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ライトニングボルトー!落雷をレーザーで誘導し特定の場所に落下させる新技術(オーストラリア研究)

カラパイア

雷の落下地点を操るレーザー技術
雷の落下地点を操るレーザー技術 / Pixabay

 「雷は同じ場所に2度落ちない」ということわざがある。実はそんなことはなくて、気象学者や観測家は同じ場所に何度も雷が落ちることを知ってる。このことわざは、災難にあったばかりの人を慰めるために「もうそれ以上ひどいことは起きないよ」と安心させるために使われてきたのだ。

 では本文に戻そう。昔は天気天候を操れるのは神に近い者だけとされていたが、現在は気象制御技術により人為的なコントロールが可能となっている。

 最新のレーザー技術を使えば、雷の落下点をコントロールできるという。つまり、特定のターゲットに何度も雷が落ちるように導くこともできれば、そこだけ落とさないようにもできてしまう、ことわざ殺しのテクノロジーなのだ。

レーザーで絶縁破壊の経路を制御 


 普段は電気を通さない物質(絶縁体)に、その力を超える電気が加わったとき、急激に電気抵抗が低下して大きな電流が流れることを「絶縁破壊」という。

 落雷は、雲と地面の間で絶縁体として機能している空気に絶縁破壊が起きたときに生じる。

 オーストラリア国立大学やニューサウスウェールズ大学をはじめとする研究グループが考案したトラクタービームは、この絶縁破壊の経路をコントロールすることで、落雷を導く技術だ。


4-3. 絶縁破壊のプロセス(絶縁と絶縁破壊)

ビームで光を吸収する粒子を集め、レーザーで加熱


 トラクタービームは空気中に含まれる「グラフェン微粒子」を集めて、それをレーザーで加熱する。この粒子には光を吸収する性質があり、これを加熱することで絶縁破壊が起きる経路をあらかじめ定めるのだ。

 『Nature Communications』(10月20日付)で紹介された実験では、大気の状態を再現して落雷をシミュレーションしてみたところ、トラクタービームにそって絶縁破壊が起きる条件を作り出すことに成功したとのこと。

 すでにレーザーを利用して放電をコントロールする技術の応用は進んでおり、産業ではナノテクロノジーや半導体生産、医療ではプラズマ医療などに利用されている。

 しかし新しいトラクタビームは、そうした既存技術の1000分の1という低出力レーザーを採用しており、低コストで安全、かつより正確なコントロールを実現しているという。

 「光を描くペンで目に見えない筋をつけて、放電をコントロールして髪の毛の10分の1の範囲に導くことができます」と、ニューサーウスウェールズ大学のアンドレイ・ミロシュニチェンコ教授は説明する。

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Pixabay

 2019年から20年にかけて、オーストラリアは落雷によって生じた森林火災によって甚大な被害を被った。トラクタービームは落雷を安全な場所に導くことで、そうした火災を予防することができるとのことだ。

 また、硬いがん組織を切除するレーザーメスなど、医療や産業への応用も可能であるそうだ。

References:phys / anu.edu/ written by hiroching / edited by parumo

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