
助けを求めるためにほえ続けた犬、新生児の命を救う image credit:Sibonga Wcpd/Facebook
去年のクリスマスイブに、フィリピンで1匹の犬が生まれたばかりの小さな命を救った。ゴミ処理場近くに捨てられていた赤ちゃんを助けたのだ。
犬は、バイクで通りかかった男性に必死で吠えて知らせると、その男性は赤ちゃんを発見。現在は、当局の管理のもと安全に保護されているという。『mothership.sg』などが伝えている。
新生児が遺棄されていることを知らせた犬
2019年12月24日の午後11時頃、フィリピンのセブ島シボンガにあるゴミ処理場近くをオートバイで通りがかったジャンレル・フエンテス・リヴィラさん(36歳)は、黒い1匹の犬が近付いて吠え続けていたため、オートバイを停止させた。
まるで何かを必死に訴えるように吠えるのを止めない犬は、リヴィラさんに「ついて来て」とでも言うように先導に立って歩き始めたため、リヴィラさんは犬の後をついていくことにした。
すると、ゴミ処理場の近くの芝生に、タオルに包まれた新生児が捨てられているのを発見した。へその緒と胎盤がついているその男児を、リヴィラさんはすぐに救助し、近くの病院へ運んだ。
病院から連絡を受けたシボンガ警察は、赤ちゃんを遺棄した母親や関係者の捜査を開始。しかし、今のところ有力な情報は上がっていないという。
動物保護団体が赤ちゃんを救った犬にお礼
当初、このニュースが報じられた時、赤ちゃんを発見した犬はゴミ捨て場をうろついていたことから、野良犬と報じられた。
しかし、地元のNGO動物保護団体『PAWSsion Project』がそのヒーロー犬を追跡したところ、犬は近くに住むクヤ・リンドン・オリンゲイさんの飼い犬ブラッキー(18か月)であることがわかった。
犬が大好きなオリンゲイさんは、家族でブラッキーを含め10匹の犬の世話をしている。
「どんなに貧困でも、人生が困難であっても、全ての犬にちゃんと餌を与えて世話をして、かわいがっている」と話すオリンゲイさん。
PAWSsion Projectは、今回お手柄を立てたブラッキーとオリンゲイさんの犬たちへの支援として、ペット用品や食料、寄付金などを集めて提供した他、10匹の犬たちに予防接種と避妊・去勢手術を受けさせることも約束した。
なお、ブラッキーとリヴィラさんに命を救われた赤ちゃんは、現在当局のもと安全に保護されており、健康状態も良好だという。
written by Scarlet / edited by parumo