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地球は26秒ごとに脈動している。発見から60年が過ぎた現在も原因は不明

カラパイア

地球脈動ミステリー
地球脈動ミステリー / Pixabay

 人間には感じられないレベルだが、地球は26秒に1度の周期で脈動している。脈動とはその名の通り、表面には現れないが、脈が打つように絶えず力強く動いていることだ。

 脈動は地震の振動とは異なる。ではどこから発生しているのか?地球脈動発見から60年、謎の現象をめぐる議論について、『Discover』が解説している。

夏場に強まる謎の脈動


 地震学における「脈動」が初めて検出されたのは1960年代のことだ。

 発見者は、アメリカ・ニューヨークにあるラモント地質観測所(現ラモント=ドハティ地球観測所)の地質学者ジャック・オリバー。大陸プレートの移動に関する業績で知られる人物だ。

 彼が発見したのは、大西洋の南部か赤道のあたりから脈動が伝わってきており、北半球の場合は特に夏に強まるということだ。

 1980年代、アメリカ地質調査所のゲイリー・ホルコムは、この現象をさらに詳細に観察し、それが一番強まるのは台風が発生しているタイミングであることを発見した。

 だが20世紀の研究はここで途絶え、オリバーとホルコムの発見はしばらくは忘れ去られることになる。

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Pixabay

 地球の脈動が再び研究者の目にとまったのは、2005年のことだ。当時コロラド大学の大学院生だったグレッグ・ベンソンが扱っていた不思議なデータが、指導教授だったマイケル・リッツウォーラーの注意を引いた。

 リッツウォーラーは見た瞬間に妙だと感じたという。しかしその正体はさっぱりだった。

 困惑した二人はそれをさまざまな角度から検証してみることにした。機器の誤作動や分析ミスである可能性を検討し、オリバーとホルコムの研究を調べ、ついに三角測量によってその発生源が西アフリカ中央部のギニア湾にあることまで突き止めた。

 だが脈動の正体はやはり謎に包まれたままだった。


地震ノイズと脈動は別物


 じつは、地震や噴火が起きていないときでも微細な振動が発生していることが、以前から知られている。

 その原因は太陽だ。地球の赤道と極地では、太陽によって熱せられる割合が違う。これは風や台風、海流や波といったものを作り出す。そうした波が海岸にぶつかったときに、そのエネルギーが陸地に伝わる。これが地震ノイズの正体だ。

 これはちょうど机をトントンと叩いたときに似ている。机の向こう側に人がいて、そこに手を乗せていれば、振動を感じることができるだろう。

 こうした地震ノイズは常に検出することができ、そのパターンを調べることで地球内部の構造を探ることができる。リッツウォーラーらの研究テーマはこれで、地震ノイズの観察なら以前からずっと行ってきたことだった。

 脈動はそんな彼らにとっても、見知らぬ現象だったのだ。

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iStock

脈動の発生原因は波とする説


 2013年、セントルイス・ワシントン大学の大学院生ギャレット・オイラーは、脈動の発生源をさらに詳細に特定し、学会で発表している。それはギニア湾の「バイト・オブ・ボニー」と呼ばれる海域だ。

 そして彼の見解によれば、脈動を作り出しているのは海の波であるという。

 海面を波が移動するとき、海水に圧力の差異が生じる。これは海底にはほとんど影響しないが、大陸棚の周辺では、硬い海底が海面にずっと近いために、テーブルを叩いたときのように海底を歪める。これが脈動の原因ではないかというのだ。

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Pixabay

火山起因説


 だが反論もある。中国、地球物理研究所のシア・インジエらは、26秒周期の脈動は波によるものではなく、火山活動が関係していると当時主張していた。

 というのも、脈動の発生源はバイト・オブ・ボニーに浮かぶ火山島「サントメ島」のすぐそばであると考えられたからだ。さらに似たような現象が、日本の活火山「阿蘇山」周辺でも確認されているという。

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ギニア湾のバイト・オブ・ボニー海域 image by:WIKI commons

 脈動の原因が波であれ、火山であれ、ほかにも謎はある。それは、そもそもなぜそこなのか? ということだ。

 世界各地には大陸棚も火山もたくさんある。なのに知られている限り、脈動が起きたりはしない。それがバイト・オブ・ボニーのような一部地域でしか生じないのなら、そこには何か特別な点があるに違いない。


謎の脈動は謎のまま


 発見から60年がたった今も、その謎は解明されていない。

 その理由の1つは、あまり優先順位の高いテーマではないことが挙げられる。地震学者にとって最大の関心事の1つは、大陸の下にある構造を探ることだ。脈動は不可思議な現象なれど、こうしたメインストリームからは外れている。

 これからもほとんどの人間に気づかれぬまま、こっそり地球を揺らし続けていくのだろう。

References:odditycentral / discovermagazine/ written by hiroching / edited by parumo

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