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人間の胃の中を駆け回る寄生虫の姿を超音波で撮影(インド)

カラパイア

腹部をかけまわる寄生虫の超音波画像
腹部をかけまわる寄生虫の超音波画像 image by:Chaurasia & Bhoi, NEJM, 2020

 超音波(エコー)検査は超音波を対象物に当ててその反響を映像化する画像検査法だ。出産前の赤ちゃんの姿を確認するのに使用される他、臓器を検査する際にも使用される。

 インドの男性は腹痛、下痢、嘔吐が一日中収まらず、超音波検査を受けることとなったが、胃の中には赤ちゃんではないうごめくものが潜んでいたようだ。

腹痛の原因は寄生虫!


 『The New England Journal of Medicine』(11月21日付)の報告によると、ニューデリー在住の20歳の男性は、腹部の痛みにくわえ、下痢や嘔吐が1日中収まらず病院に搬送されたという。男性はこれまで健康で持病はなかった。

 血液検査からは白血球が増加しており、男性が何かに感染しているらしいことがうかがえた。またヘモグロビンが増加していたことから、脱水症状から白血病までさまざまな症状が想定された。

 そして行われたのが問題の超音波検査だ。下大静脈の血流を確かめてみるために、エコーをあててみたところ、医師はできれば見たくなかったものを目撃してしまったのだ――お腹の中で「ウネウネと蠢く管状の……構造物」を。

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image by:Chaurasia & Bhoi, NEJM, 2020


 検便の結果、お腹の中で元気な寄生虫がすくすくと育っていたことが明らかになった。更に便の中に「ヒトカイチュウ(学名 Ascaris lumbricoides)」の卵が含まれていたのだ。

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image by:Chaurasia & Bhoi, NEJM, 2020

人間と共に生きてきたヒトカイチュウ


 ヒトカイチュウは人間の寄生虫としてはもっとも一般的で、世界的に見れば8億~12億人の腸内に潜んでいると推定されている。

 古くから人間と共生してきた寄生虫であり、日本では今でこそ少なくなったものの、1960年代までは都市部なら3、4割、田舎なら6割の日本人がこれに寄生されていたという。

 体長は15~35センチ程度でメスの方が大きい。1日に10万~15万個の卵を産み、それが便と一緒に排出される。便が指などに付着し、卵が口に入ってしまうと感染されてしまう。

 地域によっては大便は肥しとして利用されているので、これによって農作物が汚染され、感染が広まることが多い。

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ヒトカイチュウのメス image by:public domain/wikimedia

感染予防には手洗いが大切


 寄生されても数匹程度ならそれほど影響はないが、大量に寄生されてしまうと、栄養分を奪われたり、ヒトカイチュウが分泌する毒素によって体調を崩したり、さらに鋭い頭で体内に傷をつけられたりする。結果、インドの男性のように病院に担ぎ込まれることになる。

 なお、その男性は駆虫薬が投与され、すぐに退院。2週間後の検便で、きちんと駆除されていることが確認されたとのことだ。

 日本でヒトカイチュウに寄生されることはほとんどなくなったが、感染予防には食材を扱う前に石鹸できちんと手洗いすることが大切であるそうだ。今のご時世、手洗いなら言われなくてもやるだろう。

References:nejm.org / sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo

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