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石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

cinefil

東京に生まれ、アートディレクター、デザイナーとして、多岐に渡る分野で新しい時代を切り開きつつ世界を舞台に活躍した、石岡瑛子(1938-2012)の世界初の大規模な回顧展が東京都現代美術館で開催されている(2021年2月14日まで)。

時代を画した初期の広告キャンペーンから、映画、オペラ、演劇、サーカス、ミュージック・ビデオ、オリンピックのプロジェクトなど、その唯一無二の個性と情熱が刻印された仕事を総覧する。

見どころ

・コラボレーションを通したデザインのプロセスに迫る展示

自叙伝『私デザイン』(※)にも克明に記述されているように、石岡瑛子の仕事は、マイルス・デイヴィス、レニ・リーフェンシュタール、フランシス・フォード・コッポラ、ビョーク、ターセム・シンら名だたる表現者たちとの緊張感に満ちたコラボレーションの連続で生み出されてきたものでもある。展示では、集団制作の中で個のクリエイティビティをいかに発揮するかに賭けた「石岡瑛子の方法」を、デザインのプロセスを示す膨大な資料とともに紹介し、その秘密に迫る。※ 講談社 2005年 刊

・全世界から集めた壮麗な映画衣装などによる、圧倒的な石岡瑛子デザインの体感

人間の身体の躍動感を根源に宿しつつ、「赤」をキーカラーとし、視覚的なインパクトとエモーションを併せ持つ石岡瑛子の仕事を、現在進行形のクリエーションを体感できる、熱量の高い展覧会として提示。アカデミー賞を受賞した『ドラキュラ』(1992)や、『落下の王国』(2006)、『白雪姫と鏡の女王』(2012)、オランダ国立オペラ『ニーベルングの指環』(1998-1999)など、ハリウッド・アカデミーをはじめ世界各国のアーカイブから集められた衣装展示も必見。

・Timeless, Original, Revolutionary… 時代を切り拓き、境界を横断していくクリエーションの力

前田美波里を起用したデザイン史の金字塔とも言うべき資生堂のポスター(1966)や、1970-80年代のパルコの広告などの一連の仕事において、石岡瑛子は、解放された女性像を提示し、東洋と世界の諸文化を対照・混合させながら、新しい時代を切り拓いていった。1980年に海外に拠点を移してからは、「サバイブ」を口癖に困難に立ち向かい、あらゆるデザイン領域に挑戦していく。「Timeless, Original, Revolutionary」の3つのテーマをデザインの根幹に掲げ、「私」の可能性を拡張し続けた石岡瑛子の仕事は、2020年の現在を生きる私たちに力強いメッセージを投げかけるはずだ。

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展示風景:第3章「Borderless:未知をデザインする」 より

展示構成

展示構成は3章になっており、第1章は「Timeless:時代をデザインする」。
ジェンダー、国境、民族といった既存の枠組みの刷新、新しい生き方の提案を、ヴィジュアルな言語から社会に投げかけた石岡瑛子。グラフィック、エディトリアル、プロダクト等のデザインを通して、1960年代の高度経済成長期から80年代に至る、消費行動を通した日本大衆文化の成熟を辿る。時代をデザインしつつ時代を超越しようとする姿勢は、その後の彼女の展開を予言するものとなる。

展示風景:資生堂の仕事 より
photo©moichi

展示風景:角川書店の仕事 より
photo©moichi

展示風景:パルコの仕事 より
photo©moichi

第2章は「Fearless:出会いをデザインする」。1980年代半ば以降、石岡瑛子は、クリエイターたちとの新たな出会いによって、日本から世界へと活動の場を広げるとともに、グラフィックデザイン、アートディレクション、衣装デザイン、さらにはプロダクションデザインと、デザインの表現領域を超えていく。エンターテイメントという巨大な産業のなかで個人のクリエーションのアイデンティティをいかに保ち、オリジナリティを発揮するかという問いに向き合いながら、コラボレーションによるデザインの可能性を拓いていく。

展示風景:『M.バタフライ』(演劇 1988年) より
photo©moichi

展示風景:『ミシマ―ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(映画 1985年) より
photo©moichi

展示風景:『ドラキュラ』(フランシス・F・コッポラ監督、映画 1992年) より
photo©moichi

第3章は「Borderless:未知をデザインする」。オペラや映画、サーカスのコスチュームやオリンピックのユニフォームを通して、身体を拡張し、民族、時代、地域などの個別的な属性を乗り越えた、未知の視覚領域をデザインしていく仕事を総覧する。永遠性、再生、夢、冒険といった普遍的なテーマを足掛かりに、人間の可能性をどこまでも拡張していく後半生の仕事は、常に新たな領域へと果敢に越境し続けた石岡自身の人生と重ねられる。

展示風景:映画 『落下の王国』 (ターセム・シン監督、映画2006年) より
photo©moichi

展示風景:映画 『落下の王国』 (ターセム・シン監督、映画2006年) より 
photo©moichi

展示風景:コンテンポラリー・サーカス 『ヴァレカイ』 (シルク・ドゥ・ソレイユ、2002年) より
photo©moichi

展示風景:ソルトレイクシティオリンピック(サプライウェア 2002年) より
photo©moichi

展示風景:『白雪姫と鏡の女王』(ターセム・シン監督、2012年) より
photo©moichi

ターセム・シンと石岡の最後のコラボレーションでもあり、石岡自身の最後の仕事でもある『白雪姫と鏡の女王』。ここでは純真無垢な少女が自立していく過程が石岡の衣装によって表現されている。

膨大な量の作品で石岡瑛子の足跡を追ってきたこの展覧会の最後を飾るのは彼女の最初の作品。『えこの一代記』は彼女が高校生時代につくった英語の絵本で「えこ」という女の子を形づくってきたものが詰まっている。実はこの絵本と白雪姫の物語が繋がっていることが分かるという印象的な展示構成である。
コロナの中だが、密度の濃い今年度必見の展覧会にぜひ足をお運びください。

展示風景:石岡が高校生時代に製作した『えこの一代記』 より
photo©moichi

開催概要

会期:2020年11月14日(土)- 2021年2月14日(日)
休館日:月曜日(11月23日、2021年1月11日は開館)、11月24日、12月28日-2021年1月1日、
    1月12日
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
観覧料:一般 1,800円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 1,300円 / 中高生 700円 / 小学生以下無料
    ※ 予約優先もチケットあり https://www.e-tix.jp/mot/
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/地下2F
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
協賛:ライオン、DNP大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網、パルコほか
協力:公益財団法人DNP文化振興財団、劇団四季、資生堂、七彩ほか
助成:オランダ王国大使館
後援:公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会

問合せ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp/

cinefil 読者チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」プレゼント係宛てにメールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券(平日限定の券になります)をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効のこの招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

☆応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2020年12月20日 24:00 日曜日

記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
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抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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