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土のグラウンドと人工芝のグラウンド、守り方のコツは?/元中日・井端弘和に聞く

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は内野守備編。回答者は現役時代、7度、ゴールデン・グラブ賞に輝いた、元中日ほかの井端弘和氏だ。

Q.普段は土のグラウンドや校庭での練習ですが、公式戦になると人工芝のグラウンドを使用する頻度が高いです。しかし、なかなか人工芝に慣れません。プロでも土と人工芝とさまざまな環境でプレーすると思いますが、どんなところに注意をしているのでしょうか。(東京都・16歳)



A.土のように人工芝のグラウンドでプレーするとケガの恐れあり。また、人工芝のほうが打球が圧倒的に速いので早めの準備を

阪神が本拠地とする甲子園の内野グラウンドは土だ(写真は北條史也)

 私も東京の高校(堀越高)出身で、夏は西東京を戦いましたから、準決勝以降が人工芝の神宮球場での試合(当時)だったと記憶しています。当然、高校のグラウンドは土で、これに慣れているものですから、人工芝でのプレーは落ち着かなかったことを覚えています。質問の方の高校のある地区は、人工芝のグラウンドを使用する機会が多いとのこと。であれば、たとえ学校が土のグラウンドだとしても、連取では人工芝を意識したアプローチをするべきではないでしょうか。

 理由は後述しますが、私も大学時代、亜大の練習場は土でしたが、東都の公式戦は神宮球場ですべて人工芝という環境で4年間過ごしました。神宮でのプレーを強く意識して、土でも練習し、人工芝(神宮)仕様の動きを手に入れたわけです。これはプロでも同様でした。

 なぜ、土のグラウンド仕様の守りが良くないかと言えば、まずケガの心配が挙げられます。土に慣れた内野手(ショートと仮定します)だと、三遊間の打球に対して正面に回りこみつつ、右足(スパイクの底)を土に滑らせながら踏ん張ってストップさせ、スローイングにつなげていく、という動きをしがちですが、これは滑ってくれる土だからできることで、人工芝ではスパイク(ポイントでも)が芝に引っかかり、右足首を痛めてしまいます。良くてねん挫、最悪、骨折もあり得るでしょう。

 現役時代、甲子園の三遊間の一番深いところでイチかバチかであえて滑らせる、という選択肢を持ってプレーはしていましたが、これは甲子園限定の考え。人工芝を念頭に置いてプレーするならば、足さばきを鍛えてフットワークで守れるように練習をしなければいけません。三遊間の打球に対しては、逆シングルでさばく練習も必要でしょう。

 日本の古い指導者はいまだに正対して“打球の正面”に入ることを求めますが、あくまでも“ヘソの前が正面”なのですから、逆シングルも正面です。三遊間ギリギリであれば、強引に回り込んで捕球を迎えるよりも、逆シングルで捕球してからのほうが余裕もあり、強いボールが投げられますよ。

 また、人工芝のほうが土のグラウンドよりも打球が圧倒的に速いです。これに対応するために、いつもより早く準備をする。また、イレギュラーをしないというのは真っ赤なウソで、細かいイレギュラーをするので、油断はしないようにしなければいけません。

●井端弘和(いばた・ひろかず)
1975年5月12日生まれ。神奈川県出身。堀越高から亜大を経て98年ドラフト5位で中日入団。14年に巨人へ移籍し、15年限りで現役引退。内野守備走塁コーチとなり、18年まで指導。侍ジャパンでも同職を務めている。現役生活18年の通算成績は1896試合出場、打率.281、56本塁打、410打点、149盗塁。

『週刊ベースボール』2021年1月22日号増刊(12月16日発売)より

写真=BBM

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