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古代ローマの軍事拠点を大量に発見、イベリア半島占領の軌跡

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古代ローマ軍の軍事拠点を大量発見
古代ローマ軍の軍事拠点を大量発見 RomanArmy.eu

 スペイン北部で最先端のリモートセンシング技術による調査を進めていた考古学者グループによって、紀元前1世紀後半のものとされるローマ軍の軍事拠点が66か所も発見されたそうだ。

 イベリア半島の征服戦争でローマ軍がたどった足跡を明らかにするものだという。

イベリア半島への大遠征の証拠


 要塞や囲いの痕跡は、スペイン北西部のドゥエロ川盆地で発見された。

 これらは敵地を進軍する際や本拠地周辺で作戦を行うローマ軍が設えた野営地で、イベリア半島征服の最終段階において、カンタブリア山脈付近でローマ軍が活発に行動していたことを示す。

 1990年代まで、スペイン北部でこうした拠点跡が発見されることは珍しく、そのためにこの地域に大規模なローマ軍が展開したことはなかったと推測されていたという。

 しかし今回の発見は、そうした推測とは裏腹に、当時ローマが「ヒスパニア」と呼んでいたイベリア半島にかなりの数の軍が投入されていたことを示しているそうだ。

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現在のスペイン、カスティーリャ地方で発見されたローマ軍の拠点跡。今回新たに発見されたのは赤点のもの。
image credit:RomanArmy.eu

2世紀かけて占領されたイベリア半島


 今回の発見は、ローマ軍によるイベリア半島占領がいつ頃完了したのか推測する手がかりとなる。

 ローマ軍が南からイベリア半島に侵入したのは紀元前218年のことだ。そして先住民の最後の抵抗が潰える19年まで、そのままそこに駐留し続けた。

 スペイン北部のカンタブリア山脈は、スペイン側の抵抗勢力にしてみれば最後の撤退ラインにあたる。この辺りにローマ軍の拠点が大量にあるということは、原住民はついに追い詰められ、敗北寸前だったということを示しているという。

 最初の進軍からおよそ2世紀をかけて、ローマ軍は半島全土を手中に収めたのだ。

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イベリア半島北西部でこれまでに発見された拠点の位置。スペインのガリシア州、アストゥリアス州、カスティーリャ・イ・レオン州、カンタブリア州、ならびにポルトガル北部に点在する。
image credit:RomanArmy.eu

ローマ軍がヒスパニアを制圧した理由


 『Ancient Origins』の解説によると、ローマがヒスパニア領に進軍した理由はさまざまだ。まず確かなものとして、58万km2という広大な領土への野心が挙げられる。

 だがそれだけではなく、ジブラルタル海峡を通じて大西洋に自由に進出できるという点も魅力的だったようだ。海洋の支配はあらゆる帝国にとって重要なことだ。
 
 金やスズといったイベリア半島に豊富に眠ると考えられていた天然資源も理由の1つだ。

 さらにこの侵略戦争は、ローマの軍事演習として利用されていたとも考えられる。この戦いで新い戦術などを試し、ほかの敵国との戦争に備えたのだという。

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Google Earthの衛星写真で見た各拠点の上空からの様子。
image credit:RomanArmy.eu

繁栄をきわめるローマの自信


 こうした態度はローマがまさに繁栄しており、自信に満ちあふれていたことを示すものだ。イベリア半島には数多くの先住民がいたが、ローマはそうした勢力からの反撃などまるで恐れておらず、さらに半島の完全制圧に費やした237年という月日にすら躊躇しなかった。

 ローマ軍はイスパニアでの勝利を確実なものとみなしていた。多少の時間と人的な損失があったとしても、帝国の領土を大西洋まで広げられさえすれば、それ以上の対価が得られると考えていたということらしい。

 今後もリモートセンシングによる新しいデータの分析から、当時のローマ軍の占領の軌跡が少しずつ解き明かされていくことだろう。

 この研究は『Geosciences』(12月2日付)に掲載された。

written by hiroching / edited by parumo

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