾病入院給付金の支払い対象となる。軽症または無症状でホテル療養あるいは自宅療養した場合でも、医師作成の証明書を提出すれば、支払いの対象となることが多い。

 

 また、ホテルでの隔離や自宅待機となり、後に検査結果が陰性だった場合も、給付金が支払われることがある。では、新型コロナウイルス感染症が原因で死亡した場合はどうか。

 

 死亡保険金を受け取れるのは当然だが、それにプラスされる「災害死亡保険金」の支払い対象とする生保会社も多い。また、最近は「新型コロナで入院したら10万円」などという保険も登場している。やはり保険があれば安心、なのか。だが、その考えは誤りだと清水氏は断言する。

 

「そもそも、新型コロナの治療に自己負担はいりません。指定感染症なので、医療費はすべて公費でまかなわれます。感染して仕事を休んだ場合、健康保険や共済組合の傷病手当金を受け取れます。

 

 まずは、こうした公的な支えがあることを踏まえたうえで保険の必要性を検討すべきです。保険に入ったからといって、感染しなくなるわけではないのです」

 

 じつは、清水氏の長男(大学生)が2020年4月に発熱し、新型コロナへの感染が疑われ、隔離入院となったのだという。

 

「結果は陰性でしたが、3泊4日で約6万円の医療費を払いました。仮に民間保険に加入していれば、入院給付金が日額1万円として、3万円の給付を受けられました。

 

 しかし、この保障額の医療保険で平均的な保険料3000円を毎月払うことを考えれば、そこまで助かる感じもしない。6万円の出費は痛いですが、使途に縛られない貯蓄で備えたほうが効率的です」

 

年収約370万~770万円で70歳未満の人の例。総医療費が70万円だったとすると、窓口で支払うのは3割の21万円で、自己負担限度額が8万4430円なので、12万5570円が払い戻される

 

 新型コロナのために医療保険に加入することは「不要」だと、清水氏は強調する。

 

「日本には『国民皆保険制度』があり、誰もが公的医療保険に加入しています。現役世代なら原則、医療費の3割負担。しかも、『高額療養費制度』があるので、入院や手術で医療費が高くなっても、自己負担は月に約8万円ですむのです(上の図参照)。

 

 3割負担後に還付を受けられるのは3~4カ月後ですが、加入している公的医療保険から『限度額適用認定証』をあらかじめ取り寄せて病院に提出しておけば、自己負担はひと月の限度額内ですみ、還付手続きも不要です。

 

 コロナ禍で収入が減った世帯は多く、政府は特別定額給付金や事業者向けの持続化給付金などの対策を講じましたが、必要な支援が行き届いているとはいえません。そんななかで優先すべきは、支出を見直し、当座を乗り切れる手元資金を厚くすることです」

 

 

 日本での生命保険(個人年金保険含む)の世帯加入率は88.7%ときわめて高い。年間に支払う保険料は平均で38.2万円にのぼり(※)、教育費や住宅ローンなど家計負担が重い40代~50代の保険料支払額が最大となっている。

 

「いまの時代に年間38万円の負担はあまりに大きい。9割の世帯が生命保険に加入し、保険に入るのは当然と考える人が多い我が国ですが、もはやその考えは捨ててください。

 

 かつて金利が高かった時代には、貯蓄型の生命保険で得することもありましたが、いまは必要なものにだけ入る時代。『保険は貯蓄』は、昭和の常識。令和の常識にアップデートしてください」

 

 では、必要な保険はないのだろうか。

 

「『自動車事故の加害者となる』『家が火災に遭う』などのリスクには、保険で備えるしかありません。未就労の子供がいる方なら生命保険は必要ですが、子供が独立すれば保険は卒業。独身者には、そもそも生命保険は不要です」

 

 がん保険はどうか。

 

「がんでも、通常は健康保険を用いて治療を受けるので、『高額療養費制度』で負担は軽減されます。『保険のきかない先進医療への備えを』ともいわれますが、先進医療は『素晴らしい最先端の治療』ではなく、いまだ安全性、有効性が確認されていない技術だと知る必要があります。

 

 また、最近はがんでも入院期間が短かかったり、通院のみで治療をおこなう場合がある一方、治療が長引き家計に影響が及ぶ場合もあります。そんな事態に備えたいなら、安い掛金で、がんと診断確定されたときに100万円程度を受け取れる、診断給付金型のがん保険がおススメ。入院の有無や治療方法を問わず、まとまったお金を最初に受け取れるからです」

 

 コロナ禍において本当に必要なのは、保険の知識ではなく、公的支援を受けるための情報だと清水氏は言う。

 

「コロナは、いうまでもなく災害です。支援策は、被災時並みにある。収入減で困ったら、なんらかの支援を受けることができます。ただし、その支援策をメディアや行政の広報で自ら見つけ、申請する必要があります」

 

 情報を味方にして、生活防衛をすべし。

 

しみずかおり
1968年生まれ、東京都出身。独立系ファイナンシャルプランナー。社会福祉士。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。おもな著書は『 “もしも” に備える新しいお金の使い方』(小学館)など

 

※生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」より

 

(週刊FLASH 2020年12月29日号)

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